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日常で使えるキャラクターグッズは作れるのか。村紗水蜜のTシャツができるまで
この記事は8月12日に開催されるコミックマーケット104での宣伝を兼ねています。
記事の最後に告知情報を載せていますので、併せてご覧ください。
「星空亭」というサークルで、東方Projectの二次創作を中心に活動しています。
今回頒布するのは東方Project第12弾『東方星蓮船 ~ Undefined Fantastic Object.』に登場するキャラクター・村紗水蜜を題材としたTシャツ『LOST SUMMER VACATION』です。
ちょうどコロナの流行が始まった2020年に作ったTシャツで、タイトルはコロナ禍で海にも行けやしない=失われた夏休み、的なニュアンスでつけました。
![](https://assets.st-note.com/img/1723379992691-2XjHQ4YvWh.png?width=1200)
今回で5〜6回目の再販となる作品ですが、せっかくなので「キャラクターグッズのデザイン」に焦点を当てた作品解説をします。
キャラクターグッズと普段使いの境界線
Tシャツはキャラクターグッズの中でも、(部屋着としての用途を除けば)人目につくものです。
そのとき、それがどのようなデザインであるか、より端的に言えば「着用に耐えうる」ものであるかは基準が分かれるところでしょう。
Tシャツの制作自体は2009年から続けていて、途中で間が空きましたが通算6着ほど作りました。当初から普段使いができるキャラクターグッズをテーマとしており、それは今でも変わっていません。
(それが当時から達成できていたかどうかはさておき、ですが)
いきなり身も蓋もない話をすれば、そうした用途に適したグラフィックをもって制作する。これが前提条件です。もう少し踏み込んだ表現をすれば、ここでのグラフィックとは画風とか絵柄とか、そういった意味です。
その上でどうするか、ここからデザイン的な話になります。
「制限」によって生まれるデザイン
キャラクターグッズを作る上で、いくつかの制限を設けました。
シルエットは使わない、アイテム類だけにしない、キャラクターを必ず置く
まずシルエット。かつてiPodのシルエット広告をアニメキャラでパロディするネタ画像が流行りました。
元はアニメチックなイラストでも、シルエット+ビビットな原色背景にするだけで不思議と様になるのは元ネタのiPodの広告がいかに優れていたかの証左でもありますが、それをキャラクターグッズでやってしまうのは逃げの姿勢でもあります。ようは簡単すぎるのです。
アイテム類だけにしないも同様。霊夢だったら陰陽玉、魔理沙だったら八卦炉などですね。あるいは東方だったら弾幕もグラフィカルではあります。しかしこれらも、デザイン上でいじれる要素が少なく、シルエット同様にポン置きで済ませてしまえることが問題でした。
実は1着目に作った八雲紫のTシャツがこのパターン(紫のスキマをあしらったデザイン)で、そのときの反省も含まれています。
最後の「キャラクターを必ず置く」は、二次創作でそのキャラクターのグッズを作る以上、それこそTシャツくらいにプリント箇所が広いものであればキャラクターは何かしらの形で入れるように心がけています。それこそ背面側でも構いません。
これらの制限を守った上で、普段使いできそうなラインを模索する。
キャラクターグッズにおける調整の大部分はここです。
色の制限についても触れておきましょう。
Tシャツの印刷方法は大きく分けて「シルクスクリーンプリント」と「転写プリント」の2種類があります。ここでは前者となる「シルクスクリーンプリント」について説明します。
シルクスクリーンプリントはひとつの版につき1色を指定することができます。たとえば前面に黒と赤、背面に黒の版を使えば合計3版です。1色ごとに版代が発生するため、コスト面から考えると3〜4版ほどが現実的なラインとなります。
まさしく製造工程上の「制限」ですが、この制限によって引き算としてのデザインが成立しているとも言えます。シルクスクリーンプリントの面白さでもあります。
キャラクターをどこまで描写するか
『LOST SUMMER VACATION』は村紗というキャラクターを描きつつ、ベレー帽で顔を隠すという手法でキャラクター性とデザイン性を両立させています。舟幽霊である村紗の表現としても、この顔を隠すやり方は上手く合致しました。
本作のイラストレーションを担当してくださったイラストレーター・87さん(とても素敵な村紗水蜜をたくさん描かれている方です)の作品群にも「顔をあえて描写しない村紗」のイラストが複数あり、本作の出発点となったのも87さんの村紗でした。
らくがき pic.twitter.com/uX0NntgzSr
— 𝟴𝟳 (@tenohilla) May 16, 2018
ミナミツサン pic.twitter.com/7ShHnUyX6v
— 𝟴𝟳 (@tenohilla) November 7, 2017
【告知】コミックマーケット104に参加します
まさかの前日告知となってしまいましたが、8月12日のコミックマーケット104に参加します。
頒布物情報
#C104 #C104お品書き
— 紡@月曜日 東テ25b (@tsumugu) August 11, 2024
夏コミ2日目はテ-25b【星空亭】でTシャツ頒布します。
再販ですが、村紗Tシャツは試験的にXXLサイズ追加やボディの色を複数パターン作ってみました。
ぜひ遊びに来てください。 https://t.co/q5oGyeG2TY pic.twitter.com/pGGDlFubyv
村紗水蜜Tシャツ『LOST SUMMER VACATION』
サイズ:M.L.XL.XXL
頒布価格:3,000円 ※XXLのみボディ代が異なるため3,300円となります。
その他:
今回は素地色を変更しています。ナチュラル、オートミール、アッシュの全3色となります。色合いについてはぜひ現地にてお確かめください。
また、数はわずかですがXXLも用意しました。要望次第ではありますが、ボディ代の都合でおそらく今回のみになる見込みです。
素地色やサイズ追加など実験的な再販となりますが、記事を読んで興味を持たれた方はサークルスペースまでお越しください。
頒布先:東6ホール・東テ25b【星空亭】
BOOTH通販については夏コミ後に開始する予定です。
Twitter(@tsumugu)にて告知しますので、通販での購入を希望される方は少々お待ちください。