デッドプールにハマり、恋活が終わった話
先月末、マッチングアプリで知り合った男性と「デッドプール&ウルヴァリン」を観に行ってから、私はこの映画の虜になり、その彼とはご縁が消滅しました。
いや、なんでやねんという話なんだけど、この映画がきっかけになったのは間違いないと自分でも言える。
映画を観たその日、衝撃を受けすぎて帰り道の車の中での会話の記憶がない。なんだこの映画、面白すぎる。デッドプールの映画は1も2も観ていたけど、今作を格別に好きだと感じた。
どこが好きかと言われると、私はブロマンス映画がもともと大好きであることが非常に要素としては大きいが、随所に散りばめられているネタの数々も面白いし、まずオープニング映像がかっこよすぎるし、とにかく、良い。この映画は。MCU作品もX-MENもまったく未履修だったけれど、すごく楽しい時間だった。
次のデートの計画もそぞろに、私は翌週、一人でもう一度観に行った。
その頃にはすっかりこの映画に夢中になっていた。友達や家族に面白かったよと伝えても、いまいち響かない。映画の感想をぽつぽつと一人でSNSにつぶやいていたが、壁打ちに耐えきれずとうとう専用のアカウントを作った。
この映画が好きな人を少しずつフォローして、感想を分かち合った。
楽しい。楽しすぎる。私の話を理解して、一緒に楽しんでくれる人がいることってこんなに楽しいんだ。感動しすぎて、人の心を知らないモンスターだった私の心がほぐれた気がした。
さらに、筆を持つのが嫌で嫌で絵を描いていなかったのに、数年ぶりに描いた。ファンアートだ。一週間で20枚は描いた。3年間で1枚も描けなかった自分が。情熱の勢いがすごすぎる。描きすぎて体調崩したし右手も壊した。
なんだか、自分の体にエネルギーが戻ってきたのを感じる。
絵を描く行為を嫌だとまったく感じないどころか、楽しい。もっとうまく自分の頭の中にあるイメージを目の前に再現したい。そうしているうちに少ないながらにいいねがもらえて、嬉しい。
知り合った人と、一緒に絵を描いて遊んだ。楽しすぎる。
もう、デートとかクッソどうでもよくなっていた。
ちなみに次のデートは、彼が当日に高熱を出しお流れになった。そのときに「やった!」と思った時点で、終わりだと思った。
心配するより先に、会えないことを嬉しく思ってしまう自分に嫌悪感を抱いて数日落ち込んだけれど、持っていない気持ちを表す方法は私にはない。熱を出してしまうことに罪はないし、怒ってもいないけれど、もうどうでもよかった(本当にゴメン)。
彼は初デートにも30分は遅刻してたし、間が悪い人というか、なんというか。当日キャンセルの連絡が来た時点で、私と縁がないのだろうとその時に悟った。
デッドプール漬けの生活ですが、グッズを買い漁ったおかげで部屋の中も染まってきた。今まであまりハマれるものがなく、これといって何も部屋においていなかったから、自分の「好き」が部屋にあるのは良い。部屋ってこういうふうに使ってもいいんだ、と思った。
なんだかずっと自分の「好き」をおさえて生きていた気がする。
ストレートに自分の気持ちを表現できるのが、とても気持ちいい。
彼にはここまでデッドプールにハマっているという話をできなかったのが、いろいろと物語っているだろう。
出かけた先でたまたま見つけたウルヴァリンの小さなぬいぐるみを連れて帰るときに、初めて「推し活アイテム」を手に取った。クリアポーチになっていて、ぬいぐるみを入れておけるのだ。
好きなものを見せながら連れて歩けるなんてすごい。
映画にハマってからもう4回は映画館に足を運んだし、この先もまだ観に行く予定がある。今度は応援上映というものだ。初めて体験するけれど、一体どんな感じなのか…緊張…。
「好き」を原動力に毎日を生きることができるようになって、思考も前向きになってきた。人と関わることが増えたおかげで、誠実にあろうという気持ちも強くなった。
ずっと自分と世界をつなぐ何かが欲しくて手をのばしていたけれど、ようやく少しだけ世界と繋がれた気がする。
映画が好きで、映画をきっかけに人とつながれたらいいな。と、今年の前半にぼんやり思っていたことが、少しずつ現実になってきている。
こうやって自分の世界を広げていくんだな。
あと、別に恋愛は無理してするもんじゃないということがわかった。