モーニングページを3ヶ月続けたら、現実が変わっていた。
―努力を嫌い、つかれることを嫌い、みとめられなくてもいいやとひねくれて、くさった態度で、文句ばっかり言う人生に、なんの意味があるだろう。
これは、私がモーニングページを書き始めて一週間ほど経ったころに書いた文だ。今読み返しても、なかなか胸に刺さる一文だと思う。
書き始めた頃は、私生活がうまくいっていなくて、人間関係にもすごく悩んでいて、精神的にも良い状態ではなかった。
そのすべてをなにかのせいにして、改善しようとしていなかった自分に、自分なりに腹が立っていたのだろうか。
手書きのノートは、字や書き方から自分の精神状態がわかっておもしろい。
ノートの初期は、愚痴が多く、子供が書いたのではないかと思うほど文章も稚拙で、ひらがなが多かった。
少しゾッとするぐらい、「普通じゃない」という空気を感じた。
SNSでたまたま見かけた人の発言に、理解の範疇を超えた恐ろしさを感じることがないだろうか。まさか自分の書いた文章からそれを味わうことができるとは。”ホンモノ”の文章だ。
そこから2ヶ月経ち、日記の内容はずいぶんと前向きになった。
字もきれいになり、漢字が多く使われていて、「こうしたい」という未来のことが理路整然と書かれるようになっていた。
自分を見つめ直すことで、精神的にも成長したのだろうか。
たった2ヶ月でここまで変われるものなのか?と自分でも思ってしまうぐらい、考え方も何もかも変わっている。
「やりたいことが見つからない」「何もできることがない」「面接は苦手だからやりたくない」と書いた2ヶ月後に、まさか転職を成功させているとは当時の自分は思いもしないだろう。
しかも、あれだけ面接をやりたくなかったのに、フタを開ければ「面接は得意で、面接の場さえ設けてもらえば勝てる」と考えていたなんて。
モーニングページには現実を変える力がある。
夜に書くジャーナリングでも良いとは思うのだが、個人的にはモーニングページをおすすめしたい。どちらも挑戦したが、やはり寝起きの頭でそのとき頭の中に詰まっているものを書き出すほうが効果的だと感じた。
毎日書かなくてもよいが、できれば毎日書いたほうがいいし、書けない日があっても数日おきにでも書いてほしい。
そして、絶対紙に書いてほしい。パソコンに打ち込んだり、スマホに打ち込むのでは効果が薄い。
自分で手を動かし字を書くことで、脳に良い刺激になり、スラスラと考えが浮かんでくるようになるのだ。
モーニングページの時間を使って、ほぼ毎朝、徹底的に自分を見つめ直した。
できなくてくやしいこと、できるようになったこと、これからやってみたいこと、そして今の気持ち。
だれにも見せないノートだからこそ、とにかく全部書いた。
それを続けていたら、現実が変わっていた。
ノートには、「人や物事と誠実に向き合う」と何度も書かれていた。
ひたすら逃げてきたから。楽な方へ、努力しなくて済む方へ、そうしているうちに、すべてを失ったから。
逃げようとしてしまう自分をどうにか抑え込んで、向き合おうと必死にもがいていた。
失ったものはもう戻らないけれど、誠実に向き合うことで、新しく手に入れることができた。
人生に行き詰まり、もうだめだと思ったときこそ、モーニングページを書き始めよう。ぼろぼろの自分を記録しておくことは、のちのち自分の勇気となる。
これからも、躓いてしまうことがあるかもしれないけれど、今までの自分と同じように、また立ち上がって強く歩き出せる気がしている。
まずは数日続けるところから。
ぜひ好きなノートと、好きなペンを使って、最初の一歩を踏み出してほしい。