空き家の荷物片づけるんですか?問題
ほしぞら通信 #004
すでに片付けが済んでいる家を除いて、空き家のご相談の際にほぼ必ず尋ねられるのが「片付けたほうがいいのでしょうか?」です。
結論から言うと、ぼくの経験上は「片付けたほうが断然いい」です。
空き家の持ち主さんが片付けるかどうか迷われる理由としては次のようなことが考えられます。
① 片付けに手間と費用がかかる
② 残っている物のなかで使えるものは使ってもらいたい
他にも理由はあるとは思いますが、恐らく主にこのふたつだと思います。多くの場合①「片付けに手間と費用がかかる」が最も大きな理由ではないでしょうか。
お気持ちはわかります。空き家の荷物は、外に出してみると想像以上に多いです。しかも、分別が必要になり非常に手間が掛かる作業です。
これを業者に全て依頼すると、ウン十万円になります。コンテナを持ってきてもらって、分別のみを業者に頼む方法もありますが、コンテナまでは自分で運ぶ必要があります。若い人がいればいいですが、ご高齢の方や女性にはとても荷が重い作業です。
そして、②の「 残っている物のなかで使えるものは使ってもらいたい」は物を大切にしたいというお気持ちや、次の方へのお心遣いから、という部分が大きいと思います。
お気持ちはわかります。思い入れがあるものや、そこそこのお値段がしたものもおありでしょう。
確かにそうなのですが、それでも荷物がないほうがいい理由があります。
① 新たな暮らしをイメージしやすい
② すでに家具、家電をお持ちである
③ 家の風通しがよくなる
まず、①と②ですが、多くの場合、家をお探しの方は新たな暮らしをイメージしています。その場としての「家」ですので、物がないほうが当然暮らしをイメージしやすくなります。
また、家具や家電はすでにお持ちの場合がほとんどです。あとは、他の人が使われていたものを使うことに抵抗を感じる方も中にはいらっしゃいます。よって、荷物が無い方が売却の可能性は高まります。
そして、とても重要なのが③の風通しです。
空き家を売りに出してすぐに売れない場合もありますが、その間にも風通しが悪いと家が傷んでしまいます。また重たいタンスなども家には負担となります。なので、物がないほうが結果として家のためにもなるのです。
確かに、ケースによっては残っているものを喜んでお使いいただくこともありますが、可能性から考えると、やはり片付いているほうが売却の可能性は高まります。これまでのぼくの経験からしても、片付いている家のほうが早く売れることが多いです。
あと、これはちょっと非科学的なお話になってしまいますが、不動産の売買には「動き」があるかないかが重要な気がするのです。
所有権が「移動」するという「動き」を呼び込むための「動き」が必要な気がするのです。まず、「売ろう」と決意して行動に移す「動き」。そのなかで、片付けを始めるという「動き」と実際にものが運ばれるという「動き」。
これらが、結果として売買という流動性につながるような気がするのです。これは全く科学的な根拠が無いことなので話半分かそれ以下で聞いていただきたいのですが、これまでの経験上そんな気がしてならないのです。