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僕と君と私

電車に揺られながら、集合時間ギリギリに着くことの焦りと「彼女」に会えることへの期待が混ざり、胸が高まる。しかし、どんなことを話そうかと考えても脳が働かない。彼女に会えるのは嬉しい。でもどこかで冷静でいようとして、論理的な説明で僕の足を引っ張る。この感覚はいつから生まれたのだろう。少し前までは今よりずっと感情的に衝動的に体を動かせていた。けれど今は頭蓋骨と大脳皮質の間に鉛が敷き詰められていて、穏やかな欲情を許さない。脊髄が引き起こす一瞬の鉛の融解を求め、手や足に傷をつけてみたりする。痛い、もちろん痛い。しかし、この痛みとは比にならないほどの快楽を感じることができる。彼女は好きだ。でも、一人で満たされる。デートなんかしても、満たされない。しかも友達によれば、そんなにいいものでもないらしい。じゃあ、一人でいいじゃない。
高まっていた時、つまり一人の「途中」の時、送ったラインが引き起こしたこの面倒。僕の脳はヤリマンなんだ。「緊急性」が伴うもの以外、冷静に対処し、何かとつまらなくしていく。でもそれでもまだ少し感じる部分は残っているようだ。性欲。金。そして不安。今はだいぶ不安に犯されている。


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