【エッセンシャルディグニティの基本】惑星の状態を表すディグニティとは何なのか?ディグニティという概念とその影響、そしてモダン西洋占星術での扱いは?【古典占星術の重要な技法】
【西洋/インド占星術のセッション】
西洋占星術+インド占星術のホロスコープを
同時解読して、
「終わった後に安心感を感じることができ、今より良い未来を信じて立ち上がっていける鑑定」
を心がけ通話セッションしています。
↓
ちょっとした相談や質問をしたい方はこちら質問箱です↓
自身の20年の虐待経験を描いたエッセイ漫画「生きてることが恥ずかしい」↓
スペースのお知らせ
今週はいつもの水曜日ではなく、
10/20の金曜日の21:00から、
なんと!
「基礎からわかる伝統的占星術」の著者である
福本基先生がスペースに来てくださいます!
古典占星術に一度でも興味を持ったことがある方なら
ほぼ100%福本先生の本をご存知なのではないでしょうか?
近代の西洋占星術ではなく、
伝統的な西洋占星術の世界への入門書として手に取る方も非常に多いでしょう。↓
今回は福本先生にこの素晴らしい著書について、
制作の裏側や反響、そしてもちろん古典占星術の世界についても色々お聞きしたいと思います!
ぜひリアタイ参加される方はご質問等もどうぞ!
※追記 福本先生とのスペースまとめはこちら↓
【古典占星術の福本基先生とのスペース〜基礎からわかる伝統的占星術の裏側〜】古典占星術に興味を持ったことがある方なら誰もが知ってるあの本の書いた経緯、そして超貴重な福本先生のディグニティを用いたサイン解釈や、ノード解釈、占断に使う未来予測技法とは…!?↓
今回はディグニティについて。
占星術にある程度、造形の深い方はディグニティをご存知かと思います。
これは品位と呼ばれることもありますが、
一般的に言われる惑星の状態を表すディグニティをエッセンシャル・ディグニティと呼び、
直訳すると本質的尊厳になります。
今週の10/20金曜日の21:00からは「基礎からわかる伝統的占星術」の著者、
福本基先生にもお越しいただくため古典西洋占星術には欠かせない
このディグニティについてお話したいと思います。
まず、こちら海外サイトからの引用になります。
↓
エッセンシャル・ディグニティ表
古典占星術のディグニティ↓
モダン西洋占星術のディグニティ↓
海外のWikipediaより↓
◎エッセンシャル・ディグニティ(Essential Dignities)
伝統的な占星術では、惑星がドミサイルやエグザルテーション、トリプリシティ、ターム、またはフェイスのサイン、
またはそれらがうまく機能する他のサインの特定の度数にある場合、惑星はエッセンシャルディグニティを持っています。
ディグニティのある惑星は、エッセンシャルディグニティが欠けている惑星よりも強いです。
エッセンシャルディグニティとは、星座や度数による惑星やポイントの黄道帯の位置の相対的な強さ、弱さ、あるいはその本質を指します。
これは17世紀の占星術師ウィリアム・リリーが「惑星[または]シニフィケーターの強さ、不屈の精神、または弱さ」と呼んだものです。
言い換えればエッセンシャルディグニティは、出生図の空にある他の要素から切り離されているかのように、惑星またはポイントの長所を観察しようとします。
比較すると、アクシデンタル ディグニティは、惑星またはポイントが、出生図におけるその位置、例えば他の惑星との近接性や、出生図の 4 つの角度など、図内の他の要素との関係からどの程度の強さを導き出すかを示します。
チャート、または星、およびチャート内の他の惑星または点と形成する アスペクト(または対称的な角度の接続)。
例えば火星のエッセンシャルディグニティは山羊座の27度に位置する場合、火星が山羊座で高揚しているという事実と、火星が山羊座27度の「ターム」の支配者であり、フェイスの支配者でもあるという事実を考慮に入れることになります。
山羊座27度。かなり堂々とした火星です。
その火星が出生図の12 ハウスに位置している場合、火星のアクシデンタルディグニティは低いでしょう。
なぜなら、火星は弱いか悪意のあるケイデント ハウスに位置しているからです。
もし火星が土星のような悪意のある惑星ともスクエアであり、山羊座の支配者である凶星である土星から器用なスクエア・アスペクトを受けているとしたら、これは火星の強さと慈悲深く活動する能力をさらに妨げることになるでしょう。
これらのアクシデンタルディグニティの要因は、エッセンシャルディグニティにおいて強い火星を弱める傾向があります。
伝統的に、5 つの重要なディグニティは次のとおりです。
グイド・ボナッティやリリーのような古典派以降の占星術師にとって、高位には階層がありました。
最も重要なディグニティはドミサイルのルーラーシップであった。
エグザルテーションはそれほど重要ではありませんでした。
トリプリシティの支配権は中世の占星術では依然としてかなり重要でしたが、プトレマイオスのようなヘレニズムの占星術家ほど重要なものではありませんでした。
タームやバウンズによる支配の重要性は大幅に低下し、フェイスによる支配はほぼ完全に無視された。
リリー氏は顔の支配者が果たせる唯一の機能は、惑星が完全にペレグリンになるのを防ぐことだと語った。
つまり、エッセンシャルディグニティが何一つ欠けている――これは凶悪な状態と考えられていた。
しかし、ヘレニズム時代の占星術師たちは、ディグニティについてまったく異なる見方をしていました。
プトレマイオスやヴェティウス・ヴァレンスのような初期の占星術師にとって、ドミサイル、エグザルテーション、トリプリシティ、ターム、フェイスはすべて同等の影響力を持っていました。
現代の占星術師の多くはルーラーシップを除いて、エッセンシャルディグニティにはほとんど注意を払っていません。
これはおそらく、18 世紀に占星術が人気を失ったときに起こった占星術技術の単純化の結果であると考えられます。
引用元↓
https://www.astro.com/astrowiki/en/Essential_Dignities
◎ここから個人的解釈と経験
普段の僕のスペースやブログではあまりしない話がたくさん出てきました。
でも実はゲリラスペースではこんな小難しい話もしてるので興味ある方は僕のツイッター(X)を細かくチェックしてみてくださいね(笑)
さすがに今週、金曜の福本先生とのスペースでは
こんなに難しい話をしていても初心者の方を遠ざけてしまうと思うのでソフトな話も多いと思いますが、
タイミングがあればこうした話もしてみたいと思います。
で、ディグニティについては近代(モダン)西洋占星術、
つまりはアランレオの時代から使用されなくなったと言われています。
これは惑星の吉凶を判断する=予測技法に用いられることが理由であるため、
アランレオの時代に禁止されていた魔女術禁止法(↓)の影響で未来予測技法に関するディグニティが削除されたと思われます。
(福本先生の本にもその歴史の経緯は書いてあります)
つまりは惑星中心の考えは運命論=未来予測となりますが、
自由意志中心の考えは惑星の状態の良し悪しに左右されず、
そして近代西洋占星術の心理学的な観点からは「物事をどう捉えるかは自分次第」となるため、
前提となる観点が異なるので自由意志とは対極=未来予測(運命論)に用いるディグニティは不要と考えられます。
つまり、こうした歴史を鑑みると
ディグニティとは本来的には未来予測技法=運命論的な占断をするために用いられていた概念であると言えます。
(正確に言えば占星術自体が未来予測中心でしたが、その中で特に重要な技法が削られたということ)
そのため、人によっては「モダンにディグニティはいらないのではないか?」と考える方もいて
正直、僕もそちら側の考え方ではあります。
要はこれは前提となる視点が違うため、
確かに性格診断の指標としてディグニティは該当する部分もあるのですが
そもそもが吉凶判断や運命論的な占断を下すために用いられた技術(概念)であるため
性格中心となるモダンにおいてはあまり重要視する意味がそもそも無いかもしれません。
これはモダン否定ではなく、あくまで占断が違うというだけの話です。
モダン西洋占星術がアランレオの自由意志思想、そして心理学をベースとしているので
ディグニティを削除したのもアランレオが彼の「新たな西洋占星術にディグニティは不要」と判断したからのはずです。
なのでモダン西洋占星術においては
あまりこれらのディグニティは考慮する意味が
前提部分の視点が違うので必要ないと考えることができます。
もちろん、知識やネタとして持ってることは良いですが
アランレオの西洋占星術ではむしろ運命論に近づくディグニティは相性が悪く、
それは運命論の中でしか真価を発揮できない技法と考えることもできます。
(ディグニティの吉凶概念はモダンには不要ですが、性格的な影響は与えているためその観点からエグザルテーションの性質についてこちらに書きたした↓)
【エグザルテーションのマイナス面】高揚する惑星=性格の良さではない?エグザルテーションがマイナス面として作用する場面とは…?逆にそれを改善するために大事なことや、もちろんプラスの面も【全7天体解説】↓
で、ディグニティについて一部解説していきましょう。
前にちょっとツイートもしたのでそちらから引用↓
ツリー部分↓
まずディグニティの和訳は
「本質的尊厳」です。
惑星が尊厳を得ているかどうか、
これは惑星の強さに直結するのでわかりやすいですね。
そしてディグニティにはいくつか分類があり、
エッセンシャルディグニティの中においてもドミサイルやエグザルテーションはそのままエッセンシャルディグニティと呼ばれますが、
トリプリシティやタームやフェイスはレッサーディグニティと呼ばれたりしますし、
(レッサー=小さい)
デトリメントやフォールはエッセンシャルディビリティと言います。
(ディビリティ=消耗)
また、そのどれも得ていないのがペレグリンと言われます。
(ペレグリン=放浪)
そして別名では例えばレッサーディグニティなら
ターム=バウンズ
フェイス=デーカン
フォールならディセンションと呼ばれることもあります。
また、トリプリシティやタームには提唱する術者による違いがあり、
例えばトリプリシティにはドロセウスのものがあったり、
タームにはカルディアンタームやエジプシャンターム等があります。
これらはレシーブ→リセプションに頻繁に用いられ、
その占断において惑星の持つ願いが成就するか等が決まります。
ちなみに以前、「ダシャーとリセプションって似てるかも?」なんてツイートをしたことがあります。↓
ちなみに上記のツイートは僕はツイッター始めてから、
おそらく唯一の0いいねです(笑)
僕はやはり双子座4天体なので、
だから小難しい話をするとウケが良くない傾向を実感してるんですよね(笑)
なので普段はあまり難しい話はしないことを心がけています😅
で、つまりは「惑星の持つ願い」を届ける役目(背景)に関わるのがディグニティなので
やはりそうなると自由意志とは相性が悪いのです。
なぜなら占断が惑星の吉凶中心(運命論)になるからです。
ただ確かにディグニティは性格に影響を与えてる面は確かにあるので、
ここはもう完全にディグニティという名を借りて全く別物の概念として確立するのも良いかもしれません。
で、他にもプトレマイオスやウィリアムリリーの話なんかもありますが、
少しだけ書くとまずこの2人は古典占星術を学ぶ上では必ず出てきます。
クラウディオス・プトレマイオス(2世紀)は天動説を提唱し、
天文学書であるアルマゲストと古典占星術の礎となっているテトラビブロスを書き上げました。
また、ウィリアムリリーは17世紀の天才占星術師で、彼がディグニティに点数表を持ち込みました。
なのでディグニティ表=リリーの点数表です。
彼の記したクリスチャンアストロロジーは 現代の古典占星術復興に最も貢献した一冊と言えます。
まだ英語版しか手に入らなかった時代に
クリスチャンアストロロジーを購入した話をアマンジョーシさんはしてくださいました。↓
【古典占星術の世界~アマンジョーシさんとのコラボスペース~】なんと1996年から古典占星術を学ばれていた?当時を知る人だからこそ語れる占星術業界のエピソードとは…A4板のクリスチャン・アストロロジー?↓
今回は複雑な話が多かったですが
古典占星術の話をもっと深く楽しみたい方は福本先生とのスペースをぜひお楽しみに!
※追記 福本先生とのスペースまとめはこちら↓
【古典占星術の福本基先生とのスペース〜基礎からわかる伝統的占星術の裏側〜】古典占星術に興味を持ったことがある方なら誰もが知ってるあの本の書いた経緯、そして超貴重な福本先生のディグニティを用いたサイン解釈や、ノード解釈、占断に使う未来予測技法とは…!?↓
また、インド占星術の鑑定は10月いっぱいは埋まっていますが、
モダン西洋占星術の鑑定なら都合さえ合えば常時受付しています。
ネイタル鑑定とシナストリー鑑定で価格は変わらないので
60分あれば2人くらいは相性見れると思います。
気になる方はこちらよりお問い合わせどうぞ↓
ちょっとした相談や質問をしたい方はこちら質問箱です↓
リョウのツイッター↓