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音楽は 死なない We are fishmans わたしたちは 魚たち

音楽は 死なない
We are fishmans  わたしたちは 魚たち

日帰りで東京にいった。20代のころ よく聴いていたバンドのLIVEにいくためだ。そのバンドの名はフィッシュマンズ。彼らの音楽との最初の出会いは1999年の夏の北海道。といっても 作詞作曲からメインボーカルまで バンドの中心メンバーだった佐藤くんは 同じ年の3月に既に亡くなっていた。札幌近郊で開催されたEZOロックフェスティバルというイベントで 追悼の意味もこめられてだったのか フィッシュマンズのウェザーリポートという曲のPVが流れたのだ。

このときの催しは 今のフェス文化全盛の先駆けのようなイベントで ハイロウズ、ミッシェルガンエレファント、ブランキージェットシティ、スーパーカー、ドラゴンアッシュ、椎名林檎など、その界隈のスーパースターたちが一同に結集し錚々たるメンバーが出演していた。

そしてフィッシュマンズ。彼らの音楽について必要以上に 説明を 加えることは もう知識はいらないと歌っていた佐藤くんの言葉に反し野暮なので 控えるとして、1999年から26年経過した2025年に 佐藤くんが バンドメンバーとともに のこした音楽が サブスクの時代の潮流と合流して 世代をこえて 国境をこえて 愛し愛され 様々な素晴らしいアーティストたちによって 歌われつづけている姿を目撃して ああ、うた は死なない のだと思った。

魚は 単体でみると ひとしく いつか死ぬ。けれど わたしたちは 詩なのだ。フィッシュマンズなのだ。魚たちなのだ。うた は いつ どこまでも生きつづけることができる。

終電近い夜の帰りの電車の中。乗車客それぞれみんなスマホをみたり 静かに おしゃべりしたり 1日の疲れに 居眠りしたり。前方の席に座った青年なんて 深く深く眠っていて 隣席した男性の方に何度も何度も倒れかかっている。足元にスマホが落ちて 落としましたよ、と伝えてみても一向に目を覚さない。この感じだと このまま 目的地を 通りすぎて 終電時間を 迎えてしまうのではないか。自分も そろそろ下車の時間だ。意を決して トントン肩を叩いてみても やはり眠ったままだ。同じように彼のことが気になっていた乗車中の男性と2人で一緒に呼びかけてみたが 一瞬だけ瞳が少し開いたかと思ったら すぐに また閉じてしまった。

僕ら2人は眠りつづける彼を車内に残し あきらめて電車を降りる。彼は いった。これも また人生ですね。爽やかに短い挨拶を交わし それぞれの帰路についたのだった。

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フィッシュマンズ
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