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ギターと私と奇跡のおじさん

昨日私は、ギターを手に入れた!
私がギターを手に入れるまでに様々なことが起こったので、共有したい。


ギターが欲しい!

ギターを弾けるようになりたい!
これは中学1年生の頃から薄々思っていたことだ。

動機は一つ「かっこいいから」
私は「かっこいい人間」にどうも憧れているようだ。
しかも少しロックな方向性の「かっこいい」に…
具体的に挙げると
 ギター ワイン バイク  など・・・
その中でも年齢を問わない”ギター”に、ずっと興味を抱いてきた。

しかし、中学生の忙しさや金銭面での問題、他の趣味があったことなどから手に入れる行動を起こすのを先延ばしにしてきた。

そして現在。受験が終わり、学校の勉強以上にやりたいことに時間を費やせるようになった。
加えて、今年のお年玉は豊作だった…(嬉しい)
以上二点から、ギター入手のために本格的に動き始めたのだ。

フェーズ1:Amazon

まずはネット記事を読み漁った。
初心者向けのギターのレビューをたくさん読んだ。
次に、Amazonで検索。
 「エレキギター 初心者セット」
と入れて、必要なものが一気に手に入るセットを探した。

ちなみに、ギターはエレキだと決めていた。
理由が幾つかある。

①アコースティックギターより初心者向け
 ギターについて調べる中で、エレキの方が弦が柔らかく弾きやすいことを
 知った。

②好きな曲にエレキが使われている
 私が最近好きな曲に「シュガーソングとビターステップ」「ロキ」が
 ある。どちらも(多分)エレキギターが使われている。楽器を始める人々
 の動機で、「好きな曲を弾きたい」はおそらく上位にランクインするはず
 だ。
 幼い頃から父の影響でQueenのロックを聴いて育ったので、そういう音楽 
 が好き、というのも一因かもしれない。

③バンドとかできるから
 去年、友達に勧められて「ぼっち・ざ・ろっく!」:通称ぼざろの映画を
 見に行った。
 人見知り&陰キャでギターが上手いぼっち高校生・後藤ひとりちゃん
 が、ひょんなことからバンドを始める物語だ。
 この映画が頭の中にずっと引っかかっていて、
 「バンドってかっこいいな…学園祭とかでみんなの前でパフォーマンス
  して注目浴びるのとか絶対気持ちいいだろうな…」
 というやや不純な考えを抱いていた。
 私には「特技…みんなの前で披露できるもの」が一つもない。
 その「特技」を作るとき、エレキギター&バンドは最適解だと思った
 のだ。

Amazonで調べていると、いい感じのセットが幾つか見つかった。
しかし、ここで問題が発生する。

それぞれの商品のレビューを見てみると、コメントと共に色んな評価がついている。
「価格に合った品質」「アンプはイマイチ」「パワー不足」・・・
-私は初心者だ。そんなことを言われても分からない。
どの商品にもネガティブなレビューがある。とうとう決断できなくなった。

そこで、作戦を変えることにした。
専門店で、プロに意見を聞こう。

フェーズ2:楽器専門店

土曜日の朝。中学1年生の妹と母親と一緒に、大型ショッピングセンターへ行った。

ここで母親の立場を話しておこう。
母親は初め、ギター購入に否定的な立場だった。「もうじき神山に行くのにギター買ってどうするの!担いで持っていくつもりなのか?」と言われた。
必死に説得して、購入に賛成してくれている父親の仲介もあり、しぶしぶだが納得してもらった。
しかし、完全には賛成しておらず「あんたのお金で、自分で決めて買いなさい」というスタンスをとっている。
つまり傍観的というわけだ。

そんなわけで、楽器専門店へ行くのは後回しになった。

買い物を全て済ませて、現在正午過ぎ。
疲れ切った母親と妹を置き去りに、ルンルン気分で待望の店へと走る。

入店する。
店の左奥がエレキギターのコーナーだ。
一番奥の壁には高価なギターが、手前に近づくにつれてお安めのギターが並んでいた。
最も安いギターの横で、おじさん2人がギターを試し弾きしていた。

私はすぐさま、カウンターの店員さんに声をかけた。
「すいません、私エレキギターを始めたいと思っていて…」
「素晴らしいですね!」
「それで、初心者でよくわからないので、色々教えてほしいです」
「もちろん!ご案内しますね」
パッと笑顔になった店員のお姉さん。すごく親切な人だ。

お姉さんは、一緒にエレキギターのコーナーに行った後、エレキギターの
種類や仕組みを解説してくれた。
「じゃあ、このギターを弾いてみますか?」
私が一番興味を持った、黒くてかっこいいギターを取ってくれた。
 -ここでギターを持てるのか⁉
一瞬で期待とワクワクが最高潮。

「こちらです」
店の左端に案内される。黒い椅子と大きめのアンプが置いてあった。

椅子に座る。
「どうぞ」ギターを手渡された。
・・・重い!
「おぉ…」感動と興奮で言葉がでない。
重くて持ちにくいなーなんて思っていたら、お姉さんが
「ギターのくぼみを太ももに当てるんですよ^_^」と教えてくれた。
…かなり思考が停止していたようだ。

「じゃあ、簡単なコードを弾いてみましょうか」
そう言ったお姉さんは、私の左手の人差し指と中指を動かした。
右手を軽く振ると、
  ~♪~  
音が鳴った。

心が震えた。
憧れのギターを今、自分は鳴らしている…!
ギターを手に入れたいという気持ちが強まっていった。

しかし、提示された値段は……高い。
母親の顔がだんだんと曇っていく。
初心者向けプランについて詳しく説明してもらい、バラ売りの場合との比較までしてもらったが、かなり厳しい値段。
母親の「検討してからまた来ます~」というTHE・ジャパニーズフレーズでこの場は終了となった。

人生で初めて演奏したギター(写真左)

フェーズ3:言い合い、からの奇跡

帰宅途中、車の中。
私と母親はギターのことで言い合いを続けていた。
「自分は欲しいと思ってるから。あれくらいの値段だったら自分のお財
 布から頑張って出すけど。」
「あんなに高いギター買ってどうするの!あんたが提示してた値段よりも
 ずっと高いじゃない。」
その通り。Amazonに出品されているギターよりもずっと高い。
だが、こういう買い物は店頭でした方がいいのではないかと今更思えてきたので、私は譲らない。

口論が続く。横に座った妹が、真顔で我々の言い合いを聞いている。

ふと、母親がこんなことを言った。
「私の弟も10年前…大学生のときにギター買ってた。でも、全然練習せず、
 結局どこかの店に売ってた。つまり挫折したの。」
私のおじは以前ギターを弾いていた!そして挫折していた!初耳だ。

「それなら」私は一つ提案した。
「なぜギターに挫折したのか、おじに電話して聞いてみようよ。」
失敗談を聞いて、我々の口論に一旦区切りをつけようという魂胆だ。

母親がすぐさま電話をかける。
・・・
「もしもし?」「あ、もしもし。久しぶり」
母親とおじが挨拶を交わす。
すぐさま、母親が本題に入る。

「ねぇ、ほしうみがさ、ギター欲しいって言ってんの。でも今お店に行った
 らすごく高くて…。あんた前挫折したよね?それで売ったでしょ?」
「あぁ、また買ったよ。」
・・・
は???
車内、親子3人、困惑。

「え?また買ったの?売ったのに?」
「そう、欲しくなっちゃって。でも全然練習してない。」
車内、爆笑。
どうやら10年前に買ったきり、全く触っていないらしい。

すると事態は思わぬ方向へ。
「ほしうみちゃん、ギター欲しいんでしょう?あげようか?」
「え、いいんですか!???」
まさに棚からぼたもち。
そこからとんとん拍子に話が決まり、おじがギターを譲ってくれることが
決定した。

こんな奇跡的なことある?ってくらい出来すぎた偶然だ。
人脈って本当に大事だ、と思った。

フェーズ4:届いた

昨日の夕方。私は英語の勉強をしていた。
インターホンが鳴る。祖母が対応している。

すると妹が部屋に飛び込んできた。
「ほしうみ、ギター来たよ!」
マジか!!!!二人で玄関へと走る。

そこには、長くて大きい箱を持った配達員さんが立っていた。
私のワクワクが伝わったのか、少し笑顔になって、
「こちら着払い、5XXX円です」と言った。
私の財布から送料を支払う。
数万円するギターがたったの5XXX円で手に入るのは、かなりすごい。

背の高い段ボールを、妹と協力して部屋まで運ぶ。
横倒しにしてみる。邪魔なくらい長い。
事前に母親から「私が帰ってくるまで開けちゃダメ」と言われていたので、大人しく母親の帰りを待つ。

「ただいまー」祖父と相撲を見ていると、母親が帰ってきた。
「ねぇねぇ、ギター来たよ!」
「そうね。開けていいよ」
自分の部屋へとダッシュする。

段ボール上部のテープを乱雑に剝がしていく。
そこには、黒いギターケースが入っていた。

取り出して、チャックを下ろす。
赤と黒のオーラをまとったギターが現れた。
ボディの部分は光沢がかった鮮やかな赤色をしている。私には少し大きい
サイズ感がかっこいい。

ケースの底には、おじの娘さん-従妹からの手紙が入っていた。
手紙は、可愛らしい字で書かれていた。ポケモンのシールがたくさん貼られた手紙を読みながら、自然と微笑んだ。

今後の相棒となるギター

フェーズ5:今

ギターが届いて2日目の今日。
今日も1時間ほどギター練習をした。

ギターは基礎からしっかり練習するのが、挫折しないコツらしい。
今はひたすら「クロマチック」をしている。
指がなかなか動かなくて、難しい。特に小指が弦まで届かない…

今は全然うまくない。諦めずに、毎日練習を続けていこう。
-今年の学園祭で披露出来たらいいなあ。


ここまで読んでいただき本当にありがとうございます!
-ちなみに今回の記事のタイトル「ギターと私と奇跡のおじさん」は、
 ぼざろの曲「ギターと孤独と蒼い惑星」のオマージュなんですが…
 ・・・分かった人いるのかな・・・


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