隊列トラックは世の中を変える
7月20日、いすゞ、日野、三菱ふそう、UDトラックスのトラック製造大手4社が、物流の効率化やドライバー不足への対応などのための後続車有人隊列走行技術を搭載したトラックの商業化に向け、協調技術搭載車の商品化を行っていくと発表した。
私は、この技術は物流を変える技術であると考えている。まず、トラックが集中する夜間の高速道路などでトラックの隊列走行が行えるようになると、鉄道輸送に近い輸送形態が生まれる上、後続のトラックがインターチェンジごとに隊列を離脱していく効率的な運用が可能となるため、一部の鉄道輸送を隊列トラックが置き換える可能性が十分にある。
さらに、隊列走行に新しいトラックを加えることはさほど手間にならないため、異業種トラックの相乗り隊列などが増え、それを利用した新しいビジネスモデルも多く生まれてくるものと考える。
また、積載量の異なるトラックの隊列走行などを通じて、自動運転に関わる技術が大きく進歩することが考えられる。
そして、我々の生活に最も密接に関係してくることは、高速道路の使い方が変わる可能性があるということである。例えば、現在、高速道路の車線には、走行車線、追越車線、登坂車線があるが、これらが再編され、走行車線と登坂車線が一体の隊列車線として整備されたり、インターチェンジやパーキングエリアの形態が隊列走行に適したものに変更されることが考えられる。
トラックの隊列走行技術は、世の中のありようを大きく変える可能性を秘めている。
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