21世紀の喜望峰

かねてより続いている新型コロナウイルスの世界的流行で、マスクを嫌っていた人々がマスクをつけるようになり、今までは蔑まれる対象ですらあった引きこもりが新しい生活習慣の最先端となるなど、世界的に人々の価値観がひっくり返され、驚くべきことが次々と起こっている。そして、コロナウイルス流行は、さらにまた新しい驚きをもたらした模様である。それが、喜望峰の復権である。

アフリカ大陸の南端付近に位置する喜望峰は、大航海時代には、東洋へ向かう貿易船は必ずここを通過していたが、19世紀になりアフリカ大陸をショートカットするスエズ運河が造られてからは、こちらのルートが主となっていった。

ところが現在、その喜望峰に復権の兆しがあるのだという。というのも、コロナウイルス流行による石油価格の下落で、スエズ運河の通行料よりも喜望峰まわりの燃料代のほうが安くなるケースが増えたからだという。

21世紀になって16世紀の喜望峰ルートが復権する。新型コロナウイルスは今も世の中の価値観を次々と引っかき回している。

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