ノベルゲーオタクのBGM談義(Kanon,リトバス,サマポケ編)
初めに
遂にKey作品のOSTがサブスク配信されました。
これ何が素晴らしいってKey作品のBGMの素晴らしさを語りやすくなるんですよ。今までだったら「夏を刻んだ、波の音は…」は竹下さんってすげえよな!って言っても伝えにくいしURLとか貼れないんですよ。DL販売か違法アップロードしかねえから。ということで今回は私が大好きなBGMをひたすら紹介していきたいと思います。
Kanon編
朝影
やはりKanonと言えばこの曲から!タイトル画面の曲ですね。
分数としては結構短めでループ点もなく終わる曲ですが、ここから始まるという印象がとにかく強い曲です。アニメでもアバンで流れることが多かったかな?Keyの始まりを告げる曲でもあるのでこのちょっと幻想的な感じもぴったりでした。
夢の跡
Last regretsのBGMアレンジですね。KeyのBGMの中でもOPアレンジは総じて強い印象ですが、こちらもそんな曲の一員です。冒頭のやり取り、この後にOPが流れるわけですが……この辺の曲が繋がる演出もすごいですよね。そして大事な場面でもしっかり決めてくれていた曲でした。
約束
夢、夢を見ている…
OPの後に流れるこの曲と語りはやはりKanonの本当に大事な要素です。あゆのキャラクターテーマのオルゴールアレンジなわけですが、元気な彼女のテーマとの対比が面白いですよね。個人的には静かなこちらのアレンジの方が好きだったりします。
pure snow
Kanonはどういう作品かと問われたら、私はこう答えます。追憶と後悔の物語だと。記憶に消していた悲しい思い出とそれに対する後悔とどう向き合うかが大きな焦点となっていると思っています。だからこそ回想で流れるこの曲は特に印象に残っているのかもしれません。ちょっと不穏だけど優しい遠いいつかを振り返る一曲です。
少女の檻
川澄舞のキャラクターテーマですね。やはり夜の校舎に佇む彼女とこの曲の印象は今でも残っています。そこから結構ポンコツなところが見えていくわけですが……そんな彼女のクールさを際立たせる一曲です。
冬の花火
戦場のメリークリスマス曲名の通り真琴ルートのあの場面で流すために麻枝さんが作曲した曲なのですが、気が付いたら他のルートでも流れていたという逸話がある曲です。もとになった曲も名曲ですのでそちらも聞いてみるといいかもしれませんね。
残光
物語には悲しい出来事がつきもの、特にKanonはその悲しみをどうやって乗り越えていくかが大きな主題になる作品です。そんな中で一歩歩み始めるときに見えるほんの少しの光を示すような曲がこちら。
生まれたての風
こちらはエピローグで流れる曲ですね。冬が終わり、春が来て、そして温かな風が吹く。そんな新しい季節を感じさせる春風を想像させるような一曲です。この後にEDが流れるわけですが、こちらはEDのアレンジなんですよね。やっぱりアレンジからのボーカル曲のコンボは強いわ。
Little fragments
こちらはエンディングが終わった後に流れる一曲。タイトル画面にはすぐに戻らないんですよね。こちらもOPのアレンジなのですが、オルゴールだけで流れる曲です。この静かに流れる曲で物語が終わったんだな……と感じるので結構好きでした。
リトルバスターズ編
騒がし乙女の憂愁
はるちんのキャラクターテーマです。彼女のキャラクター性を良く表していて非常に好きなのですが、それ以上に単純に曲がいい!ノリがいい電子音の積み重ねで物凄く大好きです!音MADが昔あった気がするけどまだニコニコにあるのかな…
BOYS DON'T CRY
超鉄板ですね。恭介のキャラクターテーマです。アニメRefrainではボーカル曲にもなりました。麻枝さんが作曲した曲ですが、この曲を聴くだけで席に座って笑う恭介のCGを思い出すことができます。やっぱBGMの力って偉大だわ。
目覚めた朝に
こちらもアニメ化の際にはボーカル曲になりましたね。アニメEXのエンディング曲の原曲です。リトバスって朝にみんなで集まって学食で朝食を食べることから一日が始まるのでこの曲はそんな一日の始まりを象徴する曲なんですよね。そんな朝のさわやかさを描いた一曲です。
デーゲーム
本編ほったらかしで野球ゲームやってた人多いのでは?そんなゲームのBGMですね。猫にボールをぶつけて何回切れられたことか。ドルジにぶつけて剛速球が返ってくるとか、クドと西園さんが弁当を食べているところに重箱を吹き飛ばすとか、結構色々出来ましたね。
お砂糖ふたつ
リトバス史上最強曲、これだけは譲らない。
リトルバスターズという作品は大人でも子供でもない少年少女たちの成長の物語です。そんな彼らには思い悩むものは当然あって、それを感じさせる瞬間に流れる曲でした。サントラのブックレットに書かれていたコメントが秀逸ですので一度読んでほしいですね。
Misson possible ~but difficult task~
リトバスと言えば馬鹿馬鹿しい大騒ぎの日常、そんな作中をとにかく盛り上げるのがこの曲!これ聴くだけで鈴が恭介たちに無茶振りされている様子が目に浮かびます。ギターがカッコいんですよ、この曲は。
勇壮なる戦い
私の大好きな作曲家である戸越まごめさんが最後にKeyで書いた曲です。バトルランキングで流れる曲なのですが……あれもすごかったよなぁ。リトバスってとにかくミニゲームとかの遊ぶ要素が多いんですよね。ノベルゲームでここまで作りこんでるゲームはないのでしょうか。麻枝さんがそういうの好きだからでしょうが流石としか言いようがないです。
降り続く雨の街で
この曲は特に小毬ルートを思い出しますね。明るい日常とは一転してリトバスの個別ルートは結構重いものが多いです。この曲もそんなルートを彩る悲しい曲、雨で泣き叫ぶ小毬の姿が今でも焼き付いています。
たったひとつの魔法の言葉
説明いるか?
いや曲名そのままです、本当に。実は恭介たちとの別れと同じくらいこの曲で彩られる2人の別れのシーンが好きなんですよね。リトバスの個別ってとにかく叩かれやすいのですが、ここにたどり着くための関門だったと思えば全然ありだったと思います。それを象徴する「お願いごと、ひとつ」、彼女の願いが込められた素晴らしいアレンジです。
生まれ落ちる世界
漸くタイトル画面の曲、サントラに収録順で紹介しているのですが、このタイミングでこの曲になるのは良く考えられているなと本当に思います。曲名の意味を知った時、そして個別ルートを終えるたびに離れていく光の意味を知った時、印象は大きく変わっていきます。厳しい現実を突きつけられる物語だからこそ、始まりはこの優しい曲調なのかもしれませんね。
遥か彼方~instrumental~
こっちはサントラ順守ってないです。リトバスのBGMアレンジはいい曲多いのですが、本編で一つ選ぶなら間違いなくこの曲でしょう。私真人が物凄く好きなんですよね。日常では馬鹿をやって、困っているときには何も言わずに助けてくれて、そんな彼との別れの瞬間に流れるこの曲が悲しくて……今でも忘れられないです。
Will&Wish
ここからはEX編です。
二木佳奈多のキャラクターテーマです。本編で真実が明らかになるまでは非常に冷たい彼女ですが、EXでは一つの選択肢で見せてくれる表情が大きく変化します。そんな彼女が仮面に隠した優しさを象徴する曲がこちら。妹に向ける優しさが詰まっています。
猫と硝子と円い月
こちらはさささ笹瀬川佐々美のキャラクターテーマです。EXってキャラクターテーマが3曲とも滅茶苦茶強いんですよね。ボーカル版も名曲です。本編では優しさは垣間見えてもやっぱり日常の賑やかし要員でしかなかった彼女の優しさと凛とした佇まいは良く出た一曲になっています。ピアノアレンジのglasswareも名曲なのでぜひ。
駆ける
神は誰を救いたもう
みんな大好き沙耶のキャラクターテーマです。原曲はLove songに収録されている走るという曲です。これ今でも覚えてるんですよね。大学受験の時に集中するためにずっとリピートしてました。彼女の生き様と曲名がマッチしていて、そして駆け抜けるようなテンポと曲調に支えられました。
Saya's Melody
説明不要
リトバスの売り方って割とあくどいのですが、それを黙らせるだけのものがある彼女のルートの終わりを彩る一曲です。やっぱボーカルアレンジっていいですよね……
Sha La La Ecstasy
こんなことに霜月はるかを連れてくるな。
通称恭介のヒロインに対する嫌がらせの曲です。この間やった某作品でもそうだったのですが、エロシーンでなんかこういう曲流れると毒気が抜けるんですよね。いやマジで嫌がらせだよ畜生。ということで皆さんご唱和ください。
しゃららららら う~~~っ わ~~~っ
Summer Pockets編
Summer Pockets
この曲はタイトル画面の曲なんですけどそれ以上にティザームービーを思い出す曲なんですよね。まだ曲名がついてない頃から大好きです。
あのティザーが出たとき、誰もがKeyはもうおしまいだと思っていた頃だと思います。正直私は死に水を取るつもりでサマポケは追いかけていました。その印象が変わって信じたいと強く思ったのはこの曲で彩られたティザームービーだったので本当に大切な曲です。大好きです。
Sea, You & Me
とはいえやっぱりサマポケの顔と言えばこの曲なんですよね。島に着いた瞬間に流れるこの曲とテキストに触れた瞬間は今でも忘れることはできないです。本当に大切な一曲、OP直前の羽依里としろはのやり取りを見たときに信じたいという思いがこれは伝説を見ることができるという確信に変わったのを今でも覚えています。
蝉声とともに
サマポケも一日の始まりは朝食から始まっていきます。そんな加藤家の食卓を彩るのがこの曲です。うみちゃんと鏡子さんとの微笑ましいやり取りから始まる一日を彩ります。目覚ましとかにピッタリそうですよね。
坂の上の陽炎
この作品は夏休みをテーマにした作品、そんな穏やかそうで、でも何かが始まりそうな一日を予感させてくれるどこか牧歌的な印象も受ける一曲、マップセレクト画面で流れる曲です。こういうさりげない日常の曲も大事で作品の雰囲気にどれだけのめり込めるかに寄与してくるので大切にしてくれるのは本当に嬉しいです。
White Loneliness
しろはのキャラクターテーマです。この子キャラテーマを3曲も持っているのですが、それにしっかり意味が付けられているのもいいですよね。ただしろはといえばこの曲と初邂逅のシーンでしょう。色々知ると幻想さが消えていくしろはらしい可愛らしさに満ちたシーンなのですが、初めて出会ったあの瞬間の想いは上書きできないものでした。
Golden Hours
誰もが不思議ちゃんだと思っていた紬ちゃんのキャラクターテーマです。これをアレンジしたボーカル曲もいいんですよね……曲名通り夕暮れの輝きと彼女のちょっと不思議でそれでも愉快な様子を表した名曲です。聴いてたら彼女の声が聞こえてきそうですよね。
振り返らなくてもヤツはいる
ロックなナンバーです。めっちゃかっこいいですが割と馬鹿なシーンで多用されます。ここはもはや伝統ですね。熱い曲なのでやる気を出したいときにはピッタリかもしれません。
ひと夏のたわむれ
夏休みって馬鹿を思う存分できる時間ですからね。夏休みをテーマにした作品ならば必須の一曲、良一と天善と馬鹿なことをしている瞬間が目に浮かびます。
夏の子守歌
そして一日の終わりを象徴する穏やかな一曲。爽やかに始まった一日から馬鹿馬鹿しくも大騒ぎの中で終わり、そして夜はゆっくりと穏やかに締めていく。この一連の流れがサマポケという作品の中核だと思っています。それを曲だけで表現できているのって実は物凄く凄いと思うんですよね。よく泣けるかどうかが焦点になるKey作品ですが、その根底にある日常描写の表現はこれらの音楽に支えられていると言い切っても過言ではないでしょう。
木陰の憩
さてここからは個別ルートに入っていきます。こういう曲だけでも少しずつ雰囲気が変わっていくのは非常に重要でこの曲だけでしろはとの語らいが頭に浮かぶわけですよ。いや他のルートでも結構使われてた気もするけどさ。でも時折見せる彼女の他人を拒絶してしまう空気感を非常によく表した曲なんですよね。
虹の蝶
こちらは蒼ルートで印象に残っている人が多いでしょう。作品を象徴する七影蝶の恐ろしさを表す曲でもあります。物凄く緊迫感がありますよね。彼女のルートは作中の世界の根幹の説明をしているルートでもあるからこそ結構恐ろしいシーンもありますが、その演出一役買っています。そしてこれの強化版であるかの記憶、あの記憶もぜひ聞いてみてください。
二人の冒険
こちらは鴎ルート、洞窟での冒険を思い出します。彼女のルートはひと夏の冒険を象徴した物語でしたが、そのほんの少しの怖さを表した曲でもあります。でも結構あほなやり取りしてて年相応だなって思うところもあるですよね。
夏に刻んだ、波の音は…
サマポケのBGMで5つ語るべき曲があるとして、そのうちの一つは間違いなくこの曲です。異論は認めねえ。この曲は終わりを演出する曲、だからこそ悲しさに満ちているのかもしれません。でもやっぱり楽しかったから悲しいのであってこの夏が終わって欲しくない、そう叫ぶ少女達の様子を今でも思い出せます。でも夏休みは終わるものですからね、だから大切なんですよ。
夜は短く、空は遠くて…
いややっぱり水月陵って天才だなって。まごめさんの次に大好きな現役最強作曲家です。この終わりを意識させる悲しいメロディーが胸を打ちます。鴎との悲しいキスシーン、本当に大好きですね。あのシーンを見たときにエロの介在し得ない物語の美しさを感じました。あれで終わってしまうから、そしてあそこで終わることしかできないからこそ彩られる色彩ってありますよね。
Sea, You Next
同一曲のアレンジを挙げ始めたらキリがないので避けてたのですが、こっちは無理でした。曲名が素晴らしい。ここに込められた母親の愛情が本当に大好きで、優しくて最初から最後まで彼女を支えていたわけで……
ALKAを語るうえで絶対に欠かすことができない曲です。
Twinkle of Alcor
無印におけるうみちゃんのテーマと明言されています。Alcorとはアルコル、巷では死兆星なんて呼ばれる星です。消えそうな瞬きを示す彼女に向けられた星であり、ここからAlcor Tale、アルカテイルという名前がついているんですよね。そんな彼女の不穏な行く末を示すような一曲です。
眩しさの中
作中ではこの曲と共に一人の少女のひと夏の大冒険は終わりを告げます。最後の最後に一番伝えたかった言葉と思い出を一番伝えたい人に伝えて。
夏休みはいつか終わるもの、それは悲しくて名残惜しい、でもちょっとだけ振り返ってみるとそのキラキラした思い出というのは消えることがなくて、それを冒険から帰ってきた後に家族に語ることで終わるものです。
そんな本当に大切な場面を彩るのがこの曲、眩しさに向かって駆けた少女がやっとつかんだ大切な瞬間の曲です。
アルカテイル-story-
終わってしまった彼女の物語、それを受け止める人はどこにいるのだろう。それができるのはきっと彼女と彼にしかできなかったはずです。そんな彼が向き合う物語のシーンの曲です。そう考えると曲名素晴らしいですよね。これ誰が考えてるんですかね。こちらもティザーで使われた曲です。忘れようがないですね。
アスタロア-blue-
少女のひと夏の冒険が終わっても、その思い出は受け継がれました。そんな夏を振り返るのがREFLECTION BLUEという作品だと思っています。その作品の幕開けはこの曲からです。ティザームービーのクオリティって大事ですよね。
Run Red Run
そしてそんなRBで追加されたのが識ちゃん、この曲は彼女のテーマソングです。泣き虫で大騒ぎな女の子の明るさを非常によく表しています。
夏の紫苑
そんな曲のアレンジがこの夏の紫苑、同一メロディーなのにここまで印象が変わるのって音楽はすごいなといつも思います。彼女の強さを表した曲で優しく見守る鬼姫様としての側面を色濃く表しています。彼女がいたからこそRBはここまで受け入れているのでしょうね。線香花火のシーンは今でも忘れられません。
Twinkle of Aster
そしてそんな彼女の助けでアルコルはアスターに、明星に変わるのです。やっぱり見たかった瞬間なんですよね。長い夏の冒険を終えた少女がたどり着いた場所を彩る一曲です。あの時あった不穏さはなくなり、次につながっていくであろう期待をがこもったアレンジになっています。できたらここまでアニメで見たいよね……
終わりに
……結局何曲くらい挙げたんだろう。30曲は越えているはず。
リトバスまではまああんまり挙げすぎてもとか思ってカットした曲もありましたがサマポケで限界突破しました。でもいい曲いっぱいあるもん。
ノベルゲームにおいてBGMは非常に重要です。ある日ふとした表紙に聞いた時に一瞬であの瞬間に戻ることができるもので、目立たなくてもそれを重要視しない作品はやっぱり見劣りすることが多いと思っています。だからこうやってサブスクに出してくれると語ったり紹介しやすくていいですよね。他のメーカーもやってくれたらいいなぁ……代表の皆様よろしくお願いします!
好評そうだったら次出たときにも書いていきたいと思うので記事の紹介よろしくお願いします!ではでは!
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