ジャムの法則について考えてみる
こんにちは、星乃です。
50代独身おっさんブロガーやってます。
エンジニア畑で肉体労働が多かったため、マーケティングの勉強をこの年齢になって少しずつ始めています。
ビジネスやマーケティングの話になると、必ずと言って良いほど出てくるもののひとつに「ジャムの法則」があります。
このような法則があるとは、マーケティングに詳しくない私でも何度か聞いたことがありました。
今回は少し解像度を上げて、ジャムの法則を深掘りし、ブログ運営にどうしたら活用できるのかを考えていきます。
前置き短めでさっそく本題に入っていきます。
「ジャムの法則」って何?
コロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授によって行われた実験に基づいて提唱された、人間の選択肢に関わる行動心理学の法則です。
その内容から別名「決定回避の法則」とも呼ばれています。
実験の結果から得られたのは、
「人間は選択肢が多すぎると、逆に選択できなくなってしまう。」
ということです。
一般的に考えると、選択肢がたくさんあった方が多くの人のニーズに応えられるので、結果として売れるのではないか。
と思ってしまいますよね?
でも実際には、選択肢が多すぎてしまうと選び切れずに購入をやめてしまうケースが増えるというのです。
アイエンガー教授が行った実験を紹介しながら、深掘りしていきます。
「ジャムの法則」の実験
アイエンガー教授は、スーパーにジャムを買いに来た客に対して、以下のグループに分けて試食販売を行いました。
6種類のジャムが用意されたグループ
24種類のジャムが用意されたグループ
それぞれのグループに試食販売を行い、「実際に試食した割合」「試食後に購入した割合」「全体の購入率」を算出したところ、以下のとおりとなりました。
【6種類のグループ】
試食した割合: 40%
購入した割合: 30%
全体の購入率: 12%
【24種類のグループ】
試食した割合: 60%
購入した割合: 3%
全体の購入率: 1.8%
という結果になりました。
割合だと分かりにくいので、人数に置き換えてみました。
それぞれ、1,000人を母数として算出してみます。
【6種類のグループ(1,000人)】
試食した人数: 400人
購入した人数: 120人
【24種類のグループ(1,000人)】
試食した人数: 600人
購入した人数: 18人
およそ10倍近い差が出てしまいましたね。
なぜこのような結果になってしまったのでしょうか?
実験についてご本人がYouTubeで紹介しているので、併せてご覧ください。
1分ほどの英語によるスピーチです。
実験結果の考察
上記の実験から、どのようなことが読み取れるでしょうか?
ここはひとつ、すでに考察されている内容に触れずに自分なりの解釈で考察してみたいと思います。
種類が多いと見るだけで満足してしまう
種類が多い方が試食のし甲斐がある
種類が少ない方が選びやすい
種類が多いと他にもこんな種類があればいいのにと想像が膨らむ
無いものを想像して購入の手が止まる
種類が多いと、どれにしようか迷ってしまう
迷った結果、購入の手が止まる
私もよくスーパーに買い物に行くので、自分が買うとしたらと想像してみました。
商品の陳列棚にたくさんの種類の商品が並んでいると、それだけでコンプリートした気になってしまい、あらかた満足してしまいます。
また商品の種類が多いと、他にもこんな種類があればいいのにと想像を膨らませてしまい、その商品の方が良さそうに思って購入の手が止まってしまうこともあります。
単純に商品の種類が多いことで、どれにしようか散々迷った挙句、何も買わないで帰ることも少なくありません。
自分に置き換えて想像してみると、やはり選択肢が多すぎると購入しづらくなってしまうと結論づけても良さそうです。
実験結果に反する例外もある!?
上記の実験結果は、「選択肢が多すぎると選択をしない心理が働く」という結論に至っています。
とは言え、ビジネスの現場では様々なシーンがあり、必ずしもこの結論が当てはまらないケースも考えられます。
【カテゴライズされている場面】
実験の例では、ジャムの種類を単純に増やしていましたが、カテゴリごとに分かれていた場合は違う結果になるかもしれません。
例えば、A社のジャム6種類、B社のジャム8種類、C社のジャム4種類、D社のジャム6種類となっていたら、24種類から選択するのではなく、
4社から選択 → 選んだメーカーの中から選択
となるので、選択肢が多すぎるという形にならないです。
(ソースは私…)
また、種類もカテゴライズされていれば、あらかじめ選択肢を制限することができます。
りんごジャム4種、いちごジャム6種、マーマレード8種、その他6種という形になっていれば、いちごジャムがほしいと思った時の選択肢は6種に絞られています。
【選択する楽しみがある場面】
アイエンガー教授が行ったジャムの実験とは少しかけ離れてしまいますが、選択する楽しみがあるような場面では、むしろ選択肢が多い方が好まれる傾向があります。
例えば、ファミリー向け食べ放題ビュッフェとか。
そもそも選ぶことが確定している前提というのもあるけど、色々な組み合わせで食事が楽しめるというのがメリットになっていますよね。
選択肢の数にはマジカルナンバーがある
昔、テレビCMで某筋肉タレントが「21 is magical number!」って言ってましたが、それとは関係ありません。
ここで言われているマジカルナンバーとは、その選択肢の数であれば、決断を妨げないという数字です。
選択肢の数が、「7±2」つまり「5〜9個」の範囲がベストであるということです。
個人的にはちょっと多いかなと感じてて、3〜7個くらいが選びやすい気がします。(※個人の感想です)
人間の短期記憶の容量は「7±2個」が限度と考えられているためです。
一説には、「4±1」というものもあります。
個人的に感じた、3〜7個っていうのもあながち間違ってなさそうで、その範囲に収めておいた方が無難かもしれませんね。
「ジャムの法則」をブログ運営に落とし込むとしたら…
ここまで紹介した「ジャムの法則」をブログ運営に落とし込むとしたら、どういった形で活用したら良いでしょうか?
まず思いつくのは、ランキングや比較記事があります。
よくある「おすすめの◯◯13選」とか、「今こそ聴きたい◯◯ソング ベスト20」とか、ありますよね?
ジャムの法則から考えると、「おすすめの◯◯8選」とか「今こそ聴きたい◯◯ソング ベスト5」とかにした方が良いという感じでしょうか。
また比較記事であれば、比較対象が2つだけよりも4〜5個あった方が良いかもしれません。
ブログ記事のカテゴリ数についても同様に考えた方が良いかもしれません。
カテゴリの数が20個とか30個もあったら、分類する意味すら無くなってしまうので、分類する時にも5〜9個以内に収めるという目安ができます。
まとめ
それではまとめに入っていきます。
今回は、マーケティングの世界では有名な「ジャムの法則」について考えてみました。
コロンビア大学のコロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授が行った実験に基づいた「人間は選択肢が多すぎると選択を回避してしまう」という心理現象についての法則でした。
この実験では、
スーパーでジャムを試食販売
2つのグループに分けて比較
1つは、6種類のジャムを提供
もう1つには、24種類のジャムを提供
6種類のグループでは、試食が40%、購入が30%、全体の購入率が12%
24種類のグループでは、試食が60%、購入が3%、全体の購入率が1.8%
という結果になりました。
これを受けて、ブログ運営に落とし込むとしたら、
「おすすめの◯◯8選」「今聴きたい◯◯ソング ベスト5」
紹介するコンテンツ数を「マジカルナンバー」にする
比較記事の場合も2つだけじゃなく、3〜5個くらい用意する
カテゴリ数も目安としてマジカルナンバー「7±2」にしてみる
このようにして、ジャムの法則をブログ運営にも活かしていくと、収益を上げていくことができるようになるでしょう。
私も自身のブログで「ジャムの法則」を取り入れて、収益化を目指していきたいと思います。
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