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【名サウナ紀行 vol.2】 大喜利サウナ百花繚乱

 コンビニおにぎりのようなものかもしれない。

 梅、昆布、おかか、鮭のような王道商品がある一方で、変わり種商品は枚挙に暇がない。
 「オムそばにぎり」「マヨ唐揚げ爆弾」「ハムカツ焼きそば」「明太チーズドリア」「燻製沢庵とクリームチーズ」・・・
 ちょっと開発し過ぎの感があるが、これは担当者が「まだこの世にないおにぎり大喜利」を考え続けた企業努力の結果である。

 これと同じ現象が今、サウナ業界にも起きつつある。近年のサウナブームを背景に、サウナが大喜利的な進化を遂げているのだ。
 話題の施設の数々に足を運びながら、私の中でそれが確信に変わってきた。
 IPPONグランプリ風に言うならー
 
【問題】
 もしも、こんなサウナがあったら…、
 どんなサウナ?


  〽︎かわいい あの娘は ルイジアンナ〜

【解答】
 「水風呂じゃなく、冷凍庫に入る」
 「ととのいながら、アート観賞できる」
 「外気浴で目の前に世界遺産の絶景」
 「水風呂の水が美味しく飲める」
 「番台のターンテーブルでDJが始まる」
 「路線バスだと思って入るとサウナだ」
 

 是非、麒麟川島さんの声で再生して頂きたいが、お気付きのようにこれらのサウナは全て、現実に存在する。
 「まだこの世にないサウナ大喜利」が始まっているのである。

 まずは、「ととのいながら、アート観賞できる」サウナから。

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【六本木チームラボリコネクト】

「キマる」に近い。ずっとそう言い続けてきた。

 サウナで「ととのう」とは、経験的に言語化するなら「キマる」に近いと思っている。

 サウナでキマった状態の時に、超現実的なデジタルアート作品を体験するとどうなるか? そんなクレイジーな発想を実現化したのがチームラボである。

 彼らは2019年から九州・御船山楽園のサウナとアートとのコラボを続け、満を辞して、六本木に期間限定の特別な施設を作り上げた。

 早く行かなければ!と思いつつも、土日5,800円は高いな〜と二の足を踏んでいたところ、会期延長で1,980円までお安くなり、平日の朝から突撃することにした。

 いやー、面白かった!
 気持ち良かったし、様々な角度から沢山の刺激をもらった。

 まずは、サウナ室。質も高いし、温度も高い。

 人数が少なくて、テレビもなく、集中できる。ここに10分ほど入り、出たら水シャワーへ。
 そしてアート浴。
 ガーデンチェアに腰を預けて、最初に見たのは「植物の茎がぐ〜っと伸びていく映像」。
 見ながら、ふ〜っと、いい気持ちになった!

 わかるよ、猪子さん!
 俺、もうちょっとキマッていれば、完全にキマッたと思うよ!(なんだこの文章。)

 白状すると、私はこの日、ととのえなかった。残念…! キマらなかったのだ。
 チームラボ用語でいれば、リコネクトできなかった。未コネクトで finish(やかましいわ。)

 やはり時間帯が良くなかった。
 何しろ朝イチ。
 このあと仕事をしなきゃいけないと思っていると、どうもリラックスできない!時間帯のチョイスをミスった。やはりサウナは1日の労働を終えてから訪れるのがちょうどいい。
 副交感神経モードに切り替えるために、ぬるめのお湯に浸かってからサウナに入ったりした方がいいと、サウナスパ健康アドバイザーになった今ではわかるのだが当時は分かっていなかった。

 今行くべき全国のサウナランキング「サウナシュラン」において、3年連続グランプリを受賞した、御船山楽園ホテルの「らかんの湯」。2022年もチームラボはここで、サウナとアートのコラボを開催するとのこと。
 
 リベンジしたい。
 今度こそ、リコネクトしたい!!!!
 どなたか一緒に行きませんか? 佐賀ですが。

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【完璧リノベーション! 錦糸町黄金湯】

 レモネードの奥に写ってるのが、DJブースだ。グラスには銭湯のロゴが入っていて、デザインに抜かりがない。
 全てにおいて、行き届いてる!
 まいったな。素晴らし過ぎる。

 思わず帰り際、店主に「最高でした!」と言って出たくらい。
 
 もう私が何か書くよりも、興味ある人はこれを読めばいいよ。執筆放棄する。(どんなnoteだ)

 戦前からある昔ながらの銭湯を大改装しているのだが、そのこだわりっぷりがハンパない。美しく、スタイリッシュ且つ、下町の匂いを残して地域に溶け込む。離れ業のようなリノベーションに成功してるのだ。

 黄金湯、最高。うちの近所に同じの欲しいよ!

 そればかり考えて帰路に着いた。


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【サウナスケベ極まる! サウナラボ神田】

 サウナ大喜利を最も感じる施設が、ここだ。

 まず「浴場」がない。
 シャワーしかない。
 だが、異様に美しくデザインされたサウナ室および周辺施設がある。

 どうぞ飲んでと置いてある水が美味そう。

 3種類あるサウナ室、ほぼ貸切状態で全部制覇する。セルフロウリュで、めちゃくちゃ熱くなった。サウナストーンもかわいい。汗大量。サウナ室に時計がないので自分の感覚で「ウオォォ」と思ったところで外に出た。

 しかし、水風呂がない!
 シャワーで流す。問題はここからだ。

 「アイスサウナ」と名付けられた異常な空間がある。
 入ると壁一面に氷が張り付いている。つまり、マイナス22度の冷凍室なのだ!

 そこに木製の小さな椅子が2つ置いてある。
 腰掛けると足の裏が冷たいので、タオルを引く。そこでゆっくりクールダウンする。
 面白いことを考えたものだ。

 チームラボとは全然違うベクトルだが、サウナラボ神田がやってることもアートである。
 完全予約制で90分2,700円。高い。
 だが施設まるごと新感覚アート体験だと思えば、納得できる。
 サウナ・インスタレーション作品。

 チームラボの猪子寿之氏も然りだが、こういうことを思いつくだけでなく、実際に作り上げた米田行孝氏には惜しみない賞賛を贈りたい。
 人はクレイジーな発想はできても、なかなか実現できないものだから。

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【聖地しきじ超え! ホテルマウント富士】

 マイペースにサウナを楽しんでいたある日。

 サウナとは全く関係なく、ワカサギ釣りがしたい!と思い立ち、調べたら山中湖でやれると分かったので、近くにあるホテルマウント富士を予約した。
 実はこのホテルには以前にも別の用事で泊まったことがある。施設はややボロめで、サービスも行き届いてないと残念な印象を持っていた。
 だけど今回のメインはワカサギ釣りだし、ホテルなんて寝れればいいやくらいに思ってチェックインした。

 だから、大浴場を訪れて驚いたのなんの。
 もう、超ビックリした。

 ホテルマウント富士、知らない間にスーパーサウナ施設に大変貌していたのだ。

 スーパーサウナ施設には大抵、清水みさとちゃんのサウナポスターが架かってるが、なぜかこのホテルの廊下にもある。
 ふーん、なんでだろ。
 歩きながら思う。
 清水みさとちゃんのグラドル時代のDVD、死ぬほどエロいんだよな。

 大浴場の脱衣場に入ると、なんだか綺麗だ!
 するとそこに、タナカタツキ先生やマグ万平氏など、名だたるサウナ有識者たちのサイン色紙が!みさとちゃんもいるし、ヒャダインさんも来てる。

 待てよ、期待できるかも。

 ・・・。

 ∑(゚Д゚)

  Σ(゚д゚lll)

 (良い所があり過ぎて書くのが面倒くさい!)
 
 期待以上だった。

 あまりに相手の実力を低く見積もっていたために、そのギャップに、完成度の高さに、クラクラした。
 全てが素晴らしかった!!

 目の前の富士山とリコネクト。
 サウナと関係ないけど、夕食のブッフェも美味しくて食べ過ぎた。もう一つの露天風呂も最高。

 すぐ再訪したい!
 また行きたい!
 山中湖近いし! 
 宿泊費は半分私が持つので、一緒に行きません? ホントに、気に入りました。

 ( ´Д`)y━・~~ 
 
 王道のものがひとまずの定着を見ると、人は様々なパターン違いを作り始める。その発想は大喜利的で楽しい。
 先日、使われなくなった路線バスをサウナに改造した「サウナバス」なるものまで登場した。
 これからも全国のサウナ愛好家が知恵を絞って変わり種のサウナ施設を作ってくれるはずだ。

 そんなクレイジーな発想の「大喜利サウナ」を私はこれからも愛していきたい。


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