【レビュー】ドラえもん のび太の大魔境
ドラえもん映画レビュー第三弾、本日はタイムトラベルを含むあの作品です。それではいってみよー!
はじめに
このレビューはネタバレを含みます。
また筆者の脳内には水田わさび氏のドラえもんを含みません。
あらすじ
ジャイアンから「魔境や秘境を探検したい」という無茶振りを受け、ドラえもんの道具でアフリカの写真を片っ端から調べるのび太。
拾ってきた賢い犬のペコが咥えた一枚には、謎の巨大石像が写り込んでいた!
意気揚々とアフリカに乗り込む5人組。そこで待ち受けていたものは、ガラパゴス進化を遂げた犬の王国バウワンコだった!しかもペコはそこの王子!!
ところが、バウワンコ王国はクーデターの真っ最中。しかも外の世界を侵略するとか言ってる。
のび太達はクーデターを阻止できるのか…!?
感想
というわけで大魔境でした。これも私ほとんど見たことがなく、多分今回で3回目くらい。最初に見たときの記憶はほとんどないです。
ただこのお話、色々面白い部分があるんですよね。
というわけで面白い点その1。
なんと言っても「10人の外国人」これでしょう!
悪代官ダブランダーにあわややられかけたその時、5人を救いに来たのは、未来からタイムマシンで戻ってきたドラえもん達だった!
劇ドラ史上類を見ない、二人のドラえもんが共闘するという展開になります。
バックトゥーザフューチャーにせよ何にせよ、タイムマシンを扱うストーリーにおいて、過去の自分と遭遇するのはよくご法度扱いされています。
なぜかというと、自分の記憶にない場面を過去で起こしてしまうと、タイムパラドックスが起こるから。
タイムパラドックスの詳しい説明は省きますが、その矛盾をどう扱うかがタイムマシンものの1つの見どころでもありますが、大魔境では違ったアプローチでこのタイムパラドックスを回避しています。
それは、未来の自分が過去へ行くのではなく、過去の自分が未来の自分を呼ぶ、というもの。まさに逆転の発想ですね!
確かに過去の方からアプローチしてしまえば、未来に戻った後で過去に行ってもなんら問題は起こらないわけです。
しかし、一方でおかしなことも起こります。
巨大石像の内部構造や心を動かす仕組みなど、王子であるペコですら知らない情報を未来のドラえもんは過去ドラ達に説明します。
ペコが「なんでそんな事を知っているの?」と尋ねると、未来ドラは「見てきたからね」と。
確かに未来ドラは、未来ドラの過去で、未来ドラの未来ドラから教わるので知っているわけですが、じゃあその未来ドラの未来ドラは、そのまた未来ドラから教わって、と無限ループします。
このペコでも知らない情報は、では一体どこから生まれたのでしょうね?
ちょっと長くなりますが、もう一点。
今回外せないキーパーソンとして、ジャイアンが居ます。
自分のせいで仲間たちを窮地に立たせますよね。戦う道具も帰る手段も、まぁジャイアンの端を発して無くなってしまったわけです。
責任を感じつつもどうしようも出来なくて、スネ夫には「やーねぇ男のヒステリーは」なんて言われて。
それでも変な音が聞こえれば真っ先に様子を見に行くし、危険なエレベータも自分が率先して乗る。
なんとかして皆に貢献したいという気持ちを常に持って行動します。
そして、敵の圧倒的な実力に押されて勝ち目が無くなったときも、ペコに最初についていったのはジャイアンでした。
このシーンほんとに良いですよね。
我々も、例えば会社でミスをして、自分のせいで色んな人に迷惑をかける場面というのは多々ありますが、そういう時、捻くれながらもなんとかして解決しようと動ける人に、私はなりたい。
なーーんて!
総評
「のび太の恐竜」「宇宙開拓史」は割と冒険活劇的な要素が強かったドラえもんですが、大魔境はタイムスリップを含むシナリオ構成、そしてのび太ではなくジャイアンがキーとなる配役など、コレまでと少し違ったテイストの作品となっていました。ちょっと大人向けになったかな?
個人的にはこういう時間系のややこしい話は大好物なので、映画も考察も存分に楽しませてもらいました。
やっぱり映画のジャイアンは最高!!
小ネタ1
アフリカ探検のシーン。のび太が現地の鳥を見て、「あ、パプワシワコブサイチョウが居るよ!」と一言。
いや何その鳥!のび太の恐竜のときのスネ夫しかり、なんでそんなマニアックな情報知ってんねん小学四年生!!
最後に
ここまで読んで頂いてありがとうございました!
次は海底鬼岩城でお会いいたしましょう。
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