ほしのはなの知恵袋-結婚編-【 アラフィフ主婦 交換日記を始めるの巻~後編 】
流行り風邪の終息どころか
アタフタ翻弄されている
政治家先生・自称専門家の皆さまのお姿を
テレビで拝見しながら
「こちらがアタフタしてしまうわ」と
当時の日常を過ごしていた私。
近代人類が初めて直面すると思われる
安心する、ホッとする、リラックスするからは
かなり遠い、まるで全体像の見えない
大きな大きな不安の渦の中にいるようでした。
渦の勢いにおぼれそうになりながらも
向こうの方から自動的にやって来る
ある新しい年を迎えたタイミングのお話です。
前編でお話した内容とは、まるっきり
何の関係も無いように思われる事柄ですが、
私は人生初の
交換日記を始めることになりました。
この時私は、流行り風邪を理由に
ご近所の奥さまと当時の想いや愚痴を
やり取りしたのではなく、
生活空間を共にするだんなさんと
日記の交換をしていたのです。
子供のいないアラフィフ主婦。
いわゆる贅沢な時間だけはたっぷりある
フリーダムの極みな毎日。
それに対して、だんなさんの毎日は
流行り風邪の「禍」中へ飛び込みに行くような
ものでした。
実はだんなさんが、姿の見えないウイルスに対して
私よりも繊細な感性を持つタイプなのだと
知ったのは、この時が初めてでした。
自分の性質を度外視し
「禍」中、ただの1日も"ズル休み"を
行使することもありませんでしたので、
社会や家庭において
愚直に(誉め言葉です)自分の役割を果たす
姿を目の当たりにして、
胸が痛んだこともありました。
そんな二人の間に、
これまで経験したことの無い種類の
心のズレや歪み、理解のすれ違い、
葛藤が生まれたのは、
必然だったような気がします。
「嫌いにならないために、どうしたらいいんだろう」
懲りないで考え続け、
二人なりに着地点を探りながら
歩んできた今だから穏やかにお話しできます。
(私だけ?)
こんな日が待っててくれるだなんて
思っていなかったあの頃、
私は何度か"プチ家出"みたいなことをしたのも
今となっては良い思い出です。
(ひょっとして、私だけ?)
二人の間に存在する
心のズレや歪みの調整のために
何かできそうなことはないかな…考えた結果
私からだんなさんに
「交換日記をしませんか?」と提案してみました。
自分の気持ちを【言語化】する作業が
口語においても、文語においても
好きであり、苦手としていない私に対して
今でもどちらかと言うと、控えたい
得意とはしていない(だろう)だんなさん。
当時の心身のコンディションやタイミングを
大切にしながら、なるべくお邪魔にならないように
【言葉】のキャッチボールをする方法…、と
思いついたのが交換日記でした。
日記を始める前、
心のズレや歪みの調整をしたいという
志だけは高いくせに
家の中を歪んだ空気で満たすキッカケは、
たいてい私が作り出していました。
「年齢的なモノなのか
身体の構造的なモノなのか、
とにかく原因が分からない身体の痛みを
常々感じている私の辛さを
どうして分かってくれないの?」
「縁もゆかりもない土地での暮らしが始まり
懸命に馴染む努力を重ねて発症する
私の『孤独病』の辛さを、
アータ、お分かりになって?」
私は日々、遠慮なく自分の思い付きで
だんなさんに
これらの気持ちを【言葉】に変換して
音(声)に乗せてぶつけていました。
えぇぇぇ~・・・
だんなさんにおいては
お分かりになる、どころの騒ぎでは
なかったと察します。
こんな私でも、冷静な時は
だんなさんの胸の内を想像できてました。
(ええ、言い訳がましいのは百も承知です)
だんなさんにとっては、
「オイオイ、それらのことについては
よく知っちゃぁいるし、分かってあげたいけど
全く同じようには分かってあげられねぇ~んだよぉ~」
だったり
「こっちはこっちで、職場で1日中
隣に座ってるセンパイの
理不尽なゲップを喰らい続けて
ゲンナリしてたのから、やっと解放されたんだよぉ~」
などと言ったところでしょう。
体調不良の原因追及に日々悶々としながら、
虚しくも、身体の痛みは止まりません。
「私ってばダメな人、かわいそうな人なの」
心に余裕のない日の私は
だんなさんに追い打ちをかけるように
恐怖から来る悲しみを通り超えて、
完全に怒りに支配された
理不尽な眼差しを送ってしまっていました。
「チタン製のジャックナイフみたいに
切れ味鋭い(聞こえても、聞こえなくても)
【言葉】でオレを追い込むなよぉ~」
そんな叫び声が聞こえるような不毛な時間も
今となっては、必要な時間だったと
理解できるようになるためのアイテム。
そのために存在していたはずの
交換日記のノートは、
その後、偶然訪れた転居のタイミングで
無事に処分されました。
日記で何をどのように表現したのかの記憶など
完全に失っています。
実に都合の良いお話だこと。
せっかくなので「書く」作業が
単語を記憶するのに役立つかどうか説の
エビデンス検証に一役買いたいものです。
この「気持ちを文字にして書く」経験のおかげで
現在もなお私の中に深く根付き
「知恵」として磨いていきたい
とても大切にしていることがあります。
「だんなさんを嫌いにならない」
のを諦めない。
私が自作自演の悲劇のヒロインに
進んでなりに行かなければ
だんなさんが私からの【口撃】によって
二度と這い上がってこられないような
深い谷底へ転落しそうになるのを
一度でも多く防げそう。
だんなさんを巻き込んでの
大がかりな学びから得た知識です。
頭では理解しているのだから
あとは身に着けて、習慣にすればいい。
この知識が、まるで存在感だけ放っていて
開かれた様子が全くしない
分厚い参考書のようになってしまわないように
したいものです。
そのためにも
自分が心がけておくと良いことを
自分の内側へと見つめ直しに行ったり、
必要に応じて
メンテナンスしたりアップデートする、と言ったことを
コツコツと積み重ねていきたいと
今日も思ったのでした。
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お読みいただきありがとうございます🍃
◆ほしのはなの知恵袋◆
ー結婚編ー
~男はつらいよ 女もつらいよ~ 一覧
・まえがき
・”情”(恋愛)と”愛”(結婚)の違いに気が付いた
・アナタは、岩だね
・発酵と腐敗の観察
・全部説明しなくていいんだよ
・与える喜び、受け取る喜び
・アラフィフ主婦
交換日記を始めるの巻~前編
・アラフィフ主婦
交換日記を始めるの巻~後編
・あとがき