2022.08.01 一目惚れ
定期的に来る読書ブーム。
いま私はその真っ只中にいる。
最近読んでいる本の1つに
13歳からのアート思考
という本がある。
という主張のもと、
アート思考を養い、美術の本当の面白さを体験しよう!という内容で始まる本書。
まだ読み途中ではあるが、面白い本なので一度読んでみてほしい。
そんな本を読んでいるということもあり
先日、泉屋博古館で開催されていた
【光陰礼讃】
という記念展に行ってきた。
今回はそこで体験した話を記そうと思う。
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本展覧会では、モネやルノアールなどの油絵をはじめ、住友が収集してきた絵画が展示されていた。
「13歳からのアート思考」を読んでいることもあり、その絵に注目して特徴を捉えてみたり、
その絵から
「この視野を少し拡張したらどうなるんだろう?」
「この先どうなるのだろう」
など想像を膨らませるなどしていた。
第1展示室を一通り見終わり、次の展示室へと向かった。
そして入り口から数作品目。
私はそれに一目惚れした。
一瞬で吸い込まれるように惹かれてしまう、そんな作品に出会ったのだ。
それがこちら
藤島武二の『幸ある朝』という作品だ。
藤島武二について全くの無知な上に、解説文章の内容も忘れてしまったが、強烈にその作品に惹かれたことだけは覚えている。
窓から指す鮮やかなオレンジ色の光。
そのオレンジ色は本物の太陽光のようにさえ感じられた。
女性の顔はぼやかして描かれており、こちらの受け取り次第で表情が変わっていく。
花瓶の花は少し雑に描かれたようも思えるが、2m程度離れて見ると丁度いい塩梅に映る。
暫く観察した私は、
「この絵は本当に幸せそうだな」と感じた。
女性は微笑んでいるように捉えられたし、
窓からの日はその微笑みを包み込むような
暖かさを持っていた。
そして次第に、
どこからか心地いい陽気なピアノの音が
聞こえてきた気がした。
嗚呼、なんて素敵な作品なんだろう…。
展示品を全て一通り見終わった後でも
1番、この作品が素敵に思えた。
(なんなら一周し終わって再度見に行った程だ)
普段、観るより創る方が圧倒的に好きな私は自分の感覚とこの経験に驚いた。
美術館ってこんな刺激的で頭を使う場所なんだ。
人間って、こんなに作品に惹かれることがあるんだ。
人間って、こんなに作品に思いを馳せることができるんだ。
アートって…凄いな。
素直にそう思わざるを得ない経験だった。
これから先、こんな一目惚れすることがあるのかなんてわからないけど、「あるかもしれない」それの為に、また美術館へ赴くのも悪くないかもしれない。