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【ライブレポート】2025/1/25 二丁目の魁カミングアウト『FREE GAY LIVE』2部@新宿AiSOTOPE LOUNGE

以前より友人から熱烈なお誘いをいただいていた、二丁目の魁カミングアウトのフリーライブに行ってきた。

布教活動に熱心なこの友人の存在もあって、以前から名前は知っており音源にも少し触れてはいたが、ライブを観るのは初めてだ。何度かのメンバーチェンジを経て、今は、ミキティー本物、ぺいにゃむにゃむ、筆村栄心、日が紅の4人編成となっている。

リーダー兼プロデューサーであるミキティー本物は、テレビ朝日で放送されていた『musicる TV』内コーナー「愛踊祭~あいどるまつり~」での審査員として出演していて、そのときに観たのがファーストコンタクト。

二丁目の魁カミングアウトのライブはもちろん、新宿AiSOTOPE LOUNGEというハコも初ということで、新宿三丁目駅から見慣れない道を歩いてわずか1分。静かな路地の1階に佇むハコの入り口を見つけていざ入場。15時過ぎという、夜、ないし昼開始が一般的な土曜にしてはやや中途半端な時間帯だが、会場にはたくさんのファンが詰めかけていて、その9割は女性だった。

会場BGMとしてJUN SKY WALKER(S)「歩いていこう」、LINDBERG「BELIEVE IN LOVE」、久保田利伸「Missing」等々、中学・高校時代の青春曲が流れていて、開演前からテンション↑。

ライブ前、友人からは「みんなでジャンプしたりとかしゃがんだりとかありますが、一緒にやるでも、大人見でも大丈夫です。メドレー終わったあと撮影タイムあります」と説明を受けて準備完了。

いざ、ライブが始まると…これは本当にフリーライブ、しかもすでに昼公演を終えてからの2部公演なのかと思うほどの熱量たっぷりな50分だった。

1曲目「マイノリティーサイレン」からフルスロットル。メンバーはもちろんだが、フロアの観客たちもめちゃくちゃ楽しんでいる。私はフロア最後方で観ていたが、彼女たちの背中からも「楽しい!」が伝わってくるのだ。

途中、観客参加型の、肩を組むように両手を両隣の背中に伸ばして左右に揺れる踊りが展開される。振り付けの知識なんて当然持ち合わせていない私は、どうしていいか(こういったファン同士が接触する系の踊りは、嫌がる人もいるので)一瞬戸惑ったものの、隣にいた子がなんのためらいもなく手を伸ばしてくれたので、彼女に合わせて手を伸ばし、一緒に踊ってみた。彼女のおかげもあり、1曲目にしてここにいる皆の中に入れた感じがして、とてもありがたかった。

以降も、ステージでは激しい振り付けとフォーメーションによる踊りが展開、一方でフロアでも、ジャンプしたりコールしたり軽く腰をかがめたりと、どちらも休む間もなくライブが続いていく。

何年も前に、友人がハマっていた女子アイドルのライブ現場に遊びに行ったときも感じたが、アイドルファンのライブを楽しむ熱量は本当にハンパない。全身全霊という言葉が似合う、推したちへの愛が凄まじいのだ。

セットリストの中では、勇ましい《OH OH OH OH》のコーラスが映える「BUG IS LIFE」という曲が印象に残った。メロディも綺麗でカッコいい。

4人全員がボーカルを担い、ユニゾン歌唱や交代でソロを披露するなど、ダンスだけではなく歌も目まぐるしい。重心低めなミキティー本物やかわいい&綺麗な筆村栄心、日が紅、そして激しく力強いぺいにゃむにゃむと、ボーカルにも特色・個性を感じる。4人それぞれにメンバーカラーが配されているように、歌声もカラフルだ。

途中でMCもなく、暗転して間を作る時間もなく、まさにノンストップ。6曲目まで一瞬の休息も入れずに駆け抜ける。そして、「次は撮影可能曲!」と告げて「GAY STAR」をパフォーマンス。ライブ前に友人が言っていた「メドレー後に撮影タイムがある」とはこのことか。ワンコーラスを繋げる圧縮タイプではなく、フル尺連発で畳みかけるハイカロリーなほうのメドレーだった。



皆、後ろの観客の視界に入らないよう、スマホの高さを抑えての撮影でマナーも行き届いている。

マナーとは少し違うが、ひとつ印象に残っているのは、私の前にいた女子二人。開演前、彼女たちの前には少しスペースがあり、(背が高い人が来ないといいね)といった感じで話をしていたようなのだが、開演直前にひとりの背が高めな観客がちょうどふたりの前にポジショニング。そのとき、ふたりは「あちゃ~」という感じで顔を見合わせていたのだが、それがネガティブなものというよりも、「来ちゃったねえ笑」みたいな、残念ハプニングを楽しんでいるような雰囲気を出していたのだ。前の観客を避けるようにコミカルに頭を左右に振って視界を確かめる様も愉快。そんな観客たちの柔らかい空気は、二丁目の魁カミングアウトという存在が生み出しているのかもしれない。



撮影可能曲が終わると、ようやくMCが始まった。もともとは1曲目を撮影タイムにする予定だったそうで、それはまだ声もしっかり出て、かつメイクもばっちり決まっている美しいビジュアルの自分たちをSNSで拡散してほしい、という理由からだったそう。だが、それは違うのではないかと。声は枯れ、メイクも落ちて汗だくの必死な自分たちを見てもらうことでこそ、本当の二丁目の魁カミングアウトのライブの魅力が伝わるのでは、という結論に至り、この「メドレー後」というタイミングでの撮影タイムになったとのこと。

確かに、美しいビジュはMVで楽しめるが、この熱量は綺麗なMVよりも、ぐちゃぐちゃなライブステージのほうが圧倒的に伝わるだろう。ただし「6曲やったあとの1曲」と書いて拡散してほしいとのお願いには、会場からは笑いも。

また、二丁魁はとにかくライブ本数が多いのが特徴。学生アイドルが月8本ライブするところを、二丁魁は週8本開催。一週間ライブが空くと「久しぶり」な感覚に陥るという、すでにどこかバグっているのではと心配になるほどだ。

「声は枯れても魂は枯れない」という名言も残しつつ、リハをしてみて、体力的なことを考えて予定変更したものの、「悔しくない?」という思いから、本来予定していた曲に戻そうという流れになり、ラストナンバーに「三原色カタルシス」を披露。フロアからのコールの声量も含めてまさにクライマックスといえる盛り上がりで、フリーライブ2部は幕を閉じた。

圧倒と圧巻とワクワク。メンバー4人の、汗を飛ばし髪を振り乱しての激しいパフォーマンスと、これに負けじと全身でライブを楽しむ観客の姿が目に焼き付く、そんな人生初の二丁魁ライブだった。

2月3日にはZeppShinjukuでのワンマンライブを控えている。直前まで、ドリンク代のみのフリーライブを開催しているので、気になる人はぜひチェックしてみてはどうだろう。

セットリスト
1.マイノリティーサイレン
2.BUG IS LIFE
3.BAKADEMO AHODEMO
4.綺麗故に、故に綺麗。
5.パラレルヤワールド
6.耳をすませば
7.GAY STAR
8.三原色カタルシス

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