【ライブレポート】2020/7/27 LOCAL CONNECT ~Acoustic LIVE~ #11
LOCAL CONNECTが毎週月曜日に配信しているアコースティックライブを観賞しました。彼らのライブをがっつり観るのは初めてなので、簡単な内容ですがメモ代わりに記録を残しておこうと思います。
コロナ禍の中でライブハウスでのライブが難しくなり、この配信スタイルが生まれたのでしょう。無印良品のカレーやメロンソーダについて語るという、音楽と全く関係のないトークでゆる~く始まりました。ローコネのバンドとしてのキャラクターを知らない自分にはちょうどいい温度感。なんとなくではありますが、ボーカルのISATOさん、そしてギタボのDaikiさんの個性がちょっとだけ伝わってくる時間。
youtubeのチャット欄をチェックしながらオープニングトークが続き、ISATOさんのこんな言葉で演奏スタートです。
「週の始まりは重い空気が漂いますので」
「みなさんの月曜日を最高のものにして」
「今週の始まりを告げようと思います!」
『ROAD』という曲が本日のトップバッター。ふたつの声が楽しめる、ツインボーカルならではの面白さがありますね。どちらも綺麗な声をしている。また、サビ中に鳴らされる、細かく刻んだギターの音色がかなり好みです。
楽器隊がしているマスクを面白おかしくイジりながら展開する曲間のトーク。アコースティックということもあってか、1曲プレイしたらトーク、そしてまた次の曲へ、という構成です。おうちでゆったり観るならこのスタイルが適している感じしますね。既存のマスクを買うのではなく、手作り方法や発注先のリサーチをしていたというドラム・NatsukiさんのDIY精神も垣間見ることができました。
2曲目はサビでのハーモニーが美しい『君の右手』。ふたりが入れ替わり歌う様が実に鮮やか。自分の世代的に右手といったらブルーハーツの『僕の右手』なんですが、それ以来の右手ソングかもしれない。
「この曲はカッコいい」「何回やっても飽きない」という紹介とともに披露された次の曲は『2DK』。俺がローコネを聴いていちばん最初に「これ好きなやつ!」と思った曲です。
アコースティックということでミニマムな音なのに、楽器隊&ボーカルが織りなす猛烈なグルーヴがたまらない。PCの前でヘッドホンして聴いているのに、ついつい体を揺らしちゃう。ギターソロも存在感たっぷりで楽しい一曲に仕上がっています。
曲が終わってISATOさんが「初めて聴いてかっこええ、最高やん、鳥肌やん、実やん!ってなった人は…」と言うとDaikiさんが「みんながみんな鳥肌実知らん」とツッコミを入れる。まさかここで鳥肌先生の名前が出てくるとは。今はなき九段会館で観た時局講演会を思い出す…。何度も爆笑したなあ。元気にしてるかな。…話が逸れました。
「サブスクで実ってみてください」という新しい表現も生まれた今回の『2DK』、めちゃくちゃカッコよかったです。
続いては【LOCAL CONNECT カバーソングコーナー】。毎週の配信時に実施していると思われる、カバーソングを披露する企画。今回取り上げるのはMISIAです。子供の頃に触れた、ISATOさんにとってルーツ音楽ともいえる存在なんだそう。彼女に憧れて音楽を始めたということで、「主旋律もしんどい、コーラスがえぐい」カバーソング史上最高難易度の曲、『つつみ込むように…』を歌ってくれました。
うまくアコースティックにアレンジしたあの特徴的なイントロの演奏も新鮮。最初は嘘だろ…!?と思いましたが原曲キーで歌ってますよね、これ。オクターブ下げるとかキーを変えるとかするもんだと勝手に思い込んでいたけれど…。思わずMISIAの『つつみ込むように…』を同期再生させて音を重ねてしまいました。いやホントに凄い。高音が出ているから凄い、のではなくて高音を出しながらちゃんと表現として感じ取れる歌を歌っているのが凄い。Daikiさんのコーラスも含めて、男性アーティストではなかなか聴くことのできない『つつみ込むように…』カバー、堪能しました。
ボーカルふたりの、演奏終わった後の脱力感たるや。楽器隊のグルーヴに心躍っていたと話すISATOさんもいいな。MISIAのあのファンクなテイストは『2DK』にも通じるものがあるような。
しばし余韻に浸った後、プレイしたのは『Letter...』という曲。自粛期間に改めてこの曲への感謝の気持ちがわいてきたというISATOさん。雰囲気たっぷりに歌い出した瞬間、Daikiさんがミスって歌いなおしとなります。もはやハプニングとかアクシデントにすらならない、しない。そんなスタンスが見て取れるような、何事もなかったかのように仕切り直すふたりがクールです。
曲自体はとても透明感のあるメロディ。交互に歌って混ざり合うツインボーカルも気持ちいい。目の前が開けていく…そんな印象を与えるギターも好きです。この曲はDaikiさんが両親に対しての思いを綴ったものだそう。それを知ったうえで聴くとまた味わい深いものがあります。油断するとちょっと涙出そうになる。
最後の曲を演奏する前に、ワンコーラスだけやりたいと『幸せのありか』をサビまで披露します。ローコネの曲を聴いてくれていたとあるファンがつい先日亡くなられたんだそう。訃報に接した彼らが、その方がリクエストしてくれた曲を届けたいという気持ちから今日のセットリストに組み込んだとのこと。とても丁寧に歌い、演奏する彼らの思いはその方だけでなく、こちらにも伝わってきました。
“死”というものを意識したからか
「思いきり届けて今日を終わりにしたいと思います」
「全身全霊で命燃やしましょう!」
という言葉で最後の曲『アンダーグラウンド』を披露して【LOCAL CONNECT ~Acoustic LIVE~ #11 】は幕を閉じました。
約1時間ちょっとのライブ。冒頭でも触れたようにローコネをじっくり観たのは今日が初めてといっても過言ではないのですが、カメラの向こうにいる観客に対して常にアクションを取るISATOさんの姿が印象的。スパチャしてくれた方へのコメントを読み上げてお礼を伝えることも忘れない。
歌や演奏、そして言葉のひとつひとつがとても丁寧なバンドだなと思いました。コロナに関してしっかり予防しようと訴えつつ、それでも罹患することはあるから、とフォローも忘れない。なんというか、信頼できる人たちだな…という印象を持ちました。
アーカイブも残っているので、未視聴の方はぜひ。
セットリスト
01.ROAD
02.君の右手
03.2DK
04.つつみ込むように…
05.Letter...
06.幸せのありか
07.アンダーグラウンド