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【ライブレポート】2023/7/4 ムロフェス×Eggs presents『Road to ムロエッグ』 @ Spotify O-Crest

ムロフェスへの出場をかけたオーディションライブ『Road to ムロエッグ』に足を運んだ。

夢を掴むため、戦いの場に挑む9アーティストのライブをしかと目撃。その様子を簡単に振り返ろう。

AMUSEMENT LAGER

初見。「言いたいことはひとつだけ。自分の好きな音楽を、誰に何を言われても曲げずに愛し続けてほしい」

ゆーへー(Vo/Gt)の熱いメッセージが刺さる。

シャウトも映える歌声と気合い十分なパフォーマンス。たくと(Ba)の迫力のベースは、リズムを生むというより楽曲そのものをリードするかのようだった。

この瞬間にすべてを燃やすようなライブ。20分に詰め込んだ思いは確かにフロアへ届いていた。

弁天ランド

初見。Roy Orbisonの「Oh, Pretty Woman」が流れるなか登場した弁天ランド。すでにこの時点で歓声が上がるなど、フロアも期待感たっぷりだ。

どこかのどかな雰囲気を漂わせながら哀愁も帯びたメロディが印象的な楽曲群。そして大木凡人×ハマオカモトなビジュアルのギタリストを筆頭に個性豊かなメンバーたち。

「結成1年半、今までで一番いい演奏します!」と今日のライブにかける意気込みも素晴らしく、陽気なキャラと魅せるライブで、終始楽しい時間だった。

ウマシカて

最初の一音を放った瞬間から、いきなりホームのような空気が生まれる。

1曲目に四つ打ちの「酔った。」であっという間にフロアを熱するウマシカて。

てざわり(Ba)はMCで「バンドの宣伝でTLが埋まることがある。なんでそんなに宣伝するのか。それは“次がないかもしれないから”」と語ると、涙で言葉が続かなくなってしまう。そんな悲壮感漂うバンド界隈の実情も打ち明けながら、ドラマティックなライブは続く。

「(このオーディションで)当選したあかつきには、今日出演のバンド全員ウマシカてとして、出します」と、戦友と表現するにふさわしい、このオーディション出演者たちとの絆も感じさせるMCを挟みつつ、ラストは「大切な曲やっておわります」と告げ、「よん」でライブを締めくくった。

セットリスト
1.「酔った。」
2.1998
3.犬みたい
4.よん

あめミー

初見。今日唯一の弾き語りアーティスト。バンドマンたちの中でただひとり、ギター一本で挑む姿が凛々しい。

「クレストが好き、ムロフェスが好き、音楽に希望もらっている、そういう根本的な部分は皆同じだと思ってます。あなたと20分間、まっすぐ向き合わせてください」

歌や演奏と同じか、それ以上に言葉を使ってメッセージを発信するあめミー。ムロフェスと出会って人生が変わったと、ムロフェスへの思いを語り、最後は「立ち止まったっていい。あなたはあなたのペースで挑み続けてください」と話すと、ラストナンバー「鈍行列車」を披露。

フロアに声をかけ、曲に合わせて手を上げさせるなど、コミュニケーションも取りながら、溢れる想いをピュアで真摯な言葉に乗せて、歌と共に届けてくれた。

Hwyl

フロアの熱量はここからさらに過熱する。大歓声のなかで演奏するHwylの、堂々たるパフォーマンスには頼もしさすら漂っていた。

「1位以外は意味がない。勝ちに来た」というりさの、オーディションにかける想いが伝わる力強いMCに痺れる。

色気たっぷりなノドカのファズギター、グルーヴィーなタケマのベースという、バンドとしてのアンサンブルも美しい。そう、楽曲やメンバーの個性、あるいは個々の歌や演奏自体魅力的なHwylだが、なによりバンドサウンドそのものが今、とても中身の濃いものになっている印象がある。

「ここにいるみんなとムロフェス行きたい!」と、観客への愛も滲ませながら、パンパンのO-Crestで輝く彼女たち。1年前と比べ激変の、歓声と熱気に包まれたフロアに思わず涙がこぼれてしまった。

1.セカイヘイワ
2.暮らし
3.わからないよな
4.現在地
5.戯れ言
6.Tresure

チョーキューメイ

初見。バイオリンも弾いちゃう麗(Vo/Gt)を筆頭に、4人、そして放つ音楽に圧倒的華がある。ロックバンドにバイオリンといえば、日本ならBIGMAMAを思い浮かべるが、このスタイルの新世代台頭を感じさせる。

テンポや曲調含め色とりどりの楽曲も、そのひとつひとつすべてが楽しい。演奏テクニックも確かで聴き応え抜群。藤井ごん(Ba)の切れ味たっぷりなベースプレイもカッコいい。

MC少なめ、歌と演奏で楽しませる素晴らしいライブだった。

1.心を照らせ!
2.おやすみパパママ
3.貴方の恋人になりたい
4.3月の花嫁

虎の子ラミー

初見。四つ打ちからスカの裏打ちまで駆使して、歌謡曲&ロックンロールを爆音で鳴らすド派手なパフォーマンスがスゴイ。

マザー・ヤナギ(Vo)はまさにフロントマンとしての資質に溢れ、バンドを、そしてこのO-Crestを完全に支配するかの如く、ステージダイブを繰り出しながらドライブする。フロアに向かって視線で会話をするミズキ(Gt)の楽しそうなプレイも印象的だ。

オーディションを受けに来たんじゃないと言わんばかりの「ライブをしに来た!」という宣言通り熱いステージに圧倒された。

イベント終了後、メンバー自身がO-Crestの階段でビラ配りをし、またSNSでは動画リンク付きでセットリストを公開するなど、「知ってほしい、聴いてほしい、観てほしい」という気持ちをちゃんと行動に移しているところにめちゃくちゃ好感を持った。

こういうバンドこそ、ちゃんと成功してほしいと思う。

セットリスト

ハリケーンパンチ
https://youtu.be/L9g7gvb4qxs
限界突破
https://youtu.be/CaFcTUip8nY
ゲゲゲのパクチー
https://youtu.be/mJxGpFO0Bag
音楽
https://youtu.be/WALE0GWQWsM


Brown Basket

初見。京都MUSE発、O-Crest初登場。

勢いが塊になってフロアに襲いかかるような熱量と、キッズのレスポンスが最高のグルーヴを生む。盛り上がりもすさまじく、いつモッシュやダイブが起こっても不思議ではない空気。

青さの香る感情がしっかりと楽曲に乗り、激しくも瑞々しいステージはまさに青春真っ只中。

「なかなか叶わない夢の過程も楽しめる大人になりたい」「頑張れ頑張れと声かけるけど、休んでもいい」「俺たちは今日が頑張るとき」「今日もあんたの背中を押しに来ました!」

MCのひとつひとつがキッズの心に刺さっていく。

持ち時間がもうゼロに近いなかでの「ラスト1曲!」発言にびっくりするが、最後の曲はわずか1分。短時間ながらダイバーも登場し、盛り上がり最高潮で幕を閉じた。

Gum-9

初見。ロックであり、ポップでもあってめちゃくちゃ聴きやすい。

登場時からずっと爽やかで、清々しい音楽が耳を潤してくれていたが、終盤にスイッチが切り替わり、激しく、心震えるようなライブを展開。

今日のイベント全体を通して初めてと思われる、フロアから個々のメンバーへの声援も飛んでいた。

「EVERGREEN」という曲演奏時には鮮やかな緑の照明がステージを照らし、照明スタッフとの連携もバッチリ。

「夢のため生活のため、皆頑張っている。僕も今日、夢を掴むためここに立っている」という宮本龍人(Vo/Gt)の言葉は、今日出演したアーティスト全員の想いの代弁と言えるかもしれない。

ムロフェス出演という夢に挑んだ全9アーティストのトリという大役を見事に果たした、Gum-9のパフォーマンスだった。

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