【音楽まとめ】MY BEST SONGS 2022 [60位⇒41位]
毎年恒例(!?)となった年間ベストソング企画。今回は60位~41位の曲をMVまたはSpotifyリンクと共に紹介する。
■60位 宝物を探して / 橋本絵莉子
チャットモンチーが「完結」してからの橋本のソロワークにはチャット以上に温もりや人肌を感じるような楽曲が多く、本楽曲も同様に、なんだかとても温かい。だけど歌詞を読むと、《外はゾンビだらけ》《38の夜、嫌になって》《どうでもいい細胞に救われる》といった、ただならぬフレーズも並ぶ。ウキウキするようなサウンドや歌唱と対照的な言葉の混ざり合いが面白い。また、本楽曲には編曲やドラム、タンバリンに恒岡章の名がクレジットされている。これからも大切に聴いていこうと思う。
■59位 ノイジー / ナニカシラ
東小金井発、“ごきげんちょけロック”を掲げて活動するロックバンドの、心湧きたつロックナンバー。抑えたAメロから始まり、サビに向かって離陸、そして大空へと飛び立っていくような爽快な組み立てが清々しい。紹介した映像にもあるように、ライブでの盛り上がりマストな必殺曲。
■58位 綺羅キラー / ずっと真夜中でいいのに。,Mori Calliope
かつて「夜好性」などと括られたアーティストたちもそれぞれの道で確固たる立場を築きつつある。ずとまよは壮大なエンターテインメントショウとしてのライブでトップアーティストの仲間入りをした、そんな印象の2022年。この曲は個人的に、サビ前に入る《綺羅綺羅》という、ジャンプ前に膝を曲げるような、あるいはエアポケットのようなポイントがめちゃくちゃツボ。
■57位 Hisagi reprise / PHONO TONES
猪股ヨウスケ(Dr.DOWNER)や伊地知潔 (アジカン)らによるインストバンドがリリースした、極上の癒しを感じられる一曲。野外フェスで太陽の下、芝生に寝転んで聴いても、深夜のクラブでアルコール片手に体揺らしながら聴いてもハマる。万能の良薬。
■56位 ROSSOMAN / the dadadadys
tetoから改名した、激しく熱いライブで支持を得ていたバンド。当時聴いていたときはandymoriテイストも感じていたが、「ROSSOMAN」はまたあの頃のtetoとは少し異なる印象。しかしその熱量や感情を解き放って表現するような表現スタイルは健在。
■55位 ロマンスの角に小指ぶつけた / Nuff
福岡発、Nuffによるロマンチックなラブソング。サビの美麗なメロディが失恋の悲しみをよりドラマチックに演出する。主人公の恋の終わり、そしてその涙を《ロマンスの角に小指ぶつけただけ》と表現する歌詞にオリジナリティを感じる。
■54位 Groovy Xmas / The Linda Lindas
LA発のパワーポップバンドによるクリスマスソング。そのバンド名はブルーハーツの「リンダリンダ」、そして映画『リンダ リンダ リンダ』由来。パッと聴くと勢いもあってシンプルで美しいメロディだが、チラリと顔を覗かせる哀愁にグッと心惹かれてしまう。
■53位 シンデレラ / NIYOCO
鹿児島出身・カワセ率いる激アツスリーピースロックバンド、NIYOCOのシングル「MERCURY」収録曲。激情かつ劇場型ともいえるパフォーマンスが圧巻のNIYOCOだが、つらい別れを経験してきたカワセだからこそ出せる、ホンモノの悲痛な心の叫びが胸の奥をつついてくる。そして切なくもヒリついた歌声が、この「シンデレラ」には良く似合う。
■52位 SURF / ポルカドットスティングレイ
ついつい、自分にとって身近な都内の路線とかが歌詞に出てくると反応してしまう。ポルカドットスティングレイの楽曲には、「どうしてそんな発想思いつくんだろう?」という要素やドPOPなギミックがたくさん詰まっている。
《銀河系の快速》
《銀座線の終電》
《ランランララン乱世乱世》
《リンリンリリン輪廻輪廻》
対となる、韻を踏んでいたりリズミカルだったりするフレーズが、ぐるぐると脳内を巡るのだ。
■51位 明日には振り向いてよ / クレナズム
福岡で結成の4ピースバンド。萌映(Vo/Gt)の、輪郭が淡いボーカルがドリームポップな彼女たちのサウンドと絶妙にマッチ。MVでは、中華テイストな間奏に合わせて中華料理のシーンが当てられるなど、ユーモアも交えて瑞々しい青春を描いている。
■50位 刃渡り2億センチ / マキシマム ザ ホルモン
アニメ『チェンソーマン』第3話のエンディング曲。ホルモンにとっては貴重なサブスク配信曲だが、(TV edit)と条件付きなところが彼ららしい。上ちゃんのドスンとくるベースから始まり、荘厳なハードコアが鳴り響く。その後ダイスケはんの真骨頂ともいえる怒涛のカオスな展開から一転、ナヲのメロディアスな美声サビへと突入。〆に亮くんボーカルとこれ以上ないホルモン印たっぷり。早くフル尺で味わいたい。
■49位 SOUVENIR / BUMP OF CHICKEN
アニメ『SPY×FAMILY』OP曲。「ミックスナッツ」という圧倒的な曲の後を継ぐかたちとなったが、何度も聴いていくうちにどんどん好きになっていくスルメ曲として上位進出。
《歩いて歩いて 転んで平気なふりして》あなたに向かう道=帰り道として描く藤原基央の歌詞センスよ。仕事のために疑似家族として暮らしながら、気づけば本当の家族のように、帰るべき場所を作り上げていく3人と1匹のストーリーにふさわしい楽曲。
■48位 Timelapse / SPECIAL OTHERS
神奈川が、いや日本が誇るインストバンド、スペアザの、スペアザらしい優しくもエッジの効いた一曲。メインを成す柳下のギターはもちろん、スペアザ印ともいえる芹澤のキーボード、そして柔らかく畳みかける宮原の独特のドラミング、ギターとキーボードの高音を引き立たせる又吉のベース、4人すべての音が奏でるハーモニーはまさに珠玉!
■47位 Time's a River / OAU
『New Acoustic Camp』テーマソング。MVでの映像だけでなく、フェスの告知映像などでもたびたび耳にしていたこともあって、この曲を聴くと音楽×キャンプ×子供たち、というビジュアルが自然と浮かんでしまう。開放感とピースフルな空気に溢れた、気持ちをナチュラルにしてくれる曲。
■46位 PAKU / asmi
TikTokバズり曲メーカーともいえるmeiyo作の、まさに2022年を代表するバズ曲。中毒性のあるメロディに、口ずさみたくなるような癖のある言葉を上手に乗せていくそのスキルは、もはや日本トップクラスなのでは。その片鱗は2020年リリースの「KonichiwaTempraSushiNatto」にも表れていると思う。
■45位 Punch! / World Maps
2018年始動の"マウンテン・ポップ"を掲げる自然派インストバンド。2019年を最後にしばし活動休止状態だったように思うが、2022年に復活ライブを開催。新曲もリリースするなど、ついに再始動といったところか。新代田FEVERで観た、皆が笑顔で心と体を揺らしていたライブが忘れられない。この曲も、World MapsらしいHAPPYが感じられる一曲となっている。
■44位 Take a chance / illiomote
池袋発の幼馴染ハッピーポップユニットのシングル。キラキラと鳴り続けるエレクトロなサウンドの中で際立つYOCOの、一聴クールな、その実とても温かみのあるボーカル。そしてエグいレベルでカッコいいMAIYAのギターによるコンビネーションはふたりの最大の武器。ライブパフォーマンスも圧巻なので未見の方はぜひ。
■43位 Twinkle Winter Day / LEARNERS
チャーミングであり、ボーカリストとしての技術も凄い、紗羅マリーの圧倒的な存在感。普段は往年の名曲カバーが多いLEARNERSの、久しぶりとなるオリジナル曲の「Twinkle Winter Day」は、めちゃくちゃポップなサウンドと文字通りキラキラしたタイトルではあるが、実はCHABEさんらしいメッセージが込められた曲。春を感じる冬の日に、幸せなこの瞬間が永遠に続くといいと願いながら、曲の中盤では、平和と正義を守るために行ってしまう“あなた”を送り出し、戻ってくるまで平和は訪れないんだと歌う。2022年に生まれるべくして生まれた曲なのかもしれない。
■42位 追想 / Kureai
2021年より始動した、下北発のロックバンド・Kureaiが2021年10月末に配信したシングル。原則として2022年リリース曲が対象の本ランキングだが、「追想」は2021年終盤リリースかつ、知ったのが2022年で、めちゃくちゃ気に入っているので例外としてピックアップ。静かな立ち上がりから、丁寧に言葉を紡ぎ歌うフタミ(Vo/Gt)。後半で一気に情感溢れる壮大な展開へとうつろいでいく様に圧倒される。
■41位 カラオケ・サマーバケーション / ハンブレッダーズ
ハンブレッダーズの歌はどうしてこうも人の(私の)感情を揺さぶるのだろうか。「再生」「ライブハウスで会おうぜ」と名曲を連発する彼らが放つ「カラオケ・サマーバケーション」は、カラオケをモチーフに青春の1ページを切り取った美しいラブソング。好きなあの子を前にして、大勝負なカラオケでキメたいのにうまくいかない…そんなペーソスを含む共感たっぷりな曲を、ムツムロの精一杯な歌声によって見事に仕上げている。
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