TRPG勉強会2024 報告
現在のバージョンは1.0です。今後加筆修正します。
概要
TRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)と呼ばれる遊びがあります。
様々な世界観のなかで行われる会話劇です。
これは「自分で行動や結末を決められる」「ダイスを転がして、その出目によって行動の成否が決まる」などの要素があり、私は以前から「教育利用できないか」ということを考え続けていました。
以前もTRPG勉強会は何度か開催していますが、今回は2月の土日祝にできる限り開催するという大規模なイベントとして実施しています。
今回は2月3日に実施したものについて書いていきます。
実践報告
私の勤務先では、国語は光村図書の教科書を使っており、その2年生の単元に「おはなしのさくしゃになろう」というのがあります。
起承転結のある物語を書くというものなのですが、私は現在支援級担任としてそこに在籍する2年生の児童3名に教えることとなり、「彼らはきっと物語を書く」ことは難しいぞ、と考えました。
そのため、会話劇であるTRPGを応用することを決め、私の書きおろしたシナリオで遊びながら物語をみんなで作り上げることにしました。
使用したシステムは「ふしぎもののけTRPG ゆうやけこやけ」です。
https://conos.jp/product/yuuyake_koyake/
これはダイスを振らないかわりにポイントを消費するタイプなので、その使いどころを考えるのがキモなのですが、当初は設定・行動を児童たちに決めてもらうことだけを想定していました。
しかし実施してみると、同じ特技を取ってしまい行動のバリエーションが少なくなったり、一本道の分岐なしシナリオのため「つまんない!」と言われてしまったり、難しさを感じました。
それでも楽しさは一定程度あったようで、「またやりたい」と言ってもらえたところは良かったですし、何も発言できなくても物語に浸る楽しさも味わえるメリットもありました。
今考えているのは、自由度はもっと高くしたいということ、そしてルールも明確にすること、お話づくりカードなどで練習してから3学期にリベンジ予定です。
2月3日の回で出たご意見や感想
この日はTRPG初体験という方も含め、2名でエモクロアTRPGをやりました。
エモクロアTRPGはルールブックがネット上で公開されているため、初心者向けであるという話がありました。
またこのルールブックには「ロールプレイの指針」的なセクションもあり、どう動くかを想像しやすいというメリットもありました。
出た感想として「エモクロアは葛藤を起こす場面が自分で選べるから、感情の動きを細かく演出できて楽しい(自分のドラマを演じられる)」「設定の広がりが面白い」などがあったのですが、全員一致で「物語をみんなで創るから楽しい」とまとまりました。
以前の勉強会でも「物語が原作者の想定を超えて、異なるエンディングを迎えることがある」という話をしましたが、一緒に演じて物語を動かすからこそ楽しいとわかりました。
物語を作るのが苦手な児童生徒の思考として「展開や設定が考えられない」というのがやはりあるようなので、次回はランダム性のある演出や選択できる行動、分岐を盛り込んでいこうと思っています。
余暇活動でTRPGを活用されている方のお話もしたのですが、「まず体験ありきで、楽しかったという記憶をもとにして、そのあとに学びが生まれればいいよね」という内容も発信できました。
今回はここまで。