「探究学習セミナー2024」(大阪) レポ
大先輩から教えを受ける会。
2024年12月7日(土)の13時半から、大阪の関西大学梅田キャンパスで伺ったお話を、私なりに再構成したものです。
yamazaki先生のお話
大阪の私立中高で探究学習をご指導されているとのこと。
司書としての勤務経験を活かした実践が特徴だと感じました。
あのテーマにはこの本が使えるはず、あの子にはこの本が必要、というのがわかる感覚を、どれだけ現場の教員が持てるかが大事なのかなと。
指導のスタイルは「興味のある本をたくさん読ませること」を中心に据え、「論文を書かせる」というかなりシンプルなものでした。
150名の生徒が書いた論文に対して教員2名でフィードバック、という話にはリフレクション活動を実践している者として「できる」実感がありました。私は1人で1日200人にコメントを書いているから……。
「読んで気になったところを抜き書きする」活動かっら、その内容に対して「自分の意見をつける」ことを重視していると伺って、私のやるべき指導が見えてきた気がします。地道な読書の積み重ねが子どもたちの知的好奇心を刺激して、結果的に生きた知識を生み出す証左であると感じました。
1年半かけて論文にして、その結果「生徒自身が学びたいものを自ら見つけ進路を決定できた」という事例がたくさん聞けて、これが本来あるべき進路指導なのでは……? と思うなどしていました。
「独学の基礎を身につける」という目標について、鎖骨が粉砕骨折するまで頷きまくりました。何のために指導しているかって内容というよりも思考のフレームをたくさん知ってほしいからなので。
学校図書館の蔵書は8万冊ほど、中学生は平均して年間約40冊貸出がある、と聞いて公立中学校勤務の私は「学校図書館をなんとかせねばならない」と決意しました。使える図書館に育てていかなければならない。
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八神先生のお話
私がひそかに師匠とあおいでいる、高校国語科教諭の偉大な先輩です。
探究推進部の分掌を支える大黒柱として、公立校の悩みを感じる身としてのお話がたくさん聞けました。
教員の持ち出しで全部を仕切っていて、生徒が学ぶのにお金をかけないのはおかしいというご発言には、聞いているか文科省!! おまえらのせいで!! と勝手に私怨をぶつけてしまいました。
書き方、引用の仕方など基本的なことは「教えなければできない」のだから私の今やっている指導は間違っていないし、その技術を磨くことはちゃんと意味があると背中を押していただけました。
「生徒に成果物を最初に持たせる」という発想が私には無くて、確かに何か自分の実績として経験や論文などを持っていたほうが、本来あるべき姿の「探究活動」にふさわしいな、と感じました。
「(環境や指導力など様々な理由で)そんな実践はできない」というよく聞く言葉についても言及されていて、「最初から無理だと否定しないで始める」ことはとっても大事だと感じました。個人的に無理だと決めつけたくないと思うタイプであり、私自身も「この世の全てを知ってから死にたい人間」を自称しているので、まだまだ学ばせていただきたい……!
私の感じたこと
読ませる、書かせるという基本ができないと何もできないこと。
将来につながる学びの足掛かりとして、探究活動を位置づけること。
今中学校で教えている国語科の内容が、そのまま独学の力になること。
たくさんの学びと勇気をいただけました。