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小説『華霞』 1-2 幽霊との邂逅?

こんばんは、星宮幽希です♪

小説『華霞はなかすみ
第1章「影のオーケストラ」
の2話目です。





《これまでのお話と前回のおさらい》

始めのお話前回のお話「1-1 夜の学校へ」
のリンクを貼っておきます。

前回のお話は有料に変えました。
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2月中は最新話無料です。
毎週月曜日 更新予定です。
そのため、最新話公開前に有料に変更します。


・始めのお話「開幕」


・前回のお話「1-1 夜の学校へ」


《前回のおさらい》

とある文字を見て、夜の学校へと忍び込む。校舎に足を踏み入れると、背後で戸が閉まり開くことはなかった。


第1章の2話目です。本編は約1100字です。



小説『華霞』第1章「影のオーケストラ」
ー幽霊との邂逅 かいこう?ー 星宮幽希



 夜の学校へと忍び込み、校舎内に入ると開いていたはずの戸が勝手に閉まった。何度か試すが開くことはない。
 校舎内に等間隔で設置されている照明がほのかに赤く光っている。
 昼間はうるさかったせみの声も今はしない。外にいた夜烏よがらすの鳴き声も聞こえない。足音を立てたら何者かに気付かれてしまうのではないかという恐怖から足に余計な力が入る。

「あなたも招待されたのかしら?」

 暗闇からよく響くはかなげな声が聞こえ、思わず壁に体当たりをしてしまいうずくまる。鈍い音が廊下に響く。
 柱の陰から、人影が現れた。

「出たーっ!」

 忍んでいたことを一瞬で忘れ、つい大きな声で叫んでしまうが、気にしている余裕はない。ぶつけた痛みさえも忘れ、全力で昇降口を目指す。
 戸を開けようとするが、もちろん開くはずはなく追い詰められる。

「うふふ、一緒に遊びましょう」

 左目から赤く光る残光が伸び揺れている。右目はくるくると巻かれた髪が覆い隠している。口元に笑みを浮かべているが目は笑っていない。ゾンビのように前に手を突き出し、ゆっくりと近づいてくる。
 戸のガラスを叩くが、ヒビ一つ入らない。

「冗談はここまでにして、驚きすぎじゃない。朝会ったわよね?」
「いや、幽霊と知り合いになった覚えなんて……」

 ガラスに反射して真っ赤に染まった顔が見えた。すぐに顔を背けて目をつぶりうずくまる。体がガクガクと震える。

「落ち着くのよ。冷静になって」
おそわない?」

 震える声でたずねる。

「ええ、襲わないわ」

 深呼吸をして息を整え、ゆっくりと幽霊を見る。

「……あ、今朝の。もしかして、私怒らせた。たたられてる?」
「怒っていないわ。別に怒るようなことをしていないでしょう」

 今朝のことを思い返してみる。話しかけたが素通りされたような。

「聞こえていたの?」
「あれだけ大きな声を出されたら誰だって気付くわ」

 私の声、届いていたんだ。

「……ってことは無視された?」
「そんなことはどうでもいいわ。それで戸は開かないの?」

 今朝会った女生徒は戸に手をかけ調べている。

「ちょっと待って。あの紙わざと落としたの?」
「さぁ、どうかしらね。他の出口を探しましょうか」

 くすっと笑い、廊下を進んでいってしまう。

「ねぇ、名前教えてよ」
「そうね。また出会ったのも何かの縁だし、特別に教えてあげるわ。私はレイカよ。あなた、夢乃風華ゆめの ふうかでしょ?」
「えっ、なんで知っているの?」

 そんなに有名になるような行動は取っていないし、レイカと面識はない。

「同じ学校なんだし、この学校のことは全て把握しているわ」
「……そうなんだ」

 私なんてよく知っているのは友だちくらいだ。
 一階を探索していくが、どの教室も鍵がかかっていて開くことはなかった。廊下の窓も開くことはない。

「次は二階よ」



以上が小説『華霞はなかすみ』1-2 幽霊との邂逅?です。
お楽しみいただけましたか。


不気味で愉快な感じを表現してみました。
感じていただけたなら嬉しいです。

どう表現したら伝わるかを模索中です。

伝わっているかコメントで
教えていただけると嬉しいです。


挿絵として描いたイメージイラストです。
追い詰められるシーンですね。


それでは次回予告です。

《次回予告》

第1章「影のオーケストラ」
1-3 現れる壁と2階探索(仮)

更新予定日:2月24日(月)


タイトルは書いてみないとわからないため、
仮にしておきます。
更新予定日は予定日のため、
予告なく変更する場合があります。
変更する際はできるだけ事前に
お知らせするようにします。


この話が現在の最新話です。
次回もよろしくお願いします。



最後までお読みいただき
ありがとうございます♪


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「妖しい世界へと足を踏み入れてみませんか」 オリジナル小説『華霞』を連載執筆していきます。目標は週1更新です。 いよいよ第1章突入!現在…

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