見出し画像

日本共産党都議団は「東京オリパラ中止し、コロナの収束に向け、全力集中すること」を申し入れ(5/12)


日本共産党東京都議会議員団は5月12日標記の申し入れを行いました。多羅尾光睦副知事が応対し「多岐にわたるご要望を受けとりました。1日も早いコロナの収束にむけて対策を進めていきたい」と述べました。


東京都知事  小池百合子 殿
東京都教育長 藤田 裕司 殿

2021年5月12日
日本共産党東京都議会議員団

緊急事態宣言の延長にあたり新型コロナ対策の強化を求める申し入れ
 新型コロナウイルス感染症の3回目の緊急事態宣言が、本日から31日まで延長されました。新規陽性者数(7日間の移動平均)は、4月25日が727人、5月11日が824人とむしろ増加している状況です。
 知事は7日の記者会見で「人流」の抑制策が「最も重要な取り組み」と述べました。都民と事業者の行動ばかりを強調する、知事の自己責任第一の姿勢の表れです。しかも、十分な補償もせず自粛や休業、営業時間短縮等の要請を繰り返すやり方に、都民は疲れ果てています。東京オリンピック・パラリンピック大会だけはあくまで開催するという菅首相と小池知事の姿勢に厳しい批判の声があがり、中止を求める世論が広がっています。科学的根拠に基づき、都民が積極的に協力できる効果のある対策を打つことが必要です。

 第1に、今夏の東京オリパラ大会は中止することです。開催のために、看護師500人、スポーツドクター200人の派遣が依頼されていることが明らかになりました。「医療現場がさらに疲弊する」と批判を浴びています。五輪開催がコロナ対策と両立しないことは、いよいよ明らかです。開催都市として直ちに中止を決断し、コロナ対策に全力で集中すべきです。

 第2に、科学的根拠と補償の伴う要請をすることです。事業者や施設に対しては、ひきつづき営業時間短縮や休業、酒類提供の取りやめが要請され、疲弊、困窮も限界になっています。これまでの協力金についても審査や支給が遅れ、事業継続や生活に多大な影響が出ており、都内各地から悲痛な声が上がっています。こうした困難は事業者の責任ではありません。東京の経済と雇用を支える中小企業の困難を取り除く、都の支援を強力に行うべきです。
 さらに今回の延長に伴う事業者への要請は、「根拠がわからない」「公平でない」などの声があがっています。劇場や演芸場は、人数上限や収容率、時間制限などはあるものの使用できるとする一方で、映画館、美術館、博物館には休業要請をしていますが、納得のいく説明はありません。休業等を要請するなら、科学的根拠と要請内容に見合った補償・支援が必要です。

 第3に、幅広い都民を対象にした大規模な検査です。緊急事態宣言の発出と延長を受けた二度の補正予算には、検査の強化が含まれていません。しかしこれまでわが党が繰り返し述べてきた通り、感染症対策の基本は、検査により感染者を発見し隔離療養すること、追跡調査を行うことです。
 広島県ではすべての住民と在勤者がPCR検査を受けられるようになっており、広島市と福山市の従業員10人以上のすべての事業所の従業員を対象としたPCR検査も推進しています。こうした取り組みを参考にし、検査を強化していく必要があります。

 よって日本共産党都議団は、以下の項目について申し入れるものです。

【東京オリパラ大会の中止】

今夏の東京オリパラ大会の中止を直ちに決断し、東京都の組織力、財政力、知恵を新型コロナ対策に集中させること。
中止の場合の経費や課題について都民に情報公開すること。
学校観戦は直ちに中止すること。
【臨時議会の開催】

知事が4月以降、7483億円もの補正予算を議会の意見も聞かず専決処分していることは問題です。必要な対策と支援を議論するための臨時都議会をすみやかに開催すること。
【検査について】

医療機関、高齢者施設、障害者施設での定期的検査をはじめとした検査の予算を、7月以降についても措置すること。その際、定期的検査は対象を抜本的に広げるとともに、戦略的検査強化事業の規模を大幅に引き上げること。
都内の在住者と在勤者がいつでも誰でも何度でも無料で検査を受けられるようにすること。
変異株の検査は全ての陽性検体に対して行えるようにすること。また、新たな変異株に対しても民間検査機関も含めて速やかに検査が始められるよう、国とも協力して仕組みを構築すること。また、どのような変異が起こっているかを把握するため、健康安全研究センターの能力を活かしてゲノム解析の実施率を引き上げること。
【ワクチンについて】

ワクチンを接種する医療従事者の確保のための支援を独自に強化すること。
高齢者のワクチン接種の予約が円滑に行われるよう、区市町村への支援を行うこと。
予防接種の案内が点字により行われていない、予診票を本人が記入できない場合に記入してくれる人を探さなければならないなどの声が出されており、ワクチンの案内や予約、接種の実施などに際して合理的配慮の提供を徹底すること。また、そのための区市町村への支援を行うこと。
国内ワクチン開発のためのとりくみを強化すること。
【医療について】

都立病院と公社病院の地方独立行政法人化を直ちに中止するとともに、職員の増員をはじめとした体制強化を行うこと。
コロナ患者を受け入れていない医療機関も含め、経営支援のための財政支援を行うこと。
医療従事者全体を対象とした、再度の慰労金または特別手当の支給を行うこと。
医師会と連携して実施している自宅療養者への往診等の医療支援の取り組みを7月以降も継続し、拡充すること。
【事業者への十分な補償】

営業時間短縮や休業、外出自粛や酒類提供取り止めにより、直接、間接に影響を受けるすべての事業者に対する支援を行うこと。国の一時支援金の上乗せ・横出しを行うこと。
営業時間短縮や休業要請などの対象になっていない事業所に対し、中小企業応援金(仮称)を支給すること。
休業要請や協力依頼した施設に対する協力金は、事業規模に見合った額にすること。
大規模施設のテナントへの協力金は、店舗面積ごとの支給となったが、100㎡未満のテナントに対しても、これまで水準の協力金を支給すること。
協力金等は、申請を簡素化し、体制を強化して迅速に支給すること。
営業時間短縮や休業に係る協力金等は日割りで支給すること。
国に対し、持続化給付金や家賃支援給付金の第2弾の給付、雇用調整助成金のコロナ特例のさらなる延長を強く求めること。
営業時間短縮や休業要請をされている事業者や施設に対する影響調査を、事業者に寄り添い、影響や困難についてよく聞き、事業者支援につなげる立場から行うこと。「罰則」は適用しないこと。
営業時間短縮等に全面的に協力したにも関わらず、さまざまな事情で期限内に申請できなかった事業者に対しても、遡及して協力金を支給すること。
【文化・芸術への補償・支援】

休業要請や協力依頼をする際は、なぜその事業に要請することが必要なのか、科学的根拠を示すとともに、主催団体に事業規模に応じた補償や協力金支給を行うこと。
映画館、美術館、博物館などへの休業要請について、見直すこと。
新たな事業の実施を前提としない、文化・芸術関連団体と関係者の生活を支える特別給付金の支給などの支援をすること。
生活文化局の体制を厚くし、幅広い文化・芸術関係者の実情によりそった情報提供、支援、対応を行うこと。
「アートにエールを!東京プロジェクト」のステージ型、個人型の新たな募集を行い、応募者全員を対象に支給すること。
都立施設の利用料は、営業時間短縮や収容率の制限に応じて減免すること。
【生活と雇用への支援】

コロナ禍の影響による減収や失業などで、住居を喪失した人、住居喪失の危機に直面している人に対し、都営住宅の提供を強化・拡充すること。
住居確保給付金について、都として支給対象の拡大、支給上限額の引き上げ、支給期間の延長を行うこと。
国が行う低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金に対し、都独自に上乗せ、横出しを行うなどして子育て世帯への経済的支援を行うこと。
雇用を守るため、中小企業・小規模事業者の社会保険料雇用者負担への助成を行うこと。
都が災害用備蓄の生理用品の提供を行ったことは重要な一歩だが、継続的な取り組みが必要なため、改めて予算を確保し、区市町村への支援や都立学校での配布等を行うこと。
【福祉施設・事業所への支援】

昨年度、慰労金が支給されなかった保育所など児童福祉施設関係者や手話通訳者、要約筆記者等に対し、慰労金または特別手当の支給を行うこと。高齢者福祉、障害者福祉の従事者に対しても再度の慰労金または手当の支給を行うこと。
高齢者、障害者の入所施設以外の福祉施設についても、感染者が出た場合の職員の確保について、相互派遣の仕組みづくりも含め、支援を強化すること。
以 上

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?