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風のしわざは吉か凶か?
築200年とおじいちゃんは言っていたらしく、伯母は築150年ぐらいと言っている、甲州市にある古民家を引き受けた。正式には私の名義ではなく息子名義ですが。
名義変更したその日、ひさかたぶりに家の様子を見に立ち寄った。家の前のハクモクレンがほころびはじめていて、春の気配はしていたが冬の方が優勢な感じの日。
前回立ち寄った時と違う事が起こっていた。
屋根の「鬼」部のところが前庭に落ちていた。茅葺屋根のところにトタンをかぶせているので鬼瓦とは言えないので「鬼」部とする。しかも苗字が入った凝ったトタンの造作物。
なんでおちたのかな?そう言えば、先日結構な風の日があったなぁと。。落ちた原因をぐるぐると考えた。
元所有者は「矢崎」さん。私と息子と元所有者の矢崎さんの3人で、この落ちた「鬼」部の「矢崎」を囲んでじっと見た。
「また一つ、家のものが劣化した。。。」
私は微妙に暗くなる気持ちを隠しきれなかった。
元所有者の「矢崎」さんは、もういろいろ慣れっこなのか、手続きが済んで少し安堵したのか、それとも私たち親子の微妙な心の動きを読み取ったのか、場を和ませる一言。
「矢崎から次の人に渡ったから、役目を終えたと思って落ちたんだよ!」
だ、だ、だよね!?
150年なのか200年なのかよくわからないけど、矢崎家の家が矢崎でなくなった事で、肩の荷ではなく屋根の鬼を下ろしたのかもしれない。
なんだかよくわからないけど、ジーンとした。引き受けた責任みたいなものが改めて向こうからやってきた感じ。頭の中におじいちゃん、おばあちゃん、母や伯父さん、伯母さんたちの若い頃の事が思いおこされた。
さてさて、この先、この家はどのように人を迎えるようになるだろうか。
まずは、片付けるところから。の前に、田舎生活の必需品「軽自動車」の購入か?!やる事がたくさん。
空き家古民家を引き受けるのは、脳みそフル回転で脳トレになると確信した春のはじめ。