屋敷神の謎とき
最後の投稿がちょうど2年前です。
その間、何をしていたかというと
古民家の活用を探り、いろいろなパートナーさんと画策しておりました。
残念ながらいい経過を辿る事ができず白紙に戻り
また、模索しながらちょっとずつ家をメンテする日々が続きます。
この古民家が全く放置されていたわけではなく、
ご縁に恵まれて「帯締めポップアップショップ」を出店してくださる方がいらっしゃったりと、大リノベする事なく少しずつ人が寄ってくださるようになりました。
この2年間、3階に祀られている神様?!の事をずっと調べておりましたが
なかなか「これ!」という結論が出ずにおりましたが
このたび謎がほぼ解けました。
まず2年前の最初に「本納 矢立石大小天狗御神前」の文言と毎年4月に新しいものが祀られている事で「矢立石」「天狗」のキーワードに関連のあるこの地域の神部神社の神主さんに問い合わせてみましたが、神社掛かりの神事ではないとのお返事でした。
同じく2年前に、この家に残っていた江戸時代からの古文書などを見ていただいた市の文化財保護課の方も「こういったものは、はじめて見た」とおっしゃって他に類似の物がないような事をおっしゃっていました。
機会があるごとに、近所の御長寿の方に聞いても「さあぁ、そんなのがあるのけ?!わからないなぁ」との事でこの地域の行事に関わるものでもないらしい。
たびたび、この家で生まれた伯母に聞き取り調査もしましたが、少し認知症があり聞くたびにちょっとずつ話が食い違いのに難儀しつつも
「高芝山のおてんのうさん(天狗)はあの家の守り神さんだからいつもそちらにむかって家を守ってくれるよう拝んでいるよ。」
「4月には小学校の横の社務所に男しがあつまって天狗山にお参りしていたよ。」
「昔、(この家の)門の前に、えのきの木があってそこに鳥が来てお札を落としていったんだよ。」
というのは毎回お話しするのでした。
「天狗」はどうやら高芝山の天狗らしい?というところまで判明。
えのきの木は家の前の道路が拡張される時に切られて、もう一人の伯母の嫁入り家具にされたと聞きました。
ただ、文字がすべて祖父と伯父の字で書かれているという不思議さに謎がさらに深まる事になっていました。
このお祀りされているものは一体ナニであって、なんの目的なのか疑問が解けないまま3年以上経ってしまっていました。
なんとかならないかと思い、昨年の12月にこの地域のことに詳しく、古文書などを読み解く勉強をなさっている方を紹介していただきました。
早速、屋敷神?!を見てただいたのですがこの方も、明確にナニであるかはわからないようでした。
年が明けてこの方から「見てもらいたい物がある」とお電話をいただきました。
そして見せていただいたのが以下の冊子の中の1ページです。
なんと!高芝山の天狗ではなく松田山の天狗と固有名詞が違うところはあるものの、伯母の話と一致する話ではないですか!
この家に鳥(鷹)が落としていったお札をきっかけに、この家独自の神様をお祀りするようになったのではないかという事です。
家独自のものであれば書かれている字が祖父と伯父の字であるという謎も解けます。
屋敷神かどうか?というのも謎ではありましたが、屋敷神さんである事に違いはなさそうです。
ちなみに伯母の名誉のために高芝山に天狗がいるという伝えは間違いないない記事も発見しました。
さて、しばし途絶えてしまっている守り神の天狗様へのお祀り。
今年4月には、新しい家主の息子がちゃんとお祀りせねばと思っております。