お母さんが、年をとった。
夏の甲子園をテレビで見て、お母さんが泣いた。
山形の羽黒高校が15年ぶりとかに、甲子園に出場した。
山形に住んでいる親戚のお兄ちゃんが、羽黒高校に入学したこともあり
お母さんは野球のルールなんて、全く知らないのに、テレビの前で羽黒高校を応援していた。
ママ「ほらっ!莉亜さんも応援して!」
私「うん。でも、これは今どうなってるの?」
ママ「えっ?・・・2回表って言ってるから、とにかく守るんだと思う!」
私「ふ〜ん。打たせないように、走らせないようにするってこと?ボールとストライクって具体的に何が違うの?」
ママ「えっ?・・・ボールって何ですか?」
私「・・・ルールわからないのに、見てて面白いの?」
ママ「野球は理屈とかルールじゃないの!とにかく応援するんだ〜!」
野球に限らずスポーツはルールがあるから、勝ち負けがあって成り立つものじゃないのか?と思ったが、お母さんが必死に応援するので、仕方なく付き合ってあげた。
結局、羽黒高校は負けてしまった。
大人しくなったお母さんの顔をみると、静かに泣いていた。
私は"ギョッ"として、少し引いた。
私が「ねぇ、大丈夫?」と聞くと
お母さんは「30歳を超えると、高校生の頑張ってる姿で泣けるんだよっ!」
と言っていた。私は年を取るのが少し怖くなった。
でも、野球のことを何も知らない31歳の心をこんなにも動かす「甲子園」はなんか凄いとも思う。
山形県に住んでいる小学4年生です。小説や漫画を読むのが好きで、1年生の頃からメモ帳に短い物語を書いてきました。今はお母さんのお古のパソコンを使って長い小説「皐月と美月の夏。」を書いています。サポートしていただいたお金は、ブックオフでたくさん小説を買って読みたいです。