お母さんは、取材の時は「お母さん」になる。
我が家にはたまに、朝からカメラマンとアナウンサーの人が、家に来ることがある。
お母さんの取材なのだが、私と弟も自然と撮られることになる。
といっても、日常の朝の生活風景を撮りにくるので、私はいつも通り朝ごはんを食べて学校に行く。
弟は、カメラが気になって触りたがったりするが、すぐに飽きる。
いつもは、私より遅く起きるお母さんも取材がある日は早く起きる。
部屋に干してある洗濯物とか、ガチャガチャしたのを押入れに全部突っ込む。
朝ごはんも、ちゃんと作る。
普段はつけないのに、エプロンをしたりする。
なのに、メイクするのを忘れて、結局メイクをしてるところをカメラに撮られたりする。
その辺が、お母さんはやっぱり、お母さんだと思う。
子どもよりも、大人の方が「見られている自分」を意識する。
誰から見られるのかわからないし、結局、誰からも見られていないかもしれないけど
「こういう"私"に見られたいな」と思う"私"を演じているようにもみえる。
私も友達には「明るくて可愛くて頭のいい、莉亜ちゃん」と思って欲しいけど、だからといって、大人ほど頑張れない。
(いま、後ろでこっそり記事を覗いていたお母さんが、「莉亜さん、それだけはどうかやめてください!お願いします!」と必死に頼んでいる。
お母さんは、営業妨害になるというが、どうせお母さんと会ったら、どんな人かすぐに分かっちゃうのだから、変な勘違いに早く気づいて欲しいと思う。)
山形県に住んでいる小学4年生です。小説や漫画を読むのが好きで、1年生の頃からメモ帳に短い物語を書いてきました。今はお母さんのお古のパソコンを使って長い小説「皐月と美月の夏。」を書いています。サポートしていただいたお金は、ブックオフでたくさん小説を買って読みたいです。