お母さんには、人センサーが付いている。
お母さんは、人見知りとか、恥ずかしいとか、そういう感情が、人より少ないらしい。
知らない人の家にも、ためらわずにピンポーンする。
出てこないと、「すみませーん!」と叫ぶ。
「はーい!」と家の人が出てくると、
「あっ!すみません!通りがかった者ですけど、トイレ貸してくださいっ!」とか普通に頼む。
みんな、少し驚きながらも、大体快く貸してくれたりするので、日本人は本当に優しいと思う。
知らないまちで、集まって遊んでる小学生の群れとかにも、自然に入っていく。
ママ「何してんのー?何かいるのー?」
小学生たち「あっ、はい。ザリガニ見つけて…(少し警戒してる)」
ママ「へー!あっ!この辺でオススメの場所あったりするー?」
小学生たち「えっ…どんな感じのですか?」
ママ「んー食べ物屋さん的な!」
みんな、戸惑い恥ずかしがりながらも、それぞれオススメのお店を教えてくれたりするので、私は「変な大人に声をかけられたら、もっと警戒心を持った方がいいよ」と思う。
そんなお母さんは、変な人に声をかけられることも多い。
星の形をしたサングラスをかけてる外国人とか、ボロボロのサンダルを履いた髪が青い男の人とか…
お母さんが"なんか嫌っ!"と思うと、話の途中でも「なんか、もういいや!バイバイ!」と言って勝手に去ってしまう。
お母さんが"この人面白い!"と思うと、「ご飯一緒に食べてく?」とか勝手に誘う。
私は、たまに心配して
私「ねぇ、声かけた人が犯罪者とか危ない人だったらどうすんの?」
ママ「大丈夫!本当に危ない人は、私のセンサーが察知するから!」
私「…そのセンサーは信用できるの?というか、過去に"この人危ない人だっ!"って反応したことあるの?」
ママ「うん!4、5回あるよー!だからママは、まだ生きてます!」
4.5回あるんだ。多いのか少ないのか分からないけど、動物の本能的な感じなのかな…。
でも、お母さんセンサーに反応するかしないかの基準は、誰にもわからない。