書籍紹介:舞台芸術に携わるひと必携の1冊
演劇の仕事をするようになって18年目です。造形表現と児童学が専攻だったので、舞台についての基礎知識をほぼ持ち合わせずに仕事を始め、現場で先輩たちから教えてもらったことを積み重ねてきました。
師匠(先輩)の背中を見て学んだことも多く 必要な遠回りもあったと思うので、系統だった教育システムに出会えなかったことがダメだったとは言い切れません。しかし、ここまでくると「今更聞けない基本のコト」があることも事実です。
そんな折に「舞台技術の共通基礎」の改訂版が出版されていることを知り、購入しました。
読んでみて、舞台公演に関わる上で私は ここに書かれていることを全て知っている必要があった、と思います。足りない部分があり、気づかないうちに現場でスタッフを危険に晒していた可能性がある、と。今まで数多の現場に関わってきましたが、事故がなかったことは単に運が良かったのです。仕事を始めたばかりの頃に出会いたかった。しかし私にとっては出会うべくして出会うタイミングが「いま」だったのかもしれません。なんにせよ、出会えてよかった1冊です。
本当に「公演に携わる全ての人」が一人1冊手元に持っていても良いくらいだと思います。特に、自分が直接担当しない部分のことを読んで知っておくことが、仕事上で非常に役に立つはずです。少なくとも劇団の事務所には1冊ずつ置いて、劇団の構成員に目を通すことを勧めて欲しい。
この本からは業界に慣れないうちは自分の職域以外のところで何が行われているのかを知ることができるし、ベテランの人たちも、新しい情報で意識をアップデートしたり、自身の仕事の仕方を振り返ったりすることができます。そのことが、より豊かな舞台作品の創造につながるはずです。
社会保険労務士である立場から言うと、ハラスメント防止措置や活動時間の把握など、”少し足りないかも”と思う点もありましたが、それはこの本を読んだからです。そうでなければ曖昧なまま見落としていた部分はそのままだったでしょう。
基礎的な知識を身につけること、舞台上の安全は、より働きやすく長く続けられる労働環境を整えていくために大事なことです。
舞台芸術に携わる全ての人へ。お手元に1冊。これから活躍しそうなニューフェイスさんへのプレゼントにもぜひ。↓ここからアマゾンの紹介ページにつながります。
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