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【赤根島】三島由紀夫の小説に出てくる形のいい無人島をてっぺんまで登ってみた!②【静岡県下田市】

下田海中水族館

下田東急ホテルの下から海岸伝いに「和歌の浦遊歩道」を歩いて海中水族館方面へ。水族館の敷地、バックヤードを通り抜けるとそのまま赤根島に上陸です。

茜島は人の住まぬ荒れた小島で、丈の高い松は乱雑に交差し、斜陽は隣の松の枝影をこちらの幹にありありと映していた。

三島由紀夫「月澹荘綺譚」より
森の中に確かに続く道
雑木の茂る赤根島の植生

島は雑木が生い茂っていますが、明らかに人の手で拓かれた道が続いています。坂を登って、降りると視界が開けます。

黄金色の波打ち際

黄金色の砂礫が印象的な小さな海岸。夏にシュノーケリングなんかしたら楽しそうです。しかし今回は水遊びではなく島の頂上へ登りに来たのです。
と、元の道に戻りまた進むとまもなく巨大な石のゲートが!

大迫力!石の洞門

坂をのぼる。坂の頂きに、稲妻形の枝を差し出した大松が二本、左右に門のように立って、その彼方に青空が再び拓ける。その先には岩壁を穿った洞門がある。これをくぐると道は絶えて、岩場の上をかすかに足がかりが伝わり、海燕がさえずり飛ぶ島の南端へ出た。そこは直ちに太平洋に面している。

三島由紀夫「月澹荘綺譚」より

三島由紀夫の小説に描写されたのとまんま同じ情景です。波が何万年もかけて作ったトンネルなのでしょうか。洞門を潜り抜けると、小説の描かれている通り荒磯にぶつかります。岩を伝ってさらに進むことはできそうですが、磯釣りの良いポイントには行けても島の頂上には行けそうにありません。(この日は釣り人はいませんでした)

良い釣り場でありそうな赤根島の裏側
石の洞門を逆から見る

さて、洞門を潜って引き返します。島に入ってからここまでの途中に気になる分かれ道があったのです。それは島の高みに向けくねくねと登っていく登山道に見えました。ちょっと急ですが行ってみましょう。

眼下に海中水族館を望む。結構登ってきました。

島自体が切り立った山のようになっているので、かなりの勾配を登っていきます。さきほどの岩の洞門から磯の方に向かう道は、釣り人が利用するためか、整備されているというほどではないにせよ歩きやすかったのですが、この山道は人があまり来ないのか雑草が伸びて若干通りにくいです。
真冬なのに汗をかきかき進んでいくと、嬉しいボーナスがありました!

赤根島中腹の展望台
伊豆半島の南端で見る夕陽

島の中腹あたりまで登ると崖の上なのでしょうか、パッと視界が開け好展望地に出ました。まぁるい夕陽が太平洋に沈んでゆくのが見えます。
危険な場所なのでワイヤーロープの柵が張ってあります。サビサビですが、人の手が入っている証です。
我を忘れて夕陽に見入りますが、日の短い真冬の夕暮れ、もうこんな時間なのです。ぐずぐずしてたら日が沈んでしまい遭難します(笑)
振り返ると赤根島の頂きが見えます。近いけど、険しそうな。

目指せあの三角の頂!(間に合うの?)

そもそも道はあるのでしょうか?

第3回に続く!

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