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【赤根島】三島由紀夫の小説に出てくる形のいい無人島をてっぺんまで登ってみた!①【静岡県下田市】

皆さんは定宿ってありますか?
うちの夫婦は伊豆の下田が好きで年に何回か旅行に行くのですが、宿泊するのは毎回決まって下田東急ホテルです。

三島由紀夫が愛したホテル

作家の三島由紀夫が昭和39年から昭和45年の最後の夏まで7年間、ここ下田東急ホテルで家族とともにひと夏のバカンスを過ごしていたことは有名です。

下田港の西、小さな半島を隔てた「鍋田湾」というこれまた小さな入江に面した丘の上に建つホテルは全室オーシャンビュー。

中央に見えるかわいい入江が鍋田湾

海水浴シーズンの夏はもちろん比較的温暖な真冬の静謐な海の景色もお気に入りです。

ホテルの客室の窓や温泉露天風呂から望む雄大な太平洋。はるか遠くには新島や式根島などの伊豆諸島が浮かんでいますが、

真ん中に見える三角の島が赤根島

僕が着目したのはすぐ近くにある赤根島という小さな島。下田港と鍋田湾を隔てる小さな半島の先っぽにある島です。

いい形してると思いませんか?

そんなこと考えるの僕くらいでしょうが…

とんがった頂上からはどんな景色が見られるのでしょうか?360°のパノラマが期待できるかも知れません。
島の根元には下田海中水族館があり、それを建設した関係なのか知れませんが実質的に地続きになっているので徒歩で渡れるのです。
なのですが、ネットで調べても釣りの話は出てきてもこの島の頂上に登ったという記事は出てきません。僕がレポート第一号になるのでしょうか⁈

あとこの島、三島由紀夫の小説にも登場してくるのです。下田を舞台にした短編「月澹荘綺譚」です。

私は去年の夏、伊豆半島南端の下田に滞在中、城山の岬の鼻をめぐる遊歩道がホテルから程よい道のりなので、しばしば散歩をした。(中略)
その入江が、岬の鼻に近づくに従って、次第に荒々しい荒磯(ありそ)になる。長大な岩が蝕まれ、大きな破壊のあとのように乱雑に折れ重なっている。岬の突端の茜島へ渡る茜橋のところまで来ると、そこで初めて強い東風に当った。

三島由紀夫「月澹荘綺譚」より

小説では茜島とされていますね。さっきも言ったように地続きになっているので「茜橋」という橋も存在しませんが。

僕は隠れ文学少年なので作家のゆかりの地や舞台になった土地を訪れる「文学旅行」が趣味なのですが、マイナー作品ながら大好きな三島由紀夫の小説に出てきた島を探検したいという欲望を抑えられなくなりました。

というわけで、ちょっとした散歩のつもりで出かけたのですが、まさかあんな大変な思いをするなんて…

第二回に続く

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