【脳梗塞】経鼻栄養の母、入れ歯の保管どうする問題。

私は50歳。
自分が入れ歯ではなく、どうやって歯の入れ歯を管理していくのか分からなかった。

急性期の病院では、好転した場合のために、室内履き用のマジックテープ式のシューズ、入れ歯など入院セットに加える様に指示があった。

約ひと月後、転院手続きする頃には、母の症状もいったん見極めがあって、転院先もリハビリ中心の回復期用の病院ではなく、医療ケア(経鼻栄養+α)の病院からの選択肢だった。退院の理由が、ほぼ死亡によるもの、と言う事実をあとでググって知る私。

ー生きて退院する事がほぼないー
そう言えば、いろいろ説明を受ける際に、希望を持たせる説明を避けていた様な印象と合致した。

少なくとも、以前と同じ様な生活が戻る事はない。
そこは私も腹をくくった。2階にあった母の部屋の荷物を整理しはじめた。

まず、最初に手をつけたのが、ベッド。
倒れた時にベッドの上で座ってる状態から、ベットの上に仰向けに倒れ、そのまま時間が経っていたので、ベッドマットに失禁の痕跡があった。7月でこれから夏本番、と言う時期だったので、取り急ぎマットのパット部分を裁ちバサミで切り取り、ある程度の大きさに切り刻んで、燃えるゴミとして捨てた。ベットも電動のものに少なくとも買い換える必要がある、そもそも2階は無理だろうと、2週間後にはベットも解体して粗大ゴミで回収して貰った。

スペースが出来た部屋で、少しずつ洋服も整理し、捨てている。
自分で着替えられる前提の服は、買い換えが必要だと思ったから。

いったん覚悟したつもりだけど、自分が母の日にプレゼントした服やカバン、日傘、化粧品が出てきたり、母と重なる。泣きながらゴミ袋に詰めた。
結局、ベッドとかは捨てたものの、仕事が忙しかったのもあり、3ヶ月経った今も母の部屋に広がったままである。コートとかジャケットは捨てられるけど、完全オムツと導尿なのに、下着やパジャマはまだ着れるんじゃないか、と言う思いが捨てられずにいたり。まだ、現実を丸ごと受け止める心の準備はできていない。

入院してる病院では、長期療養が前提で、部屋でのヘアカットや週1の歯科医による口腔ケアも対応している。初回の歯科医によるケアのあと、電話で今後のケアの希望について歯科医からのヒアリングがあった。

そこで、表題の入れ歯をどうしたら良いのか尋ねた。
よく、1週間外すと骨などの変形で入れ歯が合わなくなる、からそもそも保存の必要があるのか。よく入れ歯洗浄剤的な水溶液に入れ歯を保存している印象があるけれど、乾いた状態で保存して良いのか。

入れ歯が合わなくなる、はその通り。と言われた。心情を悪くするかもしれないが、と言葉を選びながら歯科医の言葉は続いた。

亡くなった時に、必要になる場合がある、とのこと。
入れ歯が入っていないと、知ってる顔でなくなるからだ。ただ、その場合も、亡くなって1時間とか死後膠着がはじまる前に装着出来ないと入らなかったり、その日のためだけに、入院してる病院は入れ歯を預かってはくれないだろう、と。
また、Amazonで死体用の入れ歯も売ってる、と言う情報もいただいた。

心情を悪くするかも、とは言うけれど、お陰で選択肢が増えたので私は有り難いと思った。と、歯科医に伝えた。こうやって、変に期待が大きくなり過ぎないように、少しずつ現実を受け入れるように、と情報の内容から悟るしかない状況である。ずっと同居していた私や家族にとっては、どんな母の顔も受け入れられる。入れ歯の保管はしない、と決断できました。たぶん、火葬するときは箸入れるんだろうな、私、とだけ思った。

続くかも。

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