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人生を豊かにする茶籠という遊び

茶籠、或いは茶箱と呼ばれるものが有ります。
お茶を点てたり、淹れたり出来る道具を纏めて籠、或いは箱に入れたものです。持ち運びを前提にしたもので、籠に入れることで安全に手軽に道具を持ち出して、お茶を楽しめます。

近年、様々な婦人誌などでも特集されることがあり、様々なセットが組まれて販売されています

私も茶籠を持ち出して、お茶を楽しむ時があります。
私の場合は、どこかを訪問する時に迎えて頂いた方へのお礼の意味でお茶を点てたりすることが多いです。ロンドンのお宅に招いてお食事をご馳走して頂いた後に。台湾で台湾茶を振舞っていただいたお返しに。日本でバーベキューをした後のちょっとした休憩に。
自分で組んだお気に入りの道具を持っていくと、お茶を点てている間は、その場所が別の空間になったようになり、皆の心もぐっと近付くようで、とても楽しい時間です。

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しかし茶籠で何より楽しいのは、そこに入れるモノを考えて選ぶ過程。その時間です。ある方の一言が、この茶籠の楽しみをとても大きく拡げてくれました。
その方は
「茶箱を母からプレゼントされたので、自分が人生のなかで出会う人たちの作るモノを、ひとつずつ時間を掛けて茶箱に入れていきたいたいのです」
そう言って、まずは茶盌から。と、私の作った茶盌を最初の道具に選んで頂きました。
私は、なんて素敵な考えだろうかと思いました。
茶籠は完成していなくても楽しい。或いは完成などしないのかもしれない。

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一つの茶籠があると、そこに何を入れよう。どんな道具が入ったら楽しいかな。そんな思いで出会うモノを楽しみにずっと選んでいられる。
旅をしていてもそれがあると、いつそんなモノに出会うだろうという別の楽しみができます。

誰かが素敵に組んだ茶籠を手に入れるのも良い。
でも、茶籠に入れるモノをいつも気にかけてワクワクしているような心持はなんて素敵な人生だろう。

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