刀工無給の謎 の巻
さて、今回の「刀工の弟子募集、ブラック案件問題」。
多くの皆様からその労働条件の劣悪さに批判を集めているところ。
上記の弟子の募集要項、労働基準法的な問題個所を列挙するとこんな感じ。
とブラック企業経営者は目を輝かせ、
奴隷はNo!Nooooooo!!!!と
悲鳴を上げるブラックを超えた漆黒案件なんですが………
いや驚いたね。出来るよ、法的にも問題なくね。マジマジ。
恐らく、気付くのはフリーランスの方かな。まま説明は後述します。
そうなると「労働基準法は!?」と疑問に思うわけだが、
大丈夫。それも正しい。
一方刀鍛冶(以後:刀工)さんがいう「無給」等も、
法的に問題はないし、実は正しいんだ。
矛盾したこの2つについて、説明していこう。
Q.なぜ無給等が問題ないの?
A.弟子を「個人事業主」にして、請負契約させているから。
要するに【師匠を雇用主、弟子を労働者と】いった労働基準法に
則った雇用契約ではなく、弟子を「個人事業主」にして、
師匠から業務の請負契約をさせるわけだ。
で、請負契約で「無給」等の酷い労働条件を結ばせるわけだ。
弟子は個人事業主なので、酷い契約でも契約した責任が
発生するわけで請け負った以上は、業務を遂行しなければ
契約違反になるという話なのよ。
恐らくこのカラクリに一番最初に気付くのは、契約書が全ての
「個人事業主」、所謂フリーランスの方じゃないかなと思うよ。
んん?
「倫理的に酷すぎるだろ!」って??
「なにその糞みたいな話!?」って???
はい、そこ。騒がない。でも、その通りだゾ。
「刀工、酷すぎる!」って思うかもしれないが、
実は刀工の皆さんは全日本刀匠会の言っている事を
そのまんま言っているだけだったりします。
【全日本刀匠会】 刀鍛冶になりたい方へ(Link)
https://www.tousyoukai.jp/want/
ただ、全日本刀匠会も
「弟子入りは、就職ではなく技術を学ぶために
専門学校に通う様なものだと考えてください。
実際には、様々な仕事を手伝うことで作刀技術を
学んでいきますので、授業料は不要の所がほとんどです」
とこの辺は(解ってて)ボカしているのね。
悲しい事に刀工さん達は
「労働基準法?師弟関係だから雇用契約はないの!」
って前述の個人事業主の話を理解せずに述べているんじゃよ。
あと、労働基準法から見ると、奴隷のようなあの酷い弟子の募集要項の
「無給、1日8時間以上の労働、5年の経験、アルバイト許可制」
も、全て全日本刀匠会が刀工さんに対して要求事項だったりする
のだけれども、刀工さん達はなぜそれを言わねえよ?
「全日本刀匠会の基準に沿って、
弟子の募集要項をまとめました。」
の一文があれば、刀工さんが炎上することはなかったゾ?
まとめるゾ。
「労働基準法違反?」
: 労働基準法から見ると一般的な師弟関係(徒弟制度)で
あればNG案件。労働基準法69条違反が確定。
ただし、弟子を個人事業主にして、
無給で1日8時間勤務の契約を結ばせれば、
労働基準法69条違反は回避できる。
「無給等は全日本刀匠会が言っている事を
オウム返ししているだけ」
: 全日本刀匠会が率先して、無給の言い訳をするとか
世も末よな。タダ働きを正当化するな。
1日8時間勤務を5年継続、アルバイト許可制は
全日本刀匠会の刀工になるための基準。
業界が縮小の原因ってこの全日本刀匠会の基準やろ。
最後に雑感。
刀工さんは
・全日本刀匠会の基準をちゃんと説明して?
・なぜ無給で通るのかを理解して喋って?
・勝手な事を仰っている、じゃねえよ。
なら理路整然と何が勝手じゃないのか言えよハゲ。
としか言いようがない…。
一般人の皆さんは
・労働基準法に当て嵌めるとおかしいけど、
労働基準法を回避している。
・ってのを刀工が理解していない。
という認識で大丈夫です。
長文書いて疲れたっす。
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