見出し画像

[一級建築士学科試験]私の法規勉強方法

一級建築士学科試験ので30点の配点を持ち、合格のかなめとなる法規。ここでは、法規にかなりの苦手意識を抱いていた私がどうやって本番試験27点獲得するまで力をつけたのか、書いていこうと思う。

まず、私がいったいどれくらい法規を苦手としていたか。日建学院は3月ごろに各科目10点満点の中間試験が実施される。私はちょうどその中間試験の日、池袋校転校初日だった。中間試験の問題は全て今までの小テストから出された選択枝だったのか、法規以外はすらすら解くことができた。しかし、法規だけは10点満点中5点。半分しか得点できなかった。中間試験はそれまで授業で網羅した範囲からしか出題されない模試だったため、余計に「これはやばい」となった。

中間試験までで習った範囲は、ざっと用語の定義と防火関係の内容。用語はまだどうにかなったのだが、防火関連の授業を修論提出のせいで1回休んでしまった私は、結構後になるまで防火がちんふんかんぷんだった。日建学院は中間試験の後、講師、担当職員、本人の三者面談が行われる。そのタイミングで法規の勉強方法を講師に聞いた。その時に言われたのは、
・法規はなかなか点数が伸びにくい。反面、一回習得すれば安定した得点源になる。
・基準法と施行令はセットで引く。慣れれば、この法文はこの施行令、と紐付けが自分の頭の中にされる。
この2点だった。

講師が言っていたことは全く正しい。しかし、私に法規の基礎がなってなかった当時の私には響かず、「で、結局どうすればいいわけ??」ピンとこないまま、面談は終わってしまった。

その後の法規はまさに暗黒時代。特定の問題は解ける。だが、少しでも出題方法を変えられると全く歯が立たない。そもそも解ける問題は暗記してしまった問題で、法令集はほとんどめくっていなかった。法規の試験は度々時間との勝負だと言われるが、私にとっては5月くらいまで時間が余って余ってしょうがない科目だった。

4月の初め、社内模試として、同期全員で総合資格の模試を受けた。その模試で30点満点中20点くらいを取れた気がする。もちろん運で的中した問題込み。本試験まで後3ヶ月あるし、別に悪くないかな、とポジティブに受け取ったのだが、そこから全く点数が伸びない。5月中旬くらいまで20点前後を行ったり来たり。

総合資格の会社担当者からは、構造と法規で合わせて50点以上、確実に取りましょうと言われていた。構造は得意だったが、どうしても25〜28点しか取れない。本番調子の良し悪しもあると思うと、法規でも25点は欲しいと思った。

5月、ゴールデンウィークが明けてから、私は東北支店の同期3人と一緒に仙台にある支店ビルで勉強を開始することになる。資格学校は4人中日建2人、総合資格2人とバランスよくばらけていた。日建学院は本試験のおよそ1ヶ月前に全範囲の学習を終えるのだが、総合資格はそれよりも1ヶ月終了が早かった。そのため5月半ばからは総合資格に通っていた同期がめきめきと点数を上げ始め、日建組もそれに置いていかれまい、と奮闘していた。

この時期から、会社の方で手配してくれていた授業が始まる。東京建築支店と関東支店の同期は、総合資格新宿校で対面授業。それ以外は各支店(関西はどうやら梅田校だったようだ)に集まって、各自パソコンからzoomを繋げて授業を受けた。講義の内容は、法規ががっつり5回か6回、他は1回ずつくらいだったと覚えている。私の法規得点が上がったのは、この授業のおかげだと断言できる。

5、6回じゃどうにもならんだろ、とスケジュールを受け取った時は思っていた。ところがどっこい、一日中みっちり、およそ8時間も授業をしてくれる。5回×8時間、40時間以上のたっぷり内容だった。授業中はほとんど講師と一緒に法令集を読むだけ。授業を受けて、いかに自分が法令集を読めていなかったか、自覚することができた。日建学院の映像授業では、モニターの前で講師が授業する映像を見ることになる。そのモニターには法令集の内容が映されているのだが、講義ではただ講師が口頭で「基準法〇〇条を見てください」と言うだけ。実際は全くスピードについていけなくて、講義中は法令集をめくれていない。なんでページ数を言ってくれないのか?と何回も感じた。受講者全員が、日建の配布した同じ法令集を使っているわけなのだから、ページ数を教えてくれと。法令集は毎年改訂されるため、映像を毎年使いまわすためにわざとページ数を言わないのではないかと邪推してしまうほどだ。

会社が講義を委託した総合資格は、かなり人気のある講師をアテンドしてくれたのだと思う。講義中に使う資料としては、テストとして講師お手製の小冊子、それからみんなが持っている各自の法令集だけだった。講義時間内は基本的に講師が法文を読み、お手製小冊子を使いながら解説してくれるのを聞くだけであった。講義終盤にその日に読んだ範囲の問題を解いた。

法令集音読講義と同じくらい効果が効果があったと感じるのは、「過去問トレーニング」。これは過去問を分野ごとに分けた○×問題としてまとめた問題集だ。一般的な法規の問題集はもちろん本試験と同じく四枝択一で出題されている。それを解いて勉強することももちろん大切なのだが、まだ法規力が一定の力に達していない受験生にとっては簡単にいうと難しすぎるのだ。前にYouTubeでこのように例えている人がいた。「『メロンは丸くて、青くて、甘いです』この中で間違いは『青くて』の部分です。このように間違いの部分を発見する目が必要です。」個人的にこの例えは秀逸で、問題を多く解くことで、問題ごとの間違いに入れ替える部分・単語がわかってくるのだ。しかし一般的な四枝択一形式の問題集では同じような枝にで会うのに、何問も解く必要があり、それにたどり着いた時には前の詳細はほとんど頭にないのである。分野ごとにまとめられた○×問題であれば、同じような文章の枝を何個も連続して解くことになる。これによって間違いに差し替える部分を把握できるようになるのだ。

6月半ばにこの「過去問トレーニング」を全て解ききり、それ以降25点以上を安定して取れるようになったと覚えている。それ以上点数を上げるためには関係法令を引けるようになる必要がある。関係法令は問題自体は難しくないものの、範囲が広い。毎年必ず出る問題もないため、勉強する際は全体的に目を通すことを薦める。間違っても完璧にする必要はない分野だ。

本番、蓋を開けたら27点取れたのだが、試験が終わった時はとても落ち込んでいた。全然解けた感覚がなかったからだ。令和4年の本試験は、最後の方に初見の出題方法で2問出されていた。結果私はその2問とも落とした。それが解けなかった感覚だけが自分の中に残ったのかもしれない。

法規とは真逆に、1点でも低かったら足切りを喰らっていた計画では、試験中解けなかった感覚はなかったため、感覚は全くもってあてにならないのだ。むしろ一発目の計画で、解けなくて落ち込んだまま他の4科目を受けるよりよっぽど良い。結果は試験を受けている時はわからない。もし受験生がこれを読んでいるのであれば、私はこう言いたい。最後まで全力投球するべし。後悔することなかれ。

いいなと思ったら応援しよう!