主婦の学校
2022.2.16@シネマクレール
観たことを忘れてしまうところだった。そのくらい何も起こらない穏やかなドキュメンタリー。(だって家事だもん笑)
アイスランドは世界一のジェンダー平等の国。その首都レイキャビクで1942年から今に続く「主婦の学校」とはどんな学校?
「『屈辱』とは感じなかった?」1990年代(だっけ?)に入学してきた男子学生に、トイレ掃除の実習後、校長が尋ねた言葉。
それが逆にびっくり。でさえそうだったんだ〜・・。
主婦、家事、・・呪われた仕事。いくらやっても当たり前。できてないと情けないと言われる。自分が自分に。一生ついてまわる、生きると同義の仕事なのに〜。なんで女だけが!!!
しかし、ここアイスランドでは今は男女共学で学ぶわけですよね。
卒業生の男性がインタビューに答えて言います。「ちゃんとやり方を学べば誇りを持てる」「適当にやっているとどうでもいい仕事になってしまう」みたいこと。(家庭科の時間をもっと増やそう!!)
そして彼は人生で困難にぶちあたると、ここのことを思い出すそうです。なぜかしら。
「生きていくのに必要かつ十分な知恵と技はここで学んだ」からか。おお、うらやましい。
この映画を観た日本人が「わたしもこの学校に行きたい!」と思う(らしい)のも同じ理由かな。
日本にも深くて潔い家事の知恵も技もあるはずだけど、それを学ぶ学校はないんよな〜。
なんかこのアイスランドの家事の学校は、白亜の3階建て邸宅でロマンチックなんよね。ベリー摘みに行った先はヒースで木もなくめちゃ寒そうなのに。(ひるがえって日本の自然の豊かさよ)
家具調度は趣があり、刺繍や編み物、洋服づくり、洗濯の仕方からアイロンがけも。保存食の作り方もならうけど、おもてなし料理もバッチリ習う。毎日ランチはフルコース。家族を招いてのパーティは夜が更けるまでワイン片手に語り合う。
全く批判しているつもりはなく、ただただなんで欧米は豊かに見えるんだろう。なんで日本って高層ビルや工業製品はあってもいまだに家は狭くて隣の家とくっついてて、モノだらけの貧しい感じなんだろう。家事を優雅に整然とこなす技と心得を身につけたら、うちの狭い家も美しくなるのかな〜。