エンタメ業界の生まれ変わり~成長中のエンタメ市場Mリーグ~
こんにちは!
HORSMARTの佐藤です。
エンタメ業界の生まれ変わりと題して、前回のコロナによるニーズ変化に続いてコロナ渦で成長中したエンタメ業界、その中でもMリーグを見ていきたいと思います。
Mリーグ(麻雀)
Mリーグは、サイバーエージェントの藤田晋社長が設立した麻雀のプロリーグです。
グラビアアイドルとしても活動する女流雀士から、還暦を超えた老獪なベテランまで、幅広い層の選手たちが8チーム(23年度から9チーム)に分かれ、約7カ月に渡る長期戦を行い、日々しのぎを削りあう、競技麻雀のナショナルプロリーグです。
このMリーグはこれまでの麻雀プロリーグ団体と異なり”観る麻雀”の楽しさを植え付けた大きなムーブメントだったと感じています。
ワールドカップの日本戦がAbemaで放送され1000万人以上の視聴者数を記録したことは有名ですが、Mリーグのファイナル戦では300万人以上の視聴者数を記録しており、世界で一番人気のスポーツ、サッカーと比較して3分の1まで迫ってきています。
また、麻雀をやりたいと考える人もMリーグ発足以降順調に増加しており、これまで麻雀に触れたことがない人達にも広がりつつあります。
2018年のMリーグ発足からたった5年で驚くべき成長ですが、
なぜこれ程までに人気になったのでしょうか?
そのポイントについてみていきたいと思います。
①クリーンブランディング
まず一つ目がクリーンなブランディング戦略です。
Mリーグが最も大切にしている部分でもあり、理念にも入っているのが
”麻雀に対する負のイメージの払拭”
これまでどうしてもギャンブルの一つとして捉えられがちで、
映画では反社会的な人達がやっている娯楽という演出もあったほどでした。
しかし、これでは麻雀をスポーツとして広げていくためには多くのファン層を失ってしまいます。
その為、Mリーグはギャンブルとしてのイメージを払拭するために、
ゼロギャンブル宣言を打ち出し、Mリーガー(選手)達にオンレート(金銭のやり取り)での麻雀を禁止しました。
このようなクリーンブランディングは”企業スポンサーの獲得”に大きく貢献したと思います。
実際、Mリーグのスポンサーとして初年度から大和証券、2年目から朝日新聞社と大手企業の獲得に成功しました。
各チームのスポンサーにも大手企業が多くスポンサーしており
Mリーグの成功ポイントの一つになりました。
②新規層ターゲットにしたコンテンツ作り
そして二つ目が新規層ターゲットにしたコンテンツ作りです。
ここがコロナ渦におけるニーズの拡大に大きく合致したと考えています。
麻雀を新規層に拡大していく事で大きな障害となるのは
そのルールの難しさにあると思います。
サッカーや野球のように、ボールを打つ、ゴールに入れる等分かりやすい形ではなく、多種多様な牌があり多種多様な上がり役があるため、初心者の方には何が何だか分かりません。
そこでMリーグが工夫した点は実況解説です。
これまでの麻雀対局放送でも実況解説は存在しましたが、どちらかというと玄人寄りで麻雀を知っている前提の解説が多くを占めていました。
しかし、Mリーグでは徹底的に麻雀を分かりやすく、専門用語は嚙み砕いて説明をしていく事で麻雀をやった事がない方でも見てるだけで楽しくなるようにしています。
昨年から実装された画面内にテロップで専門用語解説等が出るのも、この麻雀ライト層に向けたものです。
また、新規層に向けて応援したくなる要素を作っているのもポイントだと思います。
最初の方にも記載しましたが、Mリーグでは若手からベテランまで選手の幅がかなり広いです。
決して完全実力主義では選出しておらず(私見です)、いわゆるイケメン、美人等、画面映えする選手も多く選出しているように感じます。
Mリーグの意図も同じだと思います。
というのも、各チームに必ず女性を一人入れるというルールがあります。
女性をチームに加え、画面映えさせていく、新しいファン層を獲得していくという理解です。
これはどのスポーツでも言えることですが、エンタメとして広く認知される為の入り口としては非常に重要で美人選手、イケメン選手等はスポーツの垣根を越えて注目されやすいです。
このような徹底的な新規層向けのコンテンツ作りはコロナ渦で在宅時間が増加して、暇だな~と思う中で新たに観る物と上手く合致したと思います。
③チーム戦としての魅力付け
最後の3つ目はチーム戦という魅力付けです。
これまで、麻雀は”個人競技”として捉えられており、○○人1組で大会を戦う概念は存在しませんでした。
しかし、大きな一石を投じたのがMリーグでした。
基本的に、スポーツはチーム戦の方が人気が高いです。
世界のプロスポーツリーグの市場調査によると、TOP10に入っているのはアメフト、バスケ、野球、サッカー、ホッケー、野球、ラグビーとなります。
どの競技もチームスポーツです。
また、このランキングに入っていない所で人気のスポーツでいえば卓球やテニス等の個人競技があると思いますが、どちらも団体戦の形式はありますのでチームとして競技することも可能です。
このような前提の中で、Mリーグは4人1チーム制、女性を必ず一人入れることを条件としたチームスポーツとして確立しました。
結果は個人は勿論、チームとしてのファンもつくことになり、チームの選手が他のチーム選手を応援する場面等、新しいドラマを作ることになりました。
チームスポーツとして確立した結果、多くのファンを獲得することに成功したと思います。
まとめ
今回はコロナ渦で成長したエンタメ業界の一つとしてMリーグを取り上げました。
上手くコロナの在宅需要に合わせて新規層向けに応援したくなる要素を作り、スポンサーもブランディングによって大きく集めた。
というのが成功した理由だと考えています。
次回は他の成長したエンタメ業界を取り上げていきたいと思いますのでよろしくお願いします!