エンタメ業界の生まれ変わり~成長中のエンタメ市場 公営ギャンブル~
こんにちは!
HORSMARTの佐藤です。
前回公営ギャンブルの競馬についてまとめました。
上の記事内でコロナ渦の在宅時間が向上する事で、競馬ニーズも向上したことに触れましたが、それは他の公営ギャンブルにも同じことが言えます。
実際、CMやSNS上で競輪、競艇、オートレース等を目にすることが増えたように感じませんか?
そこで、今回はコロナ渦で成長した公営ギャンブル業界(競馬以外)の成長状況やその要因をまとめていきたいと思います。
競艇、競輪、オートレースの市場推移
競艇の売り上げ推移
競艇は2012年9176億円だった売上が2022年には2兆4142億円と約3倍弱の凄まじい成長具合。
特にコロナ渦の2020年の伸び具合が顕著です。
2021年にはそれまでの過去最高売り上げを更新。
過去最高記録は1991年の2兆1237億円でした。
まさにこの年はバブル絶頂期であり、この年にバブル崩壊したことにより1992年以降は売り上げは下降推移となってしまいました。
競輪の売り上げ推移
競輪も1991年が過去最高額の1兆9500億円でしたが、そこから下降推移となりましたが、2021年に大きく売り上げを伸ばし、10年前の2倍程度には成長しています。
また、20年ぶりに1兆円を突破しており、コロナ渦で売り上げを大きく伸ばしました。
オートレースの売り上げ推移
オートレースも過去最高売り上げは1991年の3497億円。
同じように下降推移を辿りましたが、2020年に売り上げを伸ばすと、2008年以来の1000億円台を突破しました。
ただ、競輪程の飛躍的な売り上げ回復は見せておらず、ボートレース、競輪と比較するとコロナ渦で成長具合は見劣ります。
なぜ成長できたのか
こうして、公営ギャンブルを見ていくと、
競馬は前回纏めましたが飛躍的に成長を遂げ、その時点で競艇。
この2競技の売り上げ伸び幅が大きく、競輪とオートレースはやや遅れをとっています。
元々の認知度の大きさや、売上額の大きさ等の影響はあると思いますが、コロナニーズで全体的に成長した以外で競馬、競艇は優れていた部分があるという事です。
競艇は競輪、オートレースと何が違ったのでしょうか。
Youtube活用
下はわずか一例ですが、
・競艇場公式Youtube内でインフルエンサーや芸能人を呼ぶ
・競艇系Youtuberとコラボ
こうした活動は公営ギャンブルの中で一番積極的に実施しているのが競艇です。中央競馬はそもそもレース映像を使うことは禁止していますのでYoutubeで一般人がYoutuberとして競馬場内で放送することなどは出来ません。
また、地方競馬は近年、競艇を模倣し増加してきましたがその数は競艇と比較するとまだまだ見劣ります。
競艇のこうしたYoutube活用はコロナ前から開始されたという時期感も丁度良かったといえます。
YouTubeで人気のボートレース関係のチャンネルは、多くが2017年〜2018年というコロナ禍直前に立ち上がっており、チャンネル登録者数26.4万人の「ボーターズ」は2017年6月20日にチャンネルを開設。
また、ボートレースファンの間で広く知られているお笑い芸人「千鳥」の大悟さんの「4カドの峰は峰なんよ」というセリフは、2018年9月放送の「相席食堂」で発せられました。
競輪もコロナ後半年~1年ほどでこうしたコラボが多くなりましたが、出遅れ感がありコロナ渦初年度の売り上げは微々たるものとなりました。
一方で、競艇はコロナ初年度から大きく売り上げを伸ばしている所を見ると
コロナ渦で新規層を獲得した流れは以下の通り。
パチンコスロット層がコロナ渦で他のギャンブルがないか探す
↓
YoutubeやSNSで探すと競艇が楽しそう
↓
競艇をネット投票で実施
↓
公式放送を見ながら一緒に楽しむことでファン化が促進
この流れをうまく獲得できたイメージが競艇です。
初心者向けの公営ギャンブル
そして競技特性になってしまうのですが、競艇が6艇による競走が常であり、「競馬」のように多くの馬から着順を当てる必要がない。
簡単に言えば6つの数字から2つ、あるいは3つを選んで当てれば良いというわけで、そもそも当たりやすいという印象があると思います。
その上、基本的にはインコースが有利という分かりやすい競技特性があり、初心者でも馴染みやすいということも功を奏しました。
まとめ
今回は競馬以外の公営ギャンブルの市場推移、そして競艇が他と比べて一躍成長できたのか、という事を見てきました。
コロナ渦で上手く新規層を獲得できた一方で今後反動が来ることは間違いありません。コロナ渦で出来なかったエンタメ(旅行、遊園地、ライブ等)が明確に息を吹き返しつつあります。
競艇は上手くファン化出来たので下落幅は僅か、もしくは現状維持。
ただ、中央競馬も含めた公営ギャンブルは2023年度売上が減少する可能性が高いと見てます。
そこで必要になるのはエンタメミックス。
記憶に新しい日ハム新球場が野球以外も含めたエンターテイメントパークとして好調を維持しているように、他のエンタメと交えた公営ギャンブル競技以外の価値提供が必要になります。
既に競輪では佐世保競輪場を大規模改修する予定であり、
船橋競馬場でも2025年春にオープン予定の大規模リニューアルが実施されています。
こうしたエンタメミックスを踏まえて、淘汰されていく中で
再び下降推移を辿らない公営ギャンブルとなってほしいと思います。
では、また次の記事でお会いしましょう!