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2023年度引退競走馬杯(RRC)出場馬の傾向

こんにちは、HORSMARTの佐藤です!
今回は題名にもある通り、RRCの出場馬の傾向を纏めました。

RRCの詳細説明は下記noteに記載しておりますのでご覧いただければと思いますが、引退競走馬限定の馬術大会であり、引退競走馬が今後馬術界で活躍するための登竜門ともいえる大会となります。

障害、馬場、総合3ジャンル競技で年末の馬事公苑開催に向けて各地方で予選が行われている最中で、本日までに障害馬術は7競技、馬場馬術は2競技、総合馬術は1競技が終了しています。

出典:公益社団法人 全国乗馬倶楽部振興協会2023 RRC(Retired Racehorse Cup・引退競走馬杯)
https://www.jouba.jrao.ne.jp/rrc/2023/

そんな既に終了している競技に出場した計276頭(重複出場馬は除く)の傾向をまとめましたので障害、馬場、総合で分けて見ていきたいと思います。


障害馬術

2023年7競技で218頭が出場しました。
その218頭を”父”と”母父”血統で傾向を見ていきます。

血統傾向(父、母父)

5頭以上輩出した種牡馬をピックアップしました。

最多を誇ったのはディープインパクトで、その次点としてハービンジャー、キンシャサノキセキとなり2021年多かったハーツクライ、ヴィクトワールピサは共に4頭となりました。
とはいえ、繁殖の絶対数の問題がありますので、本大会に出場した3歳~15歳世代に限定して血統登録頭数における本大会出場種牡馬の割合が下記となります。

割合で見ると
キズナ>エピファネイア>ディープインパクト
となり、キングカメハメハやブラックタイド、クロフネが0.6%を切る数字です。

次に母父で見ていきたいと思います。

母父にするとガラッと景色が変わります。
最多はクロフネとなり、父最多のディープインパクトは3位タイとなります。
母父の産駒数を計測することは少し難しい為、AEIで競馬の母父成績と引退競走馬杯出場が相関するのか見たいと思います。

※AEIとは産駒の獲得賞金が平均値(1が平均値)よりも大きい場合、平均以上に産駒が賞金を稼いでいて、1より小さい(0.xx)の場合には獲得賞金が平均より少ない、ということが分かる指標の事。

サンデーサイレンスは絶頂期で2を記録するほどの時もあったことを考えると1近くは取れている種牡馬が多い事が分かります。

種牡馬出場頭数で上位に挙がり、ここに名前がない馬で見ると
ブラックタイドは0.6~0.8
タニノギムレットは0.4~0.8
キンシャサノキセキは0.4~0.64
ハービンジャーは0.2~1.2

ハービンジャーはここ2年で急速にAEIを挙げてきているので頭数も増え引退馬杯に出場頭数を増加させるかもしれません。

とはいえ、基本的には低くAEIの数字と出場馬への相関は一定ありそうです。(AEIが良い→産駒増加で母数が増えるとも言えます)

馬場馬術

2023年馬場馬術競技では現時点までに全2競技で35頭が出場しました。
(重複出場馬を除く)
障害馬術と同じく血統面で傾向を見ていきます。

血統傾向(父、母父)

母数が少ない為、2頭以上輩出した父馬で選出しています。

サンデーサイレンス系が多いのは競馬でも馬術でも変わらない傾向ですが、特徴は思ったよりもキングマンボ系が多い事。
6頭中4頭がサンデー系で残り2頭(キングズベスト、エイシンフラッシュ)はキングマンボ系になります。


出場割合で見ても、エイシンフラッシュは唯一0.53%を上回っています。
どうしても障害馬術は出場頭数が多いので1%が基準値だったことを考えると見劣りしますが、ディープインパクトの0.15%と比較すると高水準だと考えられます。

次に母父を見ていきましょう。

母父はかなり分散したので2頭以上輩出が4頭のみと少なくなりました。

特徴はミスプロ系(ストリートクライ、キングカメハメハ)が2頭入っている事でしょう。
どれもAEIは高いので相関も考えられます。

総合馬術

2023年馬場馬術競技では現時点までに全1競技で23頭が出場しました。
同じく血統面で傾向を見ていきます。

血統傾向(父、母父)

総合馬術も出場母数が少ない為、2頭以上輩出した馬で選出しています。

こちらは、出場割合を合わせて見ていければと思いますが、
キズナの一人勝ちとなりました。

これは若干驚くべき事で、キズナは2016年からの種付け開始で現段階、産駒は6歳が一番上です。
勿論、その為血統登録頭数が少ない中で3頭の排出をしています。
ちなみにその3頭はパンパシフィック、トーホウミトラ、シチリアフレイバー。順に4歳、5歳、6歳です。

母父も少ないですが見ていきます。

2頭以上輩出はアグネスタキオンとシンボリクリスエスのみとなりました。
こちらは母数が少なすぎて何とも言えない感がありますので、2022年以前の傾向を別の機会で分析して示唆出し出来ればと思います。

3競技を比較

最後に障害、馬場、総合の3競技の傾向を並べて見ていきます。

絶対的母数の違いもあるので、比較しづらい部分もありますが
馬場馬術を除いてキズナ産駒はRRCへの出場率が比較的高くなっています。
また障害、総合は傾向が近似する部分も多いですが、馬場馬術は上位にエイシンフラッシュ、マンハッタンカフェ、キングズベスト、スマートファルコンが来ており、一風変わった父傾向に感じます。

母父は障害馬術競技でサンデー越えの多さを見せたクロフネが馬場、総合では影を潜めています。
クロフネが母父なのは馬場、総合共に1頭ずつの出場に留まっています。
また、母父でも馬場馬術は特有の傾向が見受けられます。

キンカメ、サンデー、トニービンは障害でも一定の出場数がありますが、ストリートクライは218頭中0です。
競馬界でも国内は母父ストリートクライで重賞勝利しているのはテリトーリアルとトゥルボーのみ。ストリートクライ産駒はそもそも国内29頭のみで現役馬はディサーニングだけ。
(海外はロマンティックウォリアーを母父として出していますし、産駒にはストリートセンス、ウィンクス、ゼニヤッタと名馬中の名馬揃い)

まとめ

今回は父と母父の血統だけのまとめとなりましたが、3競技それぞれ傾向を見てきました。
2023年度はまだ母数が少ない為、少し偏った傾向かもしれません。

今後、2022年以前の傾向や好成績を残した馬との相関、馬体重との相関など、RRCに係る傾向をnoteで纏めていきます。

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