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馬と胃潰瘍 ~ 馬を飼養する上で、とっても重要なこと

「やっぱりな」という印象。

馬が暴れたり危険な行動をするのは、

【ホースマンシップ】では治らない。



外見では判断出来ない、よくある馬の病気(胃潰瘍)

お世話に成っている馬の医療センターの投稿から。

僕の引退競走馬は体重の維持が容易な馬で、よく食べふっくらした体型を維持しており、同じ様に引退馬を所有している人から見ると羨ましいと言われる事も多いサラブレッド馬です。

今年の夏、初めてコンディションを落として回復はしていたものの、



マスター、マノロ・メンデスのクリニックでマスターから胃潰瘍の可能性が有るとアドバイスを受けました。

獣医が述べている通り、馬の胃潰瘍は外見や馬の見た目から判断する事は至難で、胃カメラを使った検診が必要です。

また、胃潰瘍の馬は様々な行動を示す事も知られており、腹帯を締める時に噛んでくる、鞍を乗せる時に嫌がる、やる気が無い、集中力不足、落ち着かない、イライラから来る危険行動等があります。

また痩せたり筋肉が付き難い等の問題も起こりやすく、馬のパフォーマンス全体を低下させます。

胃潰瘍の原因については、ストレスフルな生活(環境)、過度な、ストレスのかかる運動、餌を決まった時間に(1日2〜3回)しか与えられない等があります。

馬は一日中、少しずつ継続的に草を喰む様な身体の構造になっており、胃酸が常に分泌されています。

また馬の胃袋は小さく、食べた物は短時間に胃袋から排出されて行きます。

つまり、食べていない時は常に胃酸過多なのです。

最近のホースマンシップではストレスの少ない環境でいつでも草を食べられる様に飼うべきだと云われるのは、馬の健康、パフォーマンスに直接、影響するからです。

空腹で運動をさせると、胃酸が胃の中で揺すられ最悪な状態に成ります。

僕は運動前に【必ず】食事をさせますし、調教中もアルファルファを与える等しています。

競走馬は胃潰瘍が多い事で知られており、引退競走馬は必ずと言って良い程、胃潰瘍の検診と治療が必要です。

競走馬は限られた食事しか与えられず、食事も麦などの、胃潰瘍を誘発する餌が(安価である為に)与えられます。

またストレスかかる運動を日課にしており、馬房で過ごす時間が長い、馬運車で移動が多いなど、ストレスの多い生活を強いられており、胃潰瘍に成らない方が寧ろ奇跡だと言えます。

食事は、自然に近い地面の高さで食べさせる事によって、唾液の分泌を促し唾液の胃酸を中和する働きを助けます。

但し乾草などを地面に直接置く事は、埃や砂を馬が摂取するリスク(疝痛のリスク)が高く成るため、絶対に行わない事です。

因みに僕の馬は疝痛を起こした事が一度もありません。(疝痛は馬が急死するリスクの高い、比較的起こりやすい病気です)

オーストラリアでは胃カメラ検診は2万5千円程度の経費で、治療が必要な場合は、1ヶ月の薬代とサプリメントで11万円ちょっとです。

馬を飼う人は、15万円程度の獣医の請求書をサラッと払える必要があります。

但し、放置しておいても見過されがちな病気なので、検診しない場合が殆どではないでしょうか



サラブレッド系の神経質な馬で、

馬房暮し、餌は1日2回、穀類を食べている

沢山の人を乗せている

見た目がほっそりしている

運動したがらない、腹帯が嫌い、危険な行動をする

そんな馬は、まず疑って間違いないと言えます。

胸焼けや胃痛があるのに、障害を跳んだり餌も食べられずに運動したり。

もし自分が馬だったら、ハッピーな馬でいられるでしょうか

Rising Sun Horsemanship


馬という動物の食性を考えれば、当然のことなのですが、そのことを公然と文章にしたものを見る機会が残念ながらありませんでした。

偶然とは言え、曳き馬運動をする前に、必ずバナナのかけらを持っており、始める前と途中で与えていたことは、合っていたのだと思います。

しかし、広い牧草地に放すことや耕作放棄地に放してやる努力をもっとするべきであったと悔やまれます。



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江島 達也/対州屋
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