第167回天皇賞(春)2023年4月30日京都4日で、ものすごく辛いものを見てしまった
そもそも競馬は好きでは無かったし、見ていなかった。
でも、息子が興味を持ったし、馬のにおいがなつかしいし、馬を単純に見たいという思いから、最寄りの地方競馬である、さが競馬へ何度か足を運んだ。
今年、2023年春、仕事の依頼で春秋の天皇賞を制した名馬、タマモクロスのイラストを描かせてもらったご縁から、競馬、天皇賞、葦毛の馬にとっても興味が出ていた。
しかし、レースを見る気は無く、どんな馬が出走するかもまったく知らなかった。
たまたまひと段落ついて、今のソファに座った時、時計をみると「15時40分」。天皇賞の時間だ、と思い、テレビをつけると、ちょうどゲートインするところでした。
結果は、以下の通り。
一番人気のタイトルホルダーとアフリカンゴールドが先行するも共に途中で失速し、競争中止。
タイトルホルダーは、右前脚は行。アフリカンホルダーは心房細動。
大差の最下位でゴールしたトーセンカンビーナは、左前浅屈腱不全断裂。
最後まで走り切ってゴールしたトーセンカンビーナがかなり厳しい重症を負ってしまった。
もちろん全力を挙げて治療にあたるだろう。けがから復活した例もある、
しかし「競走馬」として致命的な怪我をしたことには変わりない。
アフリカンホルダーは「騙馬」であるから、種牡馬になる可能性も無い。
乗馬クラブや施設などで引き取ってもらえばいい方で、種牡馬になれなければ後は、安楽死(殺されることに安楽も何もあったのではない)させられるだけである。
JRAのレース映像では、ゴール前の直線のみで、3頭はフレームにすら入っていない。
「競馬の最も辛い現実、嫌な現実」を見てしまった。
私が言いたいのは、次の事に限る。
もっとも辛い思いをしているのは、毎日朝も昼も夜も3頭の世話をしてきた厩務員なのである。
その辛さは比較できるものでは無いが、馬主、調教師、ファンの何千倍、なんいや何万倍だろう。
そもそも馬にとって天皇賞だろうが海外レースだろうが、何の関係も無い。
競馬馬であることも、何億という金を動かすレースだろうが、そんなことは知った事ではない。
一番信頼している厩務員の信頼に応えるため、いつものルーティーンでやっている「いきなりの全力疾走」をやっているだけなのだ。
それが馬体にとって、どれだけ負担のかかるものであるか、それは私のような者にだってわかる。
毎日、どこかでレースは行われている。G1だろうが地方競馬であろうが、それは馬にとっては同じことで、昨日のような悲劇は頻繁に起きているということを、今更ながら目の当たりにしてしまった。
3頭が、どのような未来を迎えるかはわからない。
そかし、どのような状態であっても、今後穏やかな馬生を送って欲しいと祈るのみである。