写真録⑩ 馬 ~ 炭車を曳く馬
何時頃、どこで撮られたものかは、わからない。
おそらく昭和のはじめ頃、長崎、佐賀、福岡のいずれかで撮られたものだろう。
まだ石炭が金になっていた頃、なんとか地中から石炭を掘りだしたとしても、その石炭を出荷できなければ、まったく意味がなかった。
鉄道や自動車で運ぶことなど到底できないような零細炭鉱も多く、写真に見られるような軌道を敷設できたところは、まだだいぶ「大手」と言われていたことだろう。
それさえままならない、多くの零細坑では、馬車などで運ぶしかなかった。
何トンという石炭を運ぶために、こうして日に何往復もして、あえぎあえぎ運んだのであろう。
それでも、坑底に下げられた馬に比べれば、まだ「天国」であったという。
いいなと思ったら応援しよう!
※「チップ」は有難く拝受させて頂きます。もし、この記事が多少でも役に立った、或いは「よかったので、多少でもお心づけを」と思われましたら、どうぞよろしくお願いいたします。贈って頂いたお金は1円たりとも無駄にせず大切に使わせて頂きます。