「啖呵売」という話芸による、上級の販売方法に、新しく学ぶ②「この人から買いたい!」
長崎市には、昔から「おくんち」と呼ばれる祭りがあります。
毎年、10月の7,8,9日に行われるので、「9日=くんち」と呼ばれるようになった祭りです。
昔は、一帯を埋め尽くすほど露店が並び、賑やかでした。
子どもの頃は、山車などよりも、にぎやかな露店めぐりが楽しみで、友だちと繰り出していたのですが、もっと昔を辿ると、より活気が溢れていたことがわかります。そこでは、すばらしい「話芸」とも言える啖呵売が至るところで行われていたようです。
ところが、ここ数年と言うか、数十年と言うか、露天商での啖呵売はすっかり「絶滅」してしまっております。
それどころか、的屋の人たちが陰気くさくて、勝っても大して嬉しそうでもありません。
ですから、お祭りに行っても、食べ物とあと「くじ」などをやると、もう後は何もすることが無くなり、ただ帰るだけです。
そうして、段々というか、年々「おくんち」に対して魅力が無くなっていきました。
露店で何か、食べ物を買うと、最低でも500円はします。
例えば、子どもが何か「くじ」を買うと、ほとんどが「はずれ」で、100円ショップで売っているようなディズニーのキャラクターがついたサイフなどをくれるだけです。「はぁ、400円の儲けか。あこぎな商売してんな!」という思いがよぎります。
「お祭りの時は、ご祝儀価格」という感覚の私らですら、いい気分どころか、暗い気持ちになります。
大げさに言うと、悲しくなります。
「時代の流れだからしょうがない」だけでは無いと思います。
今の時代においてでも、お客さんを楽しませる工夫はできるはずです。
ただそれを日々考えながら商売をする、生きている人が居なさすぎる気がしています。
「たとえ、売っている物は、そこらの100円ショップで100円で買えるような物でも、この人から買いたい!」と思えるような人、そんな人に巡り合うことは、おそろしく難しくなっていると思います。
しかし、逆にその点を考えれば、「商売=販売方法=購買者の気持ちを明るく高める」という商売のエッセンスがわかってくるような気がします。
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