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私が対州馬を絶滅から救いたいと思う理由 その120

風当りと言う環境


「馬のいる風景」と聞くと、そのようなイメージを持たれるでしょうか?

おそらく広い丘陵地で風に吹かれているという感じではないでしょうか。
しかし、それはあながちイメージだけの世界ではありません。
むしろ馬という動物にとっては、とても大切な環境条件でもあります。

特に日本の在来馬など、寒冷地をルーツとする馬にとって、最大の敵と言ってもいいのが、「夏の暑さ」です。
サラブレッドやアングロアラブも生産地はヨーロッパですし、クォーターホースは北アメリカです。

夏の暑さは、もちろん馬の身体に深刻な打撃を与えますし、特に消化能力を衰えさせるで、最悪の場合、疝痛から死亡という悲劇を招くことになります。
ですから、年間を通して厩舎飼いをしているケースは、いかに虐待に等しい
か、理解して頂けるでしょう。
大きなクラブなどでは、大型の扇風機などで風を送っているようですが、これは気休めでしかないと思えます。
特に逃げ場のない平地での厩舎飼いは、可哀そうというよりも、怒りが込み上げます。
野生馬であれば、酷暑の時は、林の中の木立の中に立って、涼を求めることができます。動物は、どこが風の吹いてくる場所か、察知する能力があります。
 
さて、ひん太の場合ですが、その風通しについて、2か所とも自然の風は、一年中、通り続ける場所ではありました。
特に新しい放牧地は、目の前に清流(昔は清流であったが、今では地元の自治体が、途中で取水口を造ってしまった為、側溝のような流れになっていましたが)が或るため、谷に沿って涼しい風が吹いてきました。
また、雨を避ける為のシェルターも基本壁を付けないようにしたのは、建築法上の理由というよりは、風通しを妨げない為です。
横殴りの雨が当たらない構造になっていれば、壁そのものは必要ないと私は思っています。



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江島 達也/対州屋
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