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私が対州馬を絶滅から救いたいと思う理由 その94
窮地に立った時にこそ、本当に重要な人と出会うことができる ③
「ひん太の引っ越し先の土地がみつかる!」。
この時の安堵感は、今でも忘れることがありません。
心底ほっとしましたし、体中の力という力が、一気に抜けました。
しかし、まだ完全には安心できません。
「近所に迷惑がかかるようだと困る」と言われました。尤もなことです。
間に小さな小川と草原を挟んでいるとは言え、最寄りの民家までの距離は、役15mくらいしかありません。
もし、匂いや鳴き声で近隣から苦情が出てしまったら、たちまち退去せざるをえないでしょう。そう考えると、心の中に暗雲が立ち込めましたが、でも立ち止まっているわけにはいきません。
おそらくこの場所以上に、自宅から近い場所を見つけることは、ほぼ不可能に思えました。
そして、放牧地を移転するにあたって、クリアーしなければならない課題は、まだまだ山積していました。
まず、その場所は、雑草や倒木などで、歩くのも難しいような荒れ果てた場所となっていましたので、まず刈り払い機で草を刈り、倒れていた朽木などを運び出しました。
そして、結構な石を運び、近くの河原などに捨てました。
また、草を刈って判ったのですが、その土地には結構な釘やボルトなどの金属片やガラス片が無数に落ちていました。
話によると、以前地主さんが誰かに土地を貸した時に、その人物が廃材置き場として使ったらしいのです。
何という使い方をするのだ!と思いましたが、どうしようもありません。
コツコツと拾っては捨て続けました。
今の放牧地も同じく廃材置き場(というより捨て場)だったので、それに比べればかなりましであり、どうということはありませんでした。
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