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「やっぱり寝てしもうたね」 松浦鉄道 江迎鹿町駅

『 やっぱり寝てしもうたね 』(北松浦郡・MR江迎鹿町駅)
 
 きょうはお祭りに行くって、やたらはりきって昼寝せんやったけん、あぶなかねぇって思うとったけど、やっぱり寝てしもうたね。
きばって電車にまで乗って行ったとが、悪かったとかな。
でも、なんで電車に乗ったら、こんがんすぐ寝るとやろう!? いつも、どんがんゆうたっちゃ寝らんとばってん。
 でも、なんだかんだゆうても、きょう一日、久しぶりにゆっくり遊べてよかったんだけどね・・・。



 アルバムの中では、いろんな人たちに抱っこされたり、背負われている自分の姿を見るが、不思議とその時の記憶はない。
考えてみれば、幼稚園時代から、けっこうな道のりを歩いて通っていたので、「歩き」という面では、早く自立していたということだろうか。
 近所の子とグループを組んで行くのだが、とちゅうには商店街や大通りがあり、あっちへフラフラ、こっちにフラフラという、あぶなっかしいものだったにちがいない。
また、コース上に長崎大学のキャンパスがあったのだが、これが僕らにとって、かっこうの寄り道場所であった。
 そのころ、よく学生たちが地面に置いた、でっかい看板にスローガンなどを書いていた。
それを、ぼくらはのぞきこんだりしていたが、ある時、友だちが、その学生に「兄ちゃん、エジマくんは、マンガのじょうずかよ」と言うと、学生のお兄さんは、私にペンキのついた筆をわたし、あいているところにニャロメをかかせてくれた。
お兄さんは「じょうずかねぇ」と言ってニコニコ笑っていた。時代は学生運動のさかんなころだったが、そんなおおらかな空気が流れていた。

(長崎新聞社刊・僕の子ども絵日記 ながさきの四季より)



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江島 達也/対州屋
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