「考える力の100倍であるイメージの力」を発揮させるには
「イメージは、考えるの100倍」と言われるが、その意味は、案外きちんと繋がっていない。
たとえば誰かが、経済的或いは健康的に、かなり厳しい状況にあるとしよう。
傍から見ると、それは「大変な状況」である。本人がこれを自覚しているとすると、これが「考える力」である。
しかし、沈んでばかりはいられないから、何とかその状況を挽回しようと考え、試みる。
その試行錯誤には、うまくいったことを期待しているわけだから、イメージしていると言えなくもない。
しかし、ここまでは「考える」の範疇になる。
言い換えると、ここまでは「人間の脳」の中の新皮質であるとか大脳辺縁系といった「新しい時代の脳」或いは「理屈の通じる脳」の部分で行われていることである。
であるから、本当のイメージと言うか、「シグナル」或いは「サイン」といった力を及ぼすには、まったく違う「動作」「行動」が必要になる。
結論を先に言うと、「人が、何かいいことが起きた時にやる行動、仕草、態度」を実際にやることである。
人によりそれはまちまちだろうが、次のようなものが挙げられる。
*満面の笑みで笑う。
*拳を結んで、ガッツポーズをする。
*万歳をする。「ばんざい!」という。
*「よっしゃ」「イエス!」などと言う。
*「乾杯」と言って、何かを飲む。
*ダンスをする。
*スキップをする。
*口笛で、明るい曲を吹く。
等々・・・
実際、そのようなことをする理由がなくとも、実際にそれをすると、脳の中の脳幹部と言われる「原始時代の脳」「理屈の通じない脳」に影響を及ぼす。
それらの古い時代の脳は、現実に起こったからそうしているのか、嘘でやっているのかが区別できないからである。
そういった筋肉の動きや言葉の刺激を「プラス」と受け取り、おそらくDNAレベルから活性化してゆく。
これが「イメージの力」と言われるものである。
タレントである武田鉄矢さんが、まだ若くて売れない頃のエピソードに、次のようなものがある。
「貧乏神をだますために、コップ酒で乾杯をする」。
何か冗談話のようだが、母イクさんが、行ったこの行動こそが、脳幹部とDNAをだます?「イメージの力」の発揮方法に他ならない。