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『 よう帰ってきたねぇ 』(平戸市・生月町)

帰ってきたバイ! じいちゃんも元気そうやね・・・って、あれ? 

オヤジの着とるジャンパー、オレが高校ん時に着とったやつじゃなか? 

そういえば、じいちゃんの着とるとは、たしか中学ん時の学校ジャージたい! 

ちょっと、やめてくれ~。うちの中なら、よかけど、外で着るとはやめようよ。

また、かあちゃんが、いつまでも、そがんとば大事にとっとるけんねぇ・・・。

まさか、かあちゃんも、知子のルーズソックスとか、はいとるっちゃなかろうねぇ・・・。

あ~考えただけで、おそろしかばい。




いなかへの里帰り。いなかでの年こし。

それは、祖父母がいたから、なり立っていたのだと、今さらながら思う。

父方のじいちゃんは、にぎやか好きの大酒のみ。

記おくの中のじいちゃんは、おカンにした酒で、ゆでダコみたいになりながら、トロンとした目で、ふざけまわる孫たちを見ていた。

われら、孫軍団は、そこで作戦をねる。

元旦にお年玉をもらった後、大人たちはお酒をのむ。

そこで僕らは、かわるがわる、じいちゃんに「ま、イッパイ!」とお酒をつぐ。

じいちゃんが、ホロよいかげんになったところで、「じいちゃん、お年玉ば!」と、お年玉の二重どりをしようという作戦なのだ。

しかし、じいちゃんが、のみすぎるのか、これがうまくいったためしがない。

あと、来客があったりすると、お年玉めあてで、あいさつに出て行ったりもしたが、これもうまくいくことはなかった。

こんなに楽しかったいなかでの年こしも、僕らの思春期とともに、足が遠のき、じいちゃんたちが亡くなってからは、とだえてしまった。

僕の子ども絵日記-42
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