日本ガラパゴス型?搾取経済社会は、この先どうなっていくのか??
今更、様々な経済学などというイデオロギーを持ち出そうとは思わない。
以下に引用した、昭和39年(1964年)に朝日新聞掲載の「サザエさん」を読んで頂きたい。
第二次世界大戦の終結から、約20年後、「サザエさん」の作者である長谷川町子さんが、ヨーロッパを旅行した時の漫画手記?である。
特筆すべきは、
『 もう一つ驚いたのは、彼等らがよく休むことです。
じゃあサザエさんみたいだ― などとおっしゃらないでお聞き下さい。
これは他の国もそうでしたが、会社も商店も遅くあけて早く閉め、その上ヒ
ルネと称して三時間も休みます。
親がこれですから子供も歩調をあわせ、ムシ暑い日本の夏よりずっとしのぎやすいのに、宿題なしの夏休みが三ヵ月半続きます。
灯ともしころから市民はことごとく町にあふれ出て、食事や音楽や散歩を、夜中まで楽しみます。
にもかかわらず、ガツガツ働くわが国に比べて生活が豊かであることは、経済白書も証明しています。研究してみる価値はありますね。』
という文言。間違いなく、市民は、「自分の人生」というものを謳歌していることがうかがえる。
確かに時代背景も今とは随分とことなる。しかし、この頃のヨーロッパは、まだ戦争の傷跡や後遺症を完全に払拭できてないはず。
しかし、ここで注目したいのは、「ひとりひとりの人生における時間の価値というもの」と「他人の為に時間と労働をすることへのリスペクトとその価値というもの」を大事にしているということ。
だから、欧米では、ホテルでベッド・メイクしてくれる人やレストランで給仕してくれる人に「心付け(チップ)」を渡すのは、当たり前のことなのだ。
この長谷川町子さんのヨーロッパ旅行から現在まで、約60年。日本の社会と経済社会は、ここに少しでも近づいているのだろうか?
むしろ、逆である。
今は、女性も当たり前に働かないと家庭は維持できないし、「ワーキング・プア」や「社畜」「バ(バイト)畜」という言葉も使われるほど、皆が働けど貧しく、幸福度を一層感じられなくなっている。
経済学、経営学云々をこねくり回すよりも前に、「人の時間と労働に対するリスペクト」よりも「いかに利益を誘導するか?」という日本ガラパゴス型搾取経済社会?を、その世界的にマイナーなパラダイムを何とかしなければならないのではないか?
一見、街と社会は潤ってるように見えて、人々の「幸福度」は、今後ますます下がっていくのではないか?
色々な企業や教育機関、行政のトップの言葉をたまに読むことがあるが、判を押したように同じような文言に終始する。「グローバル化」「社会に貢献」「未来に向けた視点」・・・。
皆、日本独特の経済社会と価値観にまみれた?方々ばかりである。
本当に大丈夫なのだろうか?と思う。
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